特発性間質性肺炎の重症度分類 (本邦基準)
IPF では労作時の動脈血酸素分圧の低下が高率に認められるため、 安静時の動脈血酸素分圧に加えて、 6分間歩行試験におけるdesaturationの有無を組み込んだ重症度分類が用いられている¹⁾.
抗線維化薬治療や検査、 入院などで医療費が高額になることがあるため、 経済的な負担を軽減する支援制度が設けられている. 「難病の患者に対する医療等に関する法律 (難病法)」 で定められた「指定難病」には、 IIPs、 膠原病に伴うILD、 サルコイドーシスなどが含まれるが、 HPや関節リウマチに伴うILDなどは「指定難病」には指定されていない. 指定難病に該当する疾患と診断された場合は、 条件を満たせば難病医療費助成制度を利用できる.
難病医療費助成制度は難病の診療にかかる医療費の一部を助成する制度である. 月のはじめから月末までの1ヵ月に支払う指定難病の医療費にかかる自己負担に上限額が定められ (世帯の所得によって決まる) 、 それを超えた場合に助成が受けられる. IIPsでは重症度3または4のように重症度が一定以上の患者が対象となる. また、 軽症であっても (IIPsでは重症度1または2) 申請を行う月から12ヵ月前までの期間に、 診療にかかった医療費総額が、 33,330円 (医療費の自己負担割合が3割の場合は、 自己負担額が10,000円) を超える月が3回以上ある場合に対象となる (軽症高額) .
難病医療費助成制度の申請をしてから医療受給者証が交付されるまでに支払った医療費のうち、 自己負担の上限額を超えた分については、 後から手続きをすることで払い戻しを受けることができる. 所得の階層区分について一般所得Ⅰ以上の患者が、 支給認定を受けた指定難病に係る月ごとの医療費総額について5万円を超える月が年間6回以上ある場合は、 月額の医療費の自己負担が軽減される (高額かつ長期) .
高額療養費制度は医療費が高額になった場合の経済的な負担を軽くする制度である. 月のはじめから月末までの1ヵ月の医療費の自己負担に限度額が定められ (年齢と所得によって決まる) 、 その額を超えた医療費の支給が受けられる. 難病医療費助成制度の対象とならない疾患の診療や、 自己負担の限度額を超えた場合に利用することができる. また、 同じ月の複数の医療機関の合算額が上限額を超えれば高額療養費の対象となる.
最終更新日:2022年6月28日
後期研修医のための呼吸器内科現場診療: 間質性肺疾患より解説引用 (日赤医療センター呼吸器内科副部長 猪俣稔先生)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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IPF では労作時の動脈血酸素分圧の低下が高率に認められるため、 安静時の動脈血酸素分圧に加えて、 6分間歩行試験におけるdesaturationの有無を組み込んだ重症度分類が用いられている¹⁾.
抗線維化薬治療や検査、 入院などで医療費が高額になることがあるため、 経済的な負担を軽減する支援制度が設けられている. 「難病の患者に対する医療等に関する法律 (難病法)」 で定められた「指定難病」には、 IIPs、 膠原病に伴うILD、 サルコイドーシスなどが含まれるが、 HPや関節リウマチに伴うILDなどは「指定難病」には指定されていない. 指定難病に該当する疾患と診断された場合は、 条件を満たせば難病医療費助成制度を利用できる.
難病医療費助成制度は難病の診療にかかる医療費の一部を助成する制度である. 月のはじめから月末までの1ヵ月に支払う指定難病の医療費にかかる自己負担に上限額が定められ (世帯の所得によって決まる) 、 それを超えた場合に助成が受けられる. IIPsでは重症度3または4のように重症度が一定以上の患者が対象となる. また、 軽症であっても (IIPsでは重症度1または2) 申請を行う月から12ヵ月前までの期間に、 診療にかかった医療費総額が、 33,330円 (医療費の自己負担割合が3割の場合は、 自己負担額が10,000円) を超える月が3回以上ある場合に対象となる (軽症高額) .
難病医療費助成制度の申請をしてから医療受給者証が交付されるまでに支払った医療費のうち、 自己負担の上限額を超えた分については、 後から手続きをすることで払い戻しを受けることができる. 所得の階層区分について一般所得Ⅰ以上の患者が、 支給認定を受けた指定難病に係る月ごとの医療費総額について5万円を超える月が年間6回以上ある場合は、 月額の医療費の自己負担が軽減される (高額かつ長期) .
高額療養費制度は医療費が高額になった場合の経済的な負担を軽くする制度である. 月のはじめから月末までの1ヵ月の医療費の自己負担に限度額が定められ (年齢と所得によって決まる) 、 その額を超えた医療費の支給が受けられる. 難病医療費助成制度の対象とならない疾患の診療や、 自己負担の限度額を超えた場合に利用することができる. また、 同じ月の複数の医療機関の合算額が上限額を超えれば高額療養費の対象となる.
最終更新日:2022年6月28日
後期研修医のための呼吸器内科現場診療: 間質性肺疾患より解説引用 (日赤医療センター呼吸器内科副部長 猪俣稔先生)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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