多発性硬化症の再発活動性とは無関係な病状進行
多発性硬化症診療における概念であり「再発活動性とは無関係な病状進行 (Progression independent of relapse activity)」 のこと。
PIRAは、 再発と無関係に🔢EDSS、 25フィート歩行時間 (T25FW)、 9ホールペグテスト (9HPT) の以下のいずれかの数値が悪化したものと定義される¹⁻²⁾。
- EDSS :ベースライン≦5.5 : 1.0以上の増加
ベースライン>5.5 : 0.5以上の増加
- T25FW:20%以上の増加
- 9HPT :20%以上の増加
「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」 には、 "MSの慢性進行を定義するのは困難であるが、 その病態を臨床的に捉えるための概念としてPIRAが提唱されている。" と掲載されている¹⁾。
PIRAを有すると、 🔢EDSS 6.0到達リスクが7.93倍増加した (vs. PIRAのない患者)
早期からPIRAを有すると、 🔢EDSS 6.0到達リスクが26.21倍増加した (vs. 後期PIRA患者)
PIRAの関連因子は以下
ベースライン時の年齢が高いこと、 経過が再発寛解型であること、 罹病期間が長いこと、 EDSSが低いこと、 イベント前の再発回数が低いこと
RAW*の関連因子は以下
ベースライン時の年齢が若いこと、 経過が再発寛解型であること、 EDSSが低いこと、 イベント前の再発回数が多いこと
疾患修飾療法 (DMT) の投与が長いほど、 PIRAおよびRAWの両方のリスクが低下
1) 日本神経学会 監修. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 2023. 医学書院. p21
2) JAMA Neurol. 2020;77:1132-1140.
3) JAMA Neurol. 2023;80(2):151-160.
4) Brain. 2022;145(8):2796-2805.
最終更新:2025年5月9日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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PIRAは、 再発と無関係に🔢EDSS、 25フィート歩行時間 (T25FW)、 9ホールペグテスト (9HPT) の以下のいずれかの数値が悪化したものと定義される¹⁻²⁾。
- EDSS :ベースライン≦5.5 : 1.0以上の増加
ベースライン>5.5 : 0.5以上の増加
- T25FW:20%以上の増加
- 9HPT :20%以上の増加
「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」 には、 "MSの慢性進行を定義するのは困難であるが、 その病態を臨床的に捉えるための概念としてPIRAが提唱されている。" と掲載されている¹⁾。
PIRAを有すると、 🔢EDSS 6.0到達リスクが7.93倍増加した (vs. PIRAのない患者)
早期からPIRAを有すると、 🔢EDSS 6.0到達リスクが26.21倍増加した (vs. 後期PIRA患者)
PIRAの関連因子は以下
ベースライン時の年齢が高いこと、 経過が再発寛解型であること、 罹病期間が長いこと、 EDSSが低いこと、 イベント前の再発回数が低いこと
RAW*の関連因子は以下
ベースライン時の年齢が若いこと、 経過が再発寛解型であること、 EDSSが低いこと、 イベント前の再発回数が多いこと
疾患修飾療法 (DMT) の投与が長いほど、 PIRAおよびRAWの両方のリスクが低下
1) 日本神経学会 監修. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 2023. 医学書院. p21
2) JAMA Neurol. 2020;77:1132-1140.
3) JAMA Neurol. 2023;80(2):151-160.
4) Brain. 2022;145(8):2796-2805.
最終更新:2025年5月9日
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