ASIA機能障害尺度 (AIS) とは?

ASIA機能障害尺度 (ASIA impairment scale､: AIS) は､ 脊髄損傷患者の神経学的転帰を評価するために､ 1982年に米国脊髄損傷協会 (American Spinal Injury Association､ ASIA) によって開発されたツールである¹⁻²⁾ ｡ 

脊髄損傷 (SCI) の臨床試験におけるアウトカムツールとして推奨されている¹⁾｡ 対象患者は脊髄損傷を持つ患者であり､ 臨床現場や臨床試験での評価に利用される｡ その他同様のツールとしてFrankel分類が知られている｡

ASIA機能障害尺度 (AIS)の分類

評価方法

AISの分類決定は以下の順序が推奨されるる｡ 

1. 感覚機能の評価：軽減刺激および鋭利な刺激に対する感覚機能を､ 0~2のスコアで評価する*｡
2. 運動機能の評価：上肢および下肢の運動機能を､ 0~5のスコアで評価する*｡
3. 神経学的損傷レベル (NLI) の判定：運動および感覚の評価結果をもとに､ 神経学的階層を判定する｡
4. AISの判定：患者の神経学的階層および機能状態に基づいて､ A (完全麻痺) からE (正常) までの5つのカテゴリに分類する｡

＊検査不能の場合は「NT」と評価する｡

参考：MMT

徒手筋力検査 (manual muscle testing: MMT)

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参考文献

1. Guidelines for the conduct of clinical trials for spinal cord injury (SCI) as developed by the ICCP panel: clinical trial outcome measures. Spinal Cord. 2007 Mar;45(3):206-21. PMID: 17179972
2. A web-based computer program to determine the ASIA impairment classification. Spinal Cord. 2010 Feb;48(2):100-4. PMID: 19704413
3. 米国脊髄損傷協会, 脊髄損傷の神経学的分類の国際基準 (参照2023-5-1)

最終更新：2023年11月5日

監修医師：聖路加国際病院救急部 清水真人