治療スケジュール
概要
監修医師

Teclistamab:テクリスタマブ(テクベイリ®)

投与量コース投与日
0.06mg/kg 皮下投与漸増期Day 1
0.3mg/kg 皮下投与漸増期2~4日の間隔をあけて
1.5mg/kg 皮下投与漸増期2~4日の間隔をあけて
1.5mg/kg 皮下投与継続投与期1週間に1回 (最低5日以上の間隔をあけて)
1.5mg/kg 皮下投与継続投与期24週以降2週間に1回 (部分奏効以上)

前投薬

漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する.
CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する.

その他

漸増期は2-4日間隔で投与.
継続投与期は1週間間隔で投与.
部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合は投与間隔を2週間間隔としても良い.
漸増期3回目投与48時間経過後は必ず入院管理とする.
規格により有効成分濃度が異なるため濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

テクベイリ® (添付文書 / 適正使用ガイド)*

BCMA×CD3標的二重特異性抗体 テクリスタマブ
*ヤンセンファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します.

投与スケジュール

漸増期は、 1日目に0.06mg/kg、 その後は2~4日の間隔で0.3mg/kg、 1.5mg/kgの順に皮下投与。 その後の継続投与期は、 1.5mg/kgを1週間間隔で皮下投与。 なお、 継続投与期において、 部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合には、 投与間隔を2週間間隔とすることができる。
テクベイリ®皮下注 添付文書 2025年2月改訂 (第1版) より引用

前投薬

漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する。 また、 CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する。

その他

規格により有効成分濃度が異なるため濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない。

主な有害事象

MajesTEC-1試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 貧血 (52.1%、 ≧Grade3 37.0%)
  • 好中球減少症 (70.9%、 ≧Grade3 64.2%)
  • 血小板減少症 (40.0%、 ≧Grade3 21.2%)
  • リンパ球減少症 (34.5%、 ≧Grade3 32.7%)
  • 白血球減少症 (17.6%、 ≧Grade3 7.3%)

主な有害事象

  • サイトカイン放出症候群 (CRS) (72.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 下痢 (28.5%、 ≧Grade3 3.6%)
  • 疲労 (27.9%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 悪心 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 注射部位紅斑 (26.1%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発熱 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 頭痛 (23.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 関節痛 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 便秘 (20.6%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 咳嗽 (20.0%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肺炎 (18.2%、 ≧Grade3 12.7%)
  • Covid-19 (18.2%、 ≧Grade3 12.1%)
  • 骨痛 (17.6%、 ≧Grade3 3.6%)
  • 腰背部痛 (16.4%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 神経毒性イベント (14.5%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

B細胞成熟抗原 (BCMA) およびCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig)G4二重特異性モノクローナル抗体である。
  • T細胞の細胞膜上に発現するCD3と骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられている。
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない。
  • 免疫調節薬、 プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者が対象となる。

注意点

  • 漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与する。
  • 漸増期の投与後48時間は必ず入院管理とし、 漸増期3回目投与48時間経過後、 および継続投与期の4回目以降の投与後についても状態に応じて入院管理を検討する。
  • 継続投与期は最低5日をあけて投与する。
  • CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する。
  • ICANSが現れた場合は次回以降の投与は、 必要に応じて入院管理を検討する。
  • 部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合は投与間隔を2週間間隔とすることができる。
  • 低γグロブリン血症が出現することがあり、 定期的に免疫グロブリン濃度を測定する。

薬剤調製方法と注意点

  • 投与前の希釈が不要な皮下注製剤であり、 冷蔵庫から取り出し15分以上室温放置→約10秒静かに回して混ぜる (振とうしない)→粒子や変色がないか目視で確認する。
  • 薬剤投与方法 : 腹部又は大腿部に皮下注. 同一部位への反復注射は行わない。
  • 規格に 「30mg」 と 「153mg」 があり取り違えに注意。
  • 規格により有効成分濃度が異なるため、 濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない.
  • 「30mg」 は漸増用量1 (0.06mg/kg)及び漸増用量2 (0.3mg/kg)の投与のみに使用し、 「153mg」 は治療用量 (1.5mg/kg)の投与のみに使用。
  • 薬液入りシリンジは2-8℃または室温 (15-30℃) で最長20時間保存できる。

休薬後に再開する場合の用量 (CRSによる休薬を除く)

