ACT(喘息コントロールテスト)とは?

Asthma Control Testの略で､ 国際的に用いられている12歳以上を対象とした喘息治療のコントロール指標である¹⁾｡ 時間や資源が限られている診療所でも､ 肺呼吸機能検査に関わらず簡便に患者自身が測定できる｡

評価項目¹⁾

評価項目は全部で5つで､ いずれも直近4週間の生活についての設問である｡

①喘息のせいで職場や家庭で思うように仕事がはかどらなかったことは時間的にどの程度ありましたか？

いつも(1点)､かなり(2点)､いくぶん(3点)､少し(4点)､全くない(5点)

②どれくらい息切れがありましたか？

1日に2回以上(1点)､ 1日に1回(2点)､ 1週間に3~6回(3点)､ 1週間に1､2回(4点)､全くない(5点)

③喘息症状(ゼーゼーする､ 咳､ 息切れ､ 胸が苦しい､ 痛いなど)のせいで 夜中に目が覚めたり､ いつもより朝早く目が覚めてしまうことがどのくらいありましたか？

1週間に4回以上(1点)､ 1週間に2､3回(2点)､ 1週間に1回(3点)､ 1､2回(4点)､ 全くない(5点)

④発作止めの吸入薬 (サルブタモールなど) をどのくらい使いましたか？

1日に3回以上(1点)､1日に1､2回(2点)､ 1週間に数回(3点)､ 1週間に1回以下(4点)､全くない(5点)

⑤自分自身の喘息をどの程度コントロールできたと思いますか.

全くできなかった(1点)､あまりできなかった(2点)､まあまあできた(3点)､十分できた(4点)､完全にできた(5点)

25点：完全なコントロール状態

20~24 点：良好なコントロール状態

20点未満：コントロール不良

エビデンス

5項目の内的整合性¹⁾

• サンプル全体で0.84 (n=436)
• 制御されていない群で0.83 (n=133)
• 制御された群で0.79 (n=303)

専門医による経験的検証¹⁾

• 専門医による評価とACTは最も高い相関があった. (r=0.45, p=0.001)
• 専門医による評価とFEV₁は中程度の相関があった. (r=0.37, p=0.001)
• ACTとFEV₁の相関は低かった. (r=0.19 ,p=0.001)

使用上の注意点

ACTの評価は自己評価になるため対象となる年齢は12歳以上である｡ 4~11歳の患児は ｢小児喘息コントロールテスト(C-ACT)｣が適応となる｡

参考文献

1. Development of the asthma control test: a survey for assessing asthma control. J Allergy Clin Immunol. 2004 Jan;113(1):59-65. PMID: 14713908.

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最終更新日：2022年11月11日

HOKUTO編集部医師監修