胃癌のTNM分類 (取扱い規約)とは?

T-壁深達度

• T0：癌がない
• T1：粘膜(M)あるいは粘膜下組織 (SM) にとどまる癌
• T1a：癌が粘膜にとどまる(M)
• T1b：癌の浸潤が粘膜下組織にとどまる(SM)
• T2：癌の浸潤が粘膜下組織を越え､ 固有筋層にとどまる(MP)
• T3：癌の浸潤が固有筋層を越え､ 漿膜下組織にとどまる(SS)
• T4：癌の浸潤が漿膜表面に露出または接している､ あるいは他臓器に浸潤*
• T4a：癌の浸潤が漿膜表面に接する､ 漿膜表面を破り腹腔に露出(SE)
• T4b：癌が直接他臓器に浸潤(SI)

＊ 漿膜浸潤が大網･小網に浸潤しても漿膜に露出しない場合はT3とする｡

他臓器：肝臓､ 膵臓､ 横行結腸､ 脾臓､ 横隔膜､ 腹壁､ 副腎､ 腎臓､ 小腸､ 後腹膜腔

N-所属リンパ節

• N0：所属リンパ節転移なし
• N1：1 ≦ 所属リンパ節転移 ≦ 2
• N2：3 ≦ 所属リンパ節転移 ≦ 6
• N3：所属リンパ節転移 ≧ 7
• N3a：7 ≦ 所属リンパ節転移 ≦ 15
• N3b：所属リンパ節転移 ≧ 16

M-転移

• M0：遠隔転移なし
• M1：遠隔転移あり

転移部位：リンパ節 (LYM) ､ 皮膚 (SKI) ､ 肺 (PUL) ､ 骨髄 (MAR) ､ 骨 (OSS) ､ 胸膜 (PLE) ､ 脳 (BRA) ､ 髄膜 (MEN) ､ 副腎 (ADR) ､ その他 (OTH)

H-肝転移

• H0：肝転移なし
• H1：肝転移あり (TNM表記：M1 HEP)

P-腹膜転移

• P0：腹膜転移なし
• P1：腹膜転移あり (TNM表記：M1 PER)
• P1a：胃､ 大網､ 小網､ 横行結腸間膜前葉､ 膵被膜､ 脾臓に限局
• P1b：上腹部の腹膜 (臍より頭側の壁側腹膜､ 横行結腸より頭側の臓側腹膜)
• P1c：中下腹部の腹膜
• P1x：腹膜転移を認めるが､ 分布は不明

CY-腹腔洗浄細胞診

• CY0：腹腔洗浄細胞診で癌細胞なし
• CY1：腹腔洗浄細胞診で癌細胞あり (TNM表記：pM1)

Stage (取扱い規約版)

臨床分類

病理分類

使用上の注意点

本ツールは胃癌取扱い規約の進行度分類に則して作成しています¹⁾.｡ なお､UICC第8版のTNM分類²⁾においては､ 分類や付記内容の記載方法が異なるため､ 正式な記載においてはこれらの成書をご確認ください｡

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📘 胃癌に対するESD/EMRガイドライン（第2版）

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参考文献

1. 日本胃癌学会. ｢胃癌取扱い規約 第15版｣ 金原出版, 2017, 88p
2. Brierley JD, Gospodarowicz MK, Wittekind C. TNM Classification of Malignant Tumor. 8th ed. Wiley-Blackwell; 2017.

最終更新：2023年1月17日 

監修医師：HOKUTO編集部医師