ピルトブルチニブ (ジャイパーカ®)
ジャイパーカ® (ピルトブルチニブ)
【1コース】連日内服投与
【催吐性】最小~軽度*
【FN発症】低リスク**

成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与
J Clin Oncol. 2025;43(22):2538-2549.
過去に共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬治療歴のある再発・難治性慢性リンパ性白血病 (CLL) /小リンパ球性リンパ腫 (SLL) 患者238例を対象とした第III相無作為化比較試験。 患者はピルトブルチニブ群または医師選択治療群*に1:1で割り付けられ、 主要評価項目はPFSとされた。
【有効性】ピルトブルチニブ (vs 医師選択治療)
- PFS中央値 14.0ヵ月 (vs 8.7ヵ月)
- OS中央値 29.7ヵ月 (vs 未到達)
- EFS中央値 14.1ヵ月 (vs 7.6ヵ月)
- TTNT中央値 24.0ヵ月 (vs 10.9ヵ月)
VEN未治療 : HR 0.36 (95%CI 0.21–0.61)
VEN既治療 : HR 0.37 (95%CI 0.23–0.60)
- 全奏効率 69% (vs 50%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 貧血 19.8% (11.2%)
- 肺炎 22.4% (15.5%)
- 好中球減少 18.1% (14.7%)
- 下痢 16.4% (0%)
- 咳嗽 16.4% (0%)
- COVID-19 12.9% (0%)
- 発熱 12.9% (0.9%)
- 倦怠感 11.2% (1.7%)
- 悪心 11.2% (0.9%)
- 嘔吐 6.9% (0.9%)
- ALT上昇 3.4% (0.9%)
- 体重減少 3.4% (0%)
- 貧血/鉄欠乏性貧血 20.7% (11.2%)
- 心房細動/粗動 2.6% (1.7%)
- 出血 21.6% (3.4%)
- 皮下出血 7.8% (0.9%)
- 点状出血/紫斑 5.2% (0.9%)
- 出血性事象 15.5% (2.6%)
- 高血圧 6.9% (2.6%)
- 感染症 (COVID-19除く) 57.8% (22.4%)
- 血小板減少 9.5% (7.8%)
BRUIN CLL-321試験³⁾の主な適格基準:
- 18歳以上 (日本人は20歳以上)
- ECOG PS 0–2
- 好中球≧750/μL
- 血小板≧5万/μL
- ヘモグロビン≧8g/dL
- 腎機能 : CrCl≧30mL/min
- 肝機能 : AST/ALT≦3×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
直近6ヵ月以内のリヒター転換やCNS浸潤歴、 BTK阻害薬による重度出血歴、 心筋梗塞3ヵ月以内、 LVEF≦40%、 NYHA III/IV心不全、 重度不整脈、 持続QTcF延長 (470ms超)、 ワルファリン内服中、 強力なCYP3A4阻害薬/誘導薬使用例等は除外された。

尿中未変化体の排泄率は10%であり、 腎障害患者における用量調整は不要と考えられる。
BRUIN CLL-321試験³⁾では、 有害事象発現時の対応は以下のように規定されていた。

なお、 ジャイパーカ®電子添文¹⁾では、 Grade≧3の副作用発現時はGrade≦1またはベースラインに回復するまで休薬し、 同量で再開、 再発時は1段階減量することが規定されている。
🧑⚕️ジャイパーカ®は、 共有結合型BTK阻害剤使用後にC481S変異が生じた場合でもBTK経路を阻害可能な非共有結合型BTK阻害剤であり、 マントル細胞リンパ腫に続いて承認されました。
ピルトブルチニブは、 B細胞受容体シグナルの下流分子であるBTKを阻害する低分子薬である。 共有結合型BTK阻害薬に対する耐性の原因となるC481変異BTKにも非共有結合かつ可逆的に作用し、 その活性を抑制する。 さらに、 高い経口吸収性と約19時間の半減期を有し、 BTKのターンオーバーに依存せず持続的阻害が可能で、 B細胞腫瘍の増殖抑制に寄与すると考えられる⁴⁾。

出血 : 出血が発現することがあり、 外科的処置では大量出血の可能性があるため、 手術や侵襲的手技を行う際は術前後3–5日程度の休薬を考慮する。
- 感染症
- 出血
- 骨髄抑制
最終更新 : 2025年9月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
ジャイパーカ® (ピルトブルチニブ)
【1コース】連日内服投与
【催吐性】最小~軽度*
【FN発症】低リスク**

