多発性硬化症の疾患活動性
NEDA-4とは、 多発性硬化症における「疾患活動性が認められない状態 (no evidence of disease activity)」の指標の一つ。 治療による炎症や神経変性に対する効果測定に有用とされる¹⁾。
NEDA-3に 「脳萎縮の進行 (年間0.4%以上の脳容積の変化) 」 を追加したものであり、 以下のいずれも認められない状態を指す
- 再発 (24時間以上持続する神経症状*)
- 障害進行 (3ヵ月以上持続するEDSSの悪化)
- MRI活動性 (新規T2病変の出現or病変拡大)
- 脳萎縮の進行 (年間0.4%以上の脳容積の変化)
「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」 には、 NEDAは 「疾患修飾薬 (DMD) による炎症抑制と神経保護効果の両方を測るのに有用とされ、 治療ゴールとして達成した患者の割合が評価されることがある。 」 と掲載されている²⁾。
MS患者48例で12ヵ月間追跡
- NEDA-3の基準を満たした患者 : 58%
- NEDA-4の基準を満たした患者 : 29%
- 脳萎縮の進行が観察された患者 : 52%
NEDA-4はMSの潜在的な進行をより広範に捉える有効な指標である可能性がある
再発性MS患者を対象に、 NEDA-3とNEDA-4の指標としての有用性を評価
- NEDA-3の基準を満たした患者
フィンゴリモド0.5mg投与群 : 31.0%
プラセボ投与群 : 9.9%
OR 4.07、 p<0.0001
- NEDA-4の基準を満たした患者
フィンゴリモド0.5mg投与群 : 19.7%
プラセボ投与群 : 5.3%
OR 4.41、 p<0.0001
NEDA-4は、 DMDによる炎症抑制と神経保護効果の両方を測るのに有用と示唆される
1) Mult Scler. 2016; 22: 1297-1305.
2) 日本神経学会 監修. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 2023. 医学書院. p21
3) Front Neurol. 2019 ;10:788.
最終更新 : 2025年5月9日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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NEDA-4とは、 多発性硬化症における「疾患活動性が認められない状態 (no evidence of disease activity)」の指標の一つ。 治療による炎症や神経変性に対する効果測定に有用とされる¹⁾。
NEDA-3に 「脳萎縮の進行 (年間0.4%以上の脳容積の変化) 」 を追加したものであり、 以下のいずれも認められない状態を指す
- 再発 (24時間以上持続する神経症状*)
- 障害進行 (3ヵ月以上持続するEDSSの悪化)
- MRI活動性 (新規T2病変の出現or病変拡大)
- 脳萎縮の進行 (年間0.4%以上の脳容積の変化)
「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」 には、 NEDAは 「疾患修飾薬 (DMD) による炎症抑制と神経保護効果の両方を測るのに有用とされ、 治療ゴールとして達成した患者の割合が評価されることがある。 」 と掲載されている²⁾。
MS患者48例で12ヵ月間追跡
- NEDA-3の基準を満たした患者 : 58%
- NEDA-4の基準を満たした患者 : 29%
- 脳萎縮の進行が観察された患者 : 52%
NEDA-4はMSの潜在的な進行をより広範に捉える有効な指標である可能性がある
再発性MS患者を対象に、 NEDA-3とNEDA-4の指標としての有用性を評価
- NEDA-3の基準を満たした患者
フィンゴリモド0.5mg投与群 : 31.0%
プラセボ投与群 : 9.9%
OR 4.07、 p<0.0001
- NEDA-4の基準を満たした患者
フィンゴリモド0.5mg投与群 : 19.7%
プラセボ投与群 : 5.3%
OR 4.41、 p<0.0001
NEDA-4は、 DMDによる炎症抑制と神経保護効果の両方を測るのに有用と示唆される
1) Mult Scler. 2016; 22: 1297-1305.
2) 日本神経学会 監修. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 2023. 医学書院. p21
3) Front Neurol. 2019 ;10:788.
最終更新 : 2025年5月9日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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