全身性肥満細胞症の予後予測
IPSMは、 ウィーン医科大学のWolfgang R. Sperrらによって2019年に開発され、 The Lancet Haematology誌で発表された¹⁾。 このスコアリングシステムは、 WHO分類のもとでも予後のばらつきが大きいことから、 特に非進行期 (non-advanced) と進行期 (advanced) の全身性肥満細胞症の患者の予後を予測し、 治療方針の決定を支援するために設計された¹⁾。
以下の2つの項目の合計点で計算される
スコアの解釈¹⁾
以下の6つの項目の合計点で計算される
スコアの解釈
AdvSMは原著でスコアごとの詳細なOSやFPSの記載はない。 AdvSM全体として10年OS 22.0% (95%CI:13.9~21.2)、 10年PFS 61.1% (95%CI:42.0~75.6)であった¹⁾。
European Competence Network on Mastocytosis (ECNM) のレジストリデータから1639名の患者が解析に用いられた¹⁾。 また、 独立した検証コホートとして、 Red Española de Mastocitosis (REMA) の462名のデータを用いてバリデーションが行われた。 検証においても、 非進行期および進行期の患者の全生存期間 (OS) および無進行生存期間 (PFS) において統計的に有意な差が認められた (p < 0.0001)¹⁾。
IPSMは日常診療での簡便なリスク層別化を目的としているが、 診断精度の向上にはWHO分類と組み合わせた多面的なアプローチが必要である。 一部のリスク因子 (例:KIT Asp816Val変異や分子プロファイリング) は本スコアには含まれていないため、 これらの分子的要因の考慮も補助的に行うことが推奨される。 特に進行期 (AdvSM) の患者のスコアリング結果が治療方針に直接影響を与える可能性があるため、 慎重な解釈と専門家の判断が必要である¹⁾。 小児 (17歳未満) の肥満細胞症に関しては異なる病態生理を有するため、 本スコアの適用は限定的である¹⁾。
最終更新日 : 2025年2月7日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
IPSMは、 ウィーン医科大学のWolfgang R. Sperrらによって2019年に開発され、 The Lancet Haematology誌で発表された¹⁾。 このスコアリングシステムは、 WHO分類のもとでも予後のばらつきが大きいことから、 特に非進行期 (non-advanced) と進行期 (advanced) の全身性肥満細胞症の患者の予後を予測し、 治療方針の決定を支援するために設計された¹⁾。
以下の2つの項目の合計点で計算される
スコアの解釈¹⁾
以下の6つの項目の合計点で計算される
スコアの解釈
AdvSMは原著でスコアごとの詳細なOSやFPSの記載はない。 AdvSM全体として10年OS 22.0% (95%CI:13.9~21.2)、 10年PFS 61.1% (95%CI:42.0~75.6)であった¹⁾。
European Competence Network on Mastocytosis (ECNM) のレジストリデータから1639名の患者が解析に用いられた¹⁾。 また、 独立した検証コホートとして、 Red Española de Mastocitosis (REMA) の462名のデータを用いてバリデーションが行われた。 検証においても、 非進行期および進行期の患者の全生存期間 (OS) および無進行生存期間 (PFS) において統計的に有意な差が認められた (p < 0.0001)¹⁾。
IPSMは日常診療での簡便なリスク層別化を目的としているが、 診断精度の向上にはWHO分類と組み合わせた多面的なアプローチが必要である。 一部のリスク因子 (例:KIT Asp816Val変異や分子プロファイリング) は本スコアには含まれていないため、 これらの分子的要因の考慮も補助的に行うことが推奨される。 特に進行期 (AdvSM) の患者のスコアリング結果が治療方針に直接影響を与える可能性があるため、 慎重な解釈と専門家の判断が必要である¹⁾。 小児 (17歳未満) の肥満細胞症に関しては異なる病態生理を有するため、 本スコアの適用は限定的である¹⁾。
最終更新日 : 2025年2月7日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
あなたは医師もしくは医療関係者ですか?
HOKUTOへようこそ。当サイトでは、医師の方を対象に株式会社HOKUTOの臨床支援コンテンツを提供しています。