IgG indexとは？

 (CSF-IgG / CSF-Alb) / (血清-IgG / 血清-Alb)

• 髄液中IgGおよび血清IgGの値をアルブミンで補正したもの¹⁾²⁾.
• 93人の参照被験者において､ 血液脳関門(BBB)の機能試験としてCSF-タンパク質比やアルブミン比よりも､ CSF-IgGのアルブミン比と血清の比の方が優れていた¹⁾.

エビデンス

• IgGインデックスが0.7~0.8未満：正常⁴⁾⁵⁾.
• IgGインデックスが0.7~0.8以上：中枢神経系での炎症を疑う⁴⁾⁵⁾.

疾患ごとの変化

腫瘍性や血管性の病態

• IgGインデックスは上昇しない.

多発性硬化症(MS)

• IgGインデックスが上昇することが多い.
• MSの患者におけるCSF-IgGタンパク質比､ CSF-IgG アルブミン比､ IgGインデックスはそれぞれ75%､ 80%､ 86%上昇した³⁾

視神経脊髄炎(NMO)

• IgGインデックスの上昇をみることは少ない.

中枢末梢連合脱髄症(CCPD)

• IgGインデックスの上昇をみることは少ない.

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

• オリゴクローナルIgGバンドが通常陰性である.
• 急性期ではIgGインデックスは上昇するがすぐに陰転化する.

特発性急性横断性脊髄炎

• IgGインデックスが上昇する.
• しかし数時間から数日で急性に神経症候が出現するため､ 発症から2~7日後の間に再検査が必要.

参考文献

1. Principles of albumin and IgG analyses in neurological disorders. I. Establishment of reference values. Scand J Clin Lab Invest. 1977 Sep;37(5):385-90. PMID: 337459.
2. Principles of albumin and IgG analyses in neurological disorders. II. Relation of the concentration of the proteins in serum and cerebrospinal fluid. Scand J Clin Lab Invest. 1977 Sep;37(5):391-6. PMID: 337460.
3. Principles of albumin and IgG analyses in neurological disorders. III. Evaluation of IgG synthesis within the central nervous system in multiple sclerosis. Scand J Clin Lab Invest. 1977 Sep;37(5):397-401. PMID: 337461.
4. 一般社団法人 日本神経学会 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017 第1章 中枢神経系炎症性脱髄性疾患概念
5. 一般社団法人 日本神経学会 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017 第6章 検査

最終更新：2022年5月8日

監修医師：聖路加国際病院救急部 清水真人