成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与
J Clin Oncol. 2025;43(22):2538-2549.
過去に共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬治療歴のある再発・難治性慢性リンパ性白血病 (CLL) /小リンパ球性リンパ腫 (SLL) 患者238例を対象とした第III相無作為化比較試験。 患者はピルトブルチニブ群または医師選択治療群*に1:1で割り付けられ、 主要評価項目はPFSとされた。
【有効性】ピルトブルチニブ (vs 医師選択治療)
- PFS中央値 14.0ヵ月 (vs 8.7ヵ月)
- OS中央値 29.7ヵ月 (vs 未到達)
- EFS中央値 14.1ヵ月 (vs 7.6ヵ月)
- TTNT中央値 24.0ヵ月 (vs 10.9ヵ月)
VEN未治療 : HR 0.36 (95%CI 0.21–0.61)
VEN既治療 : HR 0.37 (95%CI 0.23–0.60)
- 全奏効率 69% (vs 50%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 貧血 19.8% (11.2%)
- 肺炎 22.4% (15.5%)
- 好中球減少 18.1% (14.7%)
- 下痢 16.4% (0%)
- 咳嗽 16.4% (0%)
- COVID-19 12.9% (0%)
- 発熱 12.9% (0.9%)
- 倦怠感 11.2% (1.7%)
- 悪心 11.2% (0.9%)
- 嘔吐 6.9% (0.9%)
- ALT上昇 3.4% (0.9%)
- 体重減少 3.4% (0%)
- 貧血/鉄欠乏性貧血 20.7% (11.2%)
- 心房細動/粗動 2.6% (1.7%)
- 出血 21.6% (3.4%)
- 皮下出血 7.8% (0.9%)
- 点状出血/紫斑 5.2% (0.9%)
- 出血性事象 15.5% (2.6%)
- 高血圧 6.9% (2.6%)
- 感染症 (COVID-19除く) 57.8% (22.4%)
- 血小板減少 9.5% (7.8%)
BRUIN CLL-321試験³⁾の主な適格基準:
- 18歳以上 (日本人は20歳以上)
- ECOG PS 0–2
- 好中球≧750/μL
- 血小板≧5万/μL
- ヘモグロビン≧8g/dL
- 腎機能 : CrCl≧30mL/min
- 肝機能 : AST/ALT≦3×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
直近6ヵ月以内のリヒター転換やCNS浸潤歴、 BTK阻害薬による重度出血歴、 心筋梗塞3ヵ月以内、 LVEF≦40%、 NYHA III/IV心不全、 重度不整脈、 持続QTcF延長 (470ms超)、 ワルファリン内服中、 強力なCYP3A4阻害薬/誘導薬使用例等は除外された。

尿中未変化体の排泄率は10%であり、 腎障害患者における用量調整は不要と考えられる。
BRUIN CLL-321試験³⁾では、 有害事象発現時の対応は以下のように規定されていた。

なお、 ジャイパーカ®電子添文¹⁾では、 Grade≧3の副作用発現時はGrade≦1またはベースラインに回復するまで休薬し、 同量で再開、 再発時は1段階減量することが規定されている。
🧑⚕️ジャイパーカ®は、 共有結合型BTK阻害剤使用後にC481S変異が生じた場合でもBTK経路を阻害可能な非共有結合型BTK阻害剤であり、 マントル細胞リンパ腫に続いて承認されました。
ピルトブルチニブは、 B細胞受容体シグナルの下流分子であるBTKを阻害する低分子薬である。 共有結合型BTK阻害薬に対する耐性の原因となるC481変異BTKにも非共有結合かつ可逆的に作用し、 その活性を抑制する。 さらに、 高い経口吸収性と約19時間の半減期を有し、 BTKのターンオーバーに依存せず持続的阻害が可能で、 B細胞腫瘍の増殖抑制に寄与すると考えられる⁴⁾。

出血 : 出血が発現することがあり、 外科的処置では大量出血の可能性があるため、 手術や侵襲的手技を行う際は術前後3–5日程度の休薬を考慮する。
- 感染症
- 出血
- 骨髄抑制
最終更新 : 2025年9月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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