Modified Aldreteスコアとは？

Modified Aldreteスコアは､ J. Antonio Aldrete医師によって1970年に開発されたAldreteスコアを改良したものである｡ これは､ 手術後の患者の回復状態を評価し､ 回復室から病棟または自宅への退室判断を行うために使用される｡ 特に､ 外来手術患者の退院適格性 (street fitness) を評価するために用いられる¹⁾｡

スコアの計算方法

以下の5項目の合計点で計算される

J Clin Anesth. 1995 Feb;7 (1):89-91.を基に編集部作図

スコアの解釈

日本麻酔科学会編 安全な鎮静のためのプラクティカルガイド ²⁾においては以下の推奨

• ≦5点 : 継続的に患者を監視する｡
• 6~8点 : 一般病室に退室可能｡ バイタルサインが鎮静前に戻るまで継続的に監視する｡
• ≧9点 : 帰宅可能｡

エビデンス³⁾

Whiteらによる研究では､ Fast-Track基準と比較した場合､ Modified Aldreteスコアはやや厳格であり､ 早期回復を評価する上での適応には限界があることが示唆されている³⁾｡

使用上の注意点

単回評価だけでなく､ 経時的なスコア変化を追跡することで､ より適切な退院判断が可能となる¹⁾｡ 疼痛や嘔気などよくある症状が含まれていない点には注意が必要である｡

出典

1) The post-anesthesia recovery score revisited. J Clin Anesth. 1995 Feb;7 (1):89-91. PMID: 7772368

2) 日本麻酔科学会編 安全な鎮静のためのプラクティカルガイド. 2022

3) Speeds Criteria vs. Modified Aldrete and Fast-Track Criteria for Evaluating Recovery in Outpatients. Open Journal of Anesthesiology, 2013, 3, 309-314

最終更新日 : 2025年1月22日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医