痙攣重積型 (二相性) 急性脳症の診断予測
2015年にTadaらによってAESD (痙攣重積型 (二相性) 急性脳症) の早期診断、 熱性けいれんとの鑑別を目的に開発された予測スコアである¹⁾。
意識レベル、 年齢、 痙攣持続時間、 挿管の有無、 入院時のAST、 入院時の血糖値、 入院時のCreの合計点で計算される¹⁾。
4点以上の場合、 AESDの可能性が高い
AESDは通常、 30分以上続く初期けいれんを特徴とし、 その後の数日間でほとんど正常な意識状態を示すことがあり、 延長した熱性けいれんと初期に誤診されるリスクがある。 このツールは、 AESDと熱性けいれんを区別し、 AESDの可能性が高い患者に早期治療介入を可能にすることを目的としTadaらにより開発された¹⁾。 62名のAESD患者と54名の熱性けいれん患者を対象に後方視的に分析された。 このスコアリングシステムの感度は88.7%、 特異性は90%であり、 AESDとPFSの区別に有効であることが示された。
市坂らによる有熱時けいれん性てんかん重積77例 (うち AESD14例) の検討で感度 /特異度/ 陽性的中率が90.0%/ 89.6%/ 56.3%であった²⁾。 また、 石田らによるデータ欠損を除く260例に適応した検討でAESD 予測の感度/ 特異度/ AUC/ 陽性的中率/ 陰性的中率が90%/ 76%/ 0.86/ 23%/ 99%であった³⁾。 このように、 陽性的中率が高くないことに留意すべきである。
血液・髄液サイトカイン、 MMP-9、 TIMP-1、 髄液tau蛋白、 血清procalcitonin、 血清および髄液のvisinin-like protein-1などのバイオマーカーは、 AESDの早期診断の有用性について検討されているが、 これらのマーカーが臨床的に有用であるという明確な証拠はまだ示されていない。 しかし、 今後の研究次第ではこれらの有用性が示される可能性があり、 スコアが変更されうる。
2) 市坂有基他. 二相性脳症における早期治療介入基準についての比較検討及びその活用. 日本小救急 医学会雜誌:17:396-400, 2018.
3) 石田悠介他. 急性脳症の予測基準の有用性の検証: 第 1 報 AESD 予測のために開発された基準の別コホートにおける再検証. 脳と発達; 52 (Suppl): S264, 2020.
最終更新日 : 2024年2月4日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
2015年にTadaらによってAESD (痙攣重積型 (二相性) 急性脳症) の早期診断、 熱性けいれんとの鑑別を目的に開発された予測スコアである¹⁾。
意識レベル、 年齢、 痙攣持続時間、 挿管の有無、 入院時のAST、 入院時の血糖値、 入院時のCreの合計点で計算される¹⁾。
4点以上の場合、 AESDの可能性が高い
AESDは通常、 30分以上続く初期けいれんを特徴とし、 その後の数日間でほとんど正常な意識状態を示すことがあり、 延長した熱性けいれんと初期に誤診されるリスクがある。 このツールは、 AESDと熱性けいれんを区別し、 AESDの可能性が高い患者に早期治療介入を可能にすることを目的としTadaらにより開発された¹⁾。 62名のAESD患者と54名の熱性けいれん患者を対象に後方視的に分析された。 このスコアリングシステムの感度は88.7%、 特異性は90%であり、 AESDとPFSの区別に有効であることが示された。
市坂らによる有熱時けいれん性てんかん重積77例 (うち AESD14例) の検討で感度 /特異度/ 陽性的中率が90.0%/ 89.6%/ 56.3%であった²⁾。 また、 石田らによるデータ欠損を除く260例に適応した検討でAESD 予測の感度/ 特異度/ AUC/ 陽性的中率/ 陰性的中率が90%/ 76%/ 0.86/ 23%/ 99%であった³⁾。 このように、 陽性的中率が高くないことに留意すべきである。
血液・髄液サイトカイン、 MMP-9、 TIMP-1、 髄液tau蛋白、 血清procalcitonin、 血清および髄液のvisinin-like protein-1などのバイオマーカーは、 AESDの早期診断の有用性について検討されているが、 これらのマーカーが臨床的に有用であるという明確な証拠はまだ示されていない。 しかし、 今後の研究次第ではこれらの有用性が示される可能性があり、 スコアが変更されうる。
2) 市坂有基他. 二相性脳症における早期治療介入基準についての比較検討及びその活用. 日本小救急 医学会雜誌:17:396-400, 2018.
3) 石田悠介他. 急性脳症の予測基準の有用性の検証: 第 1 報 AESD 予測のために開発された基準の別コホートにおける再検証. 脳と発達; 52 (Suppl): S264, 2020.
最終更新日 : 2024年2月4日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
あなたは医師もしくは医療関係者ですか?
HOKUTOへようこそ。当サイトでは、医師の方を対象に株式会社HOKUTOの臨床支援コンテンツを提供しています。