IIEFとは?

International Index of Erectile Function (IIEF､ IIEF-15､ 勃起機能問診票) の略称で15の設問からなる²⁾ ｡

ED診断の際に用いられ､ IIEF､ IIEFの短縮版であるIIEF-5､ IIEF-EF ドメイン (IIEF-6) ､ IIEF-5と類似したSexual Health Inventory for Men(SHIM､ 男性性機能問診票)がある｡

IIEF-5はIIEF-15の5項目(設問5､ 15､ 4､ 2､ 7)から構成され､ NIHのED診断の基準期間に合わせて､ 過去4週間ではなく過去6ヶ月の性行為に項目が言い換えられている｡

質問項目²⁾

以下の設問に､ できるだけ正直に､ はっきりと､ 回答して下さい｡  以下の設問に回答する際には､ 次の用語定義に従って下さい｡  

｢性的行為｣とは､ 性交､ 愛撫 (ペッティング) ､ 前戯､ 自慰 (マスターベーション) を指します｡ ｢性交｣とは､ パートナーの腟へ挿入することを指し ます｡  ｢性的刺激｣には､ パートナーとの前戯やエロチックな画像を見るような状況などを含みます｡ ｢射精｣とは､ ペニスから精液を放出すること (あるいはそのような感覚) を指します｡ 

以下の設問には､ この4週間の状態について当ては まるものをそれぞれ一つずつ選んで印をつけて下さい｡

Q1：この4週間､ 性的行為の際､ どれくらいの頻度で勃起しましたか

性的行為はなかった＋0

ほとんど､ 又は全く勃起しなかった＋1

たまに勃起した (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々勃起した (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしば勃起した (半分よりかなり高い頻度) ＋4　

ほぼいつも､ 又はいつも勃起した＋5

Q2：この4週間､ 性的刺激によって勃起した時､ どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか

性的行為はなかった＋0

ほとんど､ 又は全くならなかった＋1

たまになった (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々なった (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしばなった (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつもなった＋5

Q3：この4週間､ 性交を試みた時､ どれくらいの頻度で挿入できましたか

性交を試みなかった＋0

ほとんど､ 又は全くできなかった＋1

たまにできた (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々できた (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしばできた (半分よりかなり高い頻度) ＋4　

ほぼいつも､ 又はいつもできた＋5

Q4：この4週間､ 性交の際､ 挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか

性交を試みなかった＋0

ほとんど､ 又は全く維持できなかった＋1

たまに維持できた (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々維持できた (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしば維持できた (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつも維持できた＋5

Q5：この4週間､ 性交の際､ 性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか

性交を試みなかった＋0

極めて困難だった＋1

とても困難だった＋2

困難だった＋3

やや困難だった＋4

困難でなかった＋5

Q6：この4週間､ 何回性交を試みましたか

性交を試みなかった＋0

1~2回＋1

3~4回＋2

5~6回＋3

7~10回＋4

11回以上＋5

Q7：この4週間､ 性交を試みた時､ どれくらいの頻度で性交に満足できましたか

性交を試みなかった＋0

ほとんど､ 又は全く満足できなかった＋1

たまに満足できた (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々満足できた (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしば満足できた (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつも満足できた＋5

Q8：この4週間､ 性交をどれくらい楽しみましたか

性交をしなかった＋0

全く楽しむことができなかった＋1

あまり楽しむことができなかった＋2

普通に楽しむことができた ＋3

かなり楽しむことができた＋4

非常に楽しむことができた＋5

Q9：この4週間､ 性的刺激又は性交の際､ どれくらいの頻度で射精しましたか

性的刺激も性交もなかった＋0

ほとんど､ 又は全く射精しなかった＋1

たまに射精した (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々射精した (ほぼ半分の頻度)  ＋3

しばしば射精した (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつも射精した＋5

Q10：この4週間､ 性的刺激又は性交の際､ どれくらいの頻度でオルガズム (絶頂感) を感じましたか

性的刺激も性交もなかった＋0

ほとんど､ 又は全く感じなかった ＋1

たまに感じた (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々感じた (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしば感じた (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつも感じた＋5

以下の2つの設問では､ ｢性的欲求｣についてお尋ねします｡ ｢性的欲求｣とは､ 自慰や性交のような性的行為をしたいと思うこと､ 性交していることを想像すること､ 性交できないことでいらだちを感じること､ などの気持ちを指します｡ 

Q11：この4週間､ どれくらいの頻度で性的欲求を感じましたか

ほとんど､ 又は全く感じなかった ＋1

たまに感じた (半分よりかなり低い頻度) ＋2

時々感じた (ほぼ半分の頻度) ＋3

しばしば感じた (半分よりかなり高い頻度) ＋4

ほぼいつも､ 又はいつも感じた＋5

Q12：この4週間､ 性的欲求の程度はどれくらいでしたか

非常に低い､ 又は全くない＋1　低い＋2　中くらい＋3　高い＋4　非常に高い＋5

Q13：この4週間､ 性生活全般にどの程度満足していましたか

非常に不満＋1　不満＋2　どちらとも言えない＋3　満足＋4　非常に満足＋5

Q14：この4週間､ パートナーとの性的関係にどの程度満足していましたか

非常に不満＋1　不満＋2　どちらとも言えない＋3　満足＋4　非常に満足＋5

Q15：この4週間､ 勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか

非常に低い＋1　低い＋2　中くらい＋3　高い＋4　非常に高い＋5

使用上の注意点

• IIEF-15､ IIEF-5､ IIEF-EFドメイン､ SHIMでは期間､ 設問数､ 点数の範囲に違いがある｡
• 問診にはSHIMが有用だが､ 治療効果判定にはIIEF-15またはIIEF-EFドメインの使用が望ましい｡ 簡便な問診票として日本語版EHS (Erection Hardness Score) がある｡ いずれも丁寧な病歴聴取の代用にはならないので注意する｡
• SHIMとIIEF-5は､ 設問2~5における0点の選択肢の有無に関して違いがある｡ 日本人は性交の機会が少ないため､ スクリーニングとしては0点を含むSHIMを､ 治療に対する反応を観察する場合にはIIEF-5も用いることが望ましい｡

関連コンテンツ

📘 ED診療ガイドライン［第3版］

日本性機能学会,日本泌尿器科学会

🔢 IIEF-5

勃起機能問診票

🔢 SHIM

勃起機能の男性性機能問診票

🔢 日本語版EHS

勃起の硬さスケール

🔢 IPSS

国際前立腺症状スコア

参考文献

1. 日本性機能学会/日本泌尿器科学会編. ｢ED診療ガイドライン(第3版)｣. リッチヒルメディカル, 2018, p101
2. The international index of erectile function (IIEF): a multidimensional scale for assessment of erectile dysfunction. Urology. 1997 Jun;49(6):822-30. PMID: 9187685

最終更新：2023年2月8日

監修医師：HOKUTO編集部医師