休薬直前用量 0.06mg/kg

  • 休薬期間 7日間以内:0.3mg/kg
  • 休薬期間 7日間超え:0.06mg/kg

休薬直前用量 0.3mg/kg

  • 休薬期間 7日間以内:1.5mg/kg
  • 休薬期間 7日間超え:0.3mg/kg
  • 休薬期間 28日間超え:0.06mg/kg

休薬直前用量 1.5mg/kg

  • 休薬期間 62日間以内:1.5mg/kg
  • 休薬期間 63-111日間:0.3mg/kg
  • 休薬期間 112日間以上:0.06mg/kg

副作用と対策

サイトカイン放出症候群 (CRS)

CRS発現までの期間中央値 : 2日 (1-9日)¹⁾
CRS回復までの期間中央値 : 2日 (1-6日)¹⁾
  • CRSを軽減させるため、 漸増期では投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する。
  • 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるように準備しておく。
  • 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い適切な処置を行う。

CRS発現時の休薬・中止の基準

  • Grade1-2 : 回復まで休薬
  • Grade3初発 : 回復するまで休薬し、 48時間以上持続する場合は投与中止
  • Grade3再発、Grade4 : 投与中止

CRS管理ガイダンス

  • 適正使用ガイド参照

免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS)

ICANS発現までの期間中央値 : 7日 (1-291日)¹⁾
ICANS回復までの期間中央値 : 3日 (1-13日)¹⁾
  • 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンスに従い適切な処置を行う.
  • 自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう指導する。

ICANS発現時の休薬・中止の基準

  • Grade1-2、Grade3初発 : 回復まで休薬
  • Grade3再発、Grade4 : 投与中止

ICANS管理ガイダンス

  • 適正使用ガイド参照

感染症

感染症の予防

  • 予防的免疫グロブリン補充療法.
  • 各医療機関のガイドラインに基づく抗生物質の予防的投与.
  • ニューモシスチス肺炎の予防.
  • 帯状疱疹の予防

感染症発現時の休薬・中止の基準

  • 漸増期 全Grade : 活動性感染症の場合、 回復まで休薬する
  • 維持投与期 Grade 3、4 : Grade1以下に改善するまで休薬する
感染症とCRSは同様の症状を呈することがあるため、 発熱等のCRSの初期徴候や症状と考えられる所見が認められた時点で、 培養検体の採取及び画像検査を行い、 臨床所見に基づく適切な検査法で鑑別診断を行うことが強く推奨される。

関連する臨床試験の結果

MajesTEC-1試験¹⁾

非盲検 多施設共同 第I/Ⅱ相試験。 プロテアソーム阻害薬、 免疫調節薬、 抗CD38抗体の3剤併用を含む3ライン以上の治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫*165例.  BCMA標的治療歴のある患者は除外。 テクリスタマブとして0.06mg/kg、 0.3mg/kgの用量漸増後、 1.5mg/kgを週1回皮下投与.
CR : 完全奏効、 VGPR : 最良部分奏効、 PR : 部分奏効.
全奏効率 : ORR (PR以上)、 奏効期間 : DOR、 無増悪生存期間 : PFS、 全生存期間 : OS
  • 追跡期間中央値 : 14.1ヵ月 (0.3-24.4ヵ月)
  • ORR : 63.0% (95%CI 55.2-70.4)
CR以上 39.4%、 VGPR 58.8%
  • MRD陰性率 : 26.7% (95%CI 20.1-34.1)
CR以上におけるMRD陰性率 46.2%
  • DOR中央値 : 18.4ヵ月 (95%CI 14.9-NE)
  • 12ヵ月奏効率 : 68.5% (95%CI 55.7-77.1)
  • PFS中央値 : 11.3ヵ月 (95%CI 8.8-17.1)
  • OS中央値 : 18.3ヵ月 (95%CI 15.1-NE)

有害事象

  • 投与中止に至った有害事象 : アデノウイルス肺炎1例、 進行性多巣性白質脳症1例.

出典

1) N Engl J Med. 2022 Aug 11;387(6):495-505.

2) テクベイリ®皮下注 適正使用ガイド

関連コンテンツ

サイトカイン放出症候群、 irAEのマネジメント (HOKUTOコンテンツ)

最終更新 : 2025年3月4日
執筆担当 : 北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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投与量コース投与日
0.06mg/kg 皮下投与漸増期Day 1
0.3mg/kg 皮下投与漸増期2~4日の間隔をあけて
1.5mg/kg 皮下投与漸増期2~4日の間隔をあけて
1.5mg/kg 皮下投与継続投与期1週間に1回 (最低5日以上の間隔をあけて)
1.5mg/kg 皮下投与継続投与期24週以降2週間に1回 (部分奏効以上)

前投薬

漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する.
CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する.

