臨床的重症度分類とは？

難治性炎症性腸管障害に関する研究班により初めて提示され､ その後改訂が加えられた潰瘍性大腸炎の重症度分類¹⁻³⁾｡ 本邦で頻用される⁴⁾｡

指定難病の対象は中等症以上

指定難病97 潰瘍性大腸炎の申請において､ ｢中等症以上｣が対象とされている｡

改訂の歴史

1975年､ 潰瘍性大腸炎の診断基準(案)の中で初めて報告された｡ 1985年､ 国際的によく利用されるTruelove分類の6項目が採用された¹⁾｡ ただし､ Hb値については軽度貧血の多い日本人に適した数値に設定された｡ 2016年および2020年に､ それぞれの項目に関する定量的な定義が追加された²⁾³⁾｡

使用上の注意

各スコアの定義や判断基準

潰瘍性大腸炎による臨床症状 (排便回数､顕血便)を伴わない赤沈やCRPの高値のみで中等症とは判定しない｡ その他の注意事項については図表下を参照すること｡

妥当性の検証

本邦で頻用される分類であるが､ 妥当性に関する検討は不十分である｡

参考文献

1. 吉田豊, 他. 厚生省特定疾患消化吸収障害調査研究班 (白鳥班) 昭和60年度業績集 1986; 26-27
2. 松井敏幸, 他. 潰瘍性大腸炎･クローン病 診断基準･治療指針. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 (鈴木班)｣. 平成28年度分担研究報告書･別冊 2016; 1-3
3. 平井郁仁, 他. 潰瘍性大腸炎･クローン病 診断基準･治療指針. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 (鈴木班)｣. 令和元年度分担研究報告書　2020年3月

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潰瘍性大腸炎の診断基準

以下のいずれかを満たすもの

1. A.臨床症状のほか B.画像所見の①または②､およびC.生検組織学的検査を満たす
2. B.画像所見の①または②､ およびC.生検組織学的検査を複数回にわたって満たす
3. 切除手術または剖検により､ 肉眼的および組織学的に
本症に特徴的な所見を認める

｢難治性炎症性腸管障害に関する調査研究｣ (久松班). 令和3年度分担研究報告書. 潰瘍性大腸炎･クローン病. 診断基準･治療指針. 令和3年度 改訂版. 2022を基に作図

活動期内視鏡所見による分類

｢難治性炎症性腸管障害に関する調査研究｣ (久松班). 令和3年度分担研究報告書. 潰瘍性大腸炎･クローン病. 診断基準･治療指針. 令和3年度 改訂版. 2022を基に作図

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最終更新：20223年1月14日

監修医師：HOKUTO編集部医師