MYSEC-PMとは？

Myelofibrosis Secondary to PV and ET Prognostic Model (MYSEC-PM) は､ post-PV/ET-MF を対象に､ 2017年にF. Passamontiらによって開発された予後予測スコアである¹⁾｡ 

MYSEC-PMの計算方法

以下､ 6つの独立した予後不良因子のスコアで4群に層別化する｡

• 年齢  　　　　　　 +0.15点/歳
• 持続する全身症状   +1点
• Hb＜11g/dL　　　 +2点
• 血小板＜15万/μL　 +1点
• 末梢血芽球≧3％　  +2点
• CALR変異がない    +2点

リスク層別化

• 低リスク　　 (11点未満)
• 中間-Ⅰリスク  (11〜<14点)
• 中間-Ⅱリスク (14〜<16点)
• 高リスク 　　(16点以上）

エビデンス

オリジナル文献¹⁾

JAK2変異､ CALR変異､ MPL変異を有する685名のSMF患者が研究対象とされ､ 全体的な生存期間中央値は9.3年だった｡ リスク層別化ごとの生存は統計的に有意に異なった｡ 

• 低リスク：NR
• 中間-Ⅰリスク：9.3年

(95%CI: 8.1-NR)

• 中間-Ⅱリスク：4.4年

(95%CI: 3.2-7.9)

• 高リスク：2年

(95%CI: 1.7-3.9)

IPSSとの比較²⁾

その後､ スペイン国立骨髄線維症登録レジストリ (Spanish Registry of Myelofibrosis) の262人の患者を対象とした研究で､ 🔢IPSS (International Prognostic Scoring System) との比較において､ MYSEC-PMはより正確に生存予測を行うことができた｡

造血器腫瘍診療ガイドラインの記載

造血器腫瘍診療ガイドライン2024年版³⁾では､ post PV/post ET-MF のリスク分類としてMYSEC-PMが推奨されている｡

推奨グレード: カテゴリー2B

参考文献

1) A clinical-molecular prognostic model to predict survival in patients with post polycythemia vera and post essential thrombocythemia myelofibrosis. Leukemia. 2017 Dec;31(12):2726-2731. PMID: 28561069

2) Performance of the myelofibrosis secondary to PV and ET-prognostic model (MYSEC-PM) in a series of 262 patients from the Spanish registry of myelofibrosis. Leukemia. 2018 Feb;32(2):553-555. PMID: 28935991

3) 日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2024年版. 金原出版. 2024

最終更新日：2025年2月25日

監修：HOKUTO編集部監修医師