その他

漸増期は2-4日間隔で投与.
継続投与期は1週間間隔で投与.
部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合は投与間隔を2週間間隔としても良い.
漸増期3回目投与48時間経過後は必ず入院管理とする.
規格により有効成分濃度が異なるため濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

テクベイリ® (添付文書 / 適正使用ガイド)*

BCMA×CD3標的二重特異性抗体 テクリスタマブ
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投与スケジュール

漸増期は、 1日目に0.06mg/kg、 その後は2~4日の間隔で0.3mg/kg、 1.5mg/kgの順に皮下投与。 その後の継続投与期は、 1.5mg/kgを1週間間隔で皮下投与。 なお、 継続投与期において、 部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合には、 投与間隔を2週間間隔とすることができる。
テクベイリ®皮下注 添付文書 2025年2月改訂 (第1版) より引用

前投薬

漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する。 また、 CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する。

その他

規格により有効成分濃度が異なるため濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない。

主な有害事象

MajesTEC-1試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 貧血 (52.1%、 ≧Grade3 37.0%)
  • 好中球減少症 (70.9%、 ≧Grade3 64.2%)
  • 血小板減少症 (40.0%、 ≧Grade3 21.2%)
  • リンパ球減少症 (34.5%、 ≧Grade3 32.7%)
  • 白血球減少症 (17.6%、 ≧Grade3 7.3%)

主な有害事象

  • サイトカイン放出症候群 (CRS) (72.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 下痢 (28.5%、 ≧Grade3 3.6%)
  • 疲労 (27.9%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 悪心 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 注射部位紅斑 (26.1%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発熱 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 頭痛 (23.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 関節痛 (27.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 便秘 (20.6%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 咳嗽 (20.0%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肺炎 (18.2%、 ≧Grade3 12.7%)
  • Covid-19 (18.2%、 ≧Grade3 12.1%)
  • 骨痛 (17.6%、 ≧Grade3 3.6%)
  • 腰背部痛 (16.4%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 神経毒性イベント (14.5%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

B細胞成熟抗原 (BCMA) およびCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig)G4二重特異性モノクローナル抗体である。
  • T細胞の細胞膜上に発現するCD3と骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられている。
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない。
  • 免疫調節薬、 プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者が対象となる。

注意点

  • 漸増期は投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与する。
  • 漸増期の投与後48時間は必ず入院管理とし、 漸増期3回目投与48時間経過後、 および継続投与期の4回目以降の投与後についても状態に応じて入院管理を検討する。
  • 継続投与期は最低5日をあけて投与する。
  • CRSによる休薬後再開する場合は、 投与開始1-3時間前に前投薬を投与する。
  • ICANSが現れた場合は次回以降の投与は、 必要に応じて入院管理を検討する。
  • 部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合は投与間隔を2週間間隔とすることができる。
  • 低γグロブリン血症が出現することがあり、 定期的に免疫グロブリン濃度を測定する。

薬剤調製方法と注意点

  • 投与前の希釈が不要な皮下注製剤であり、 冷蔵庫から取り出し15分以上室温放置→約10秒静かに回して混ぜる (振とうしない)→粒子や変色がないか目視で確認する。
  • 薬剤投与方法 : 腹部又は大腿部に皮下注. 同一部位への反復注射は行わない。
  • 規格に 「30mg」 と 「153mg」 があり取り違えに注意。
  • 規格により有効成分濃度が異なるため、 濃度の異なるバイアルを混ぜて使用しない.
  • 「30mg」 は漸増用量1 (0.06mg/kg)及び漸増用量2 (0.3mg/kg)の投与のみに使用し、 「153mg」 は治療用量 (1.5mg/kg)の投与のみに使用。
  • 薬液入りシリンジは2-8℃または室温 (15-30℃) で最長20時間保存できる。

休薬後に再開する場合の用量 (CRSによる休薬を除く)

休薬直前用量 0.06mg/kg

  • 休薬期間 7日間以内:0.3mg/kg
  • 休薬期間 7日間超え:0.06mg/kg

休薬直前用量 0.3mg/kg

  • 休薬期間 7日間以内:1.5mg/kg
  • 休薬期間 7日間超え:0.3mg/kg
  • 休薬期間 28日間超え:0.06mg/kg

休薬直前用量 1.5mg/kg

  • 休薬期間 62日間以内:1.5mg/kg
  • 休薬期間 63-111日間:0.3mg/kg
  • 休薬期間 112日間以上:0.06mg/kg

副作用と対策

サイトカイン放出症候群 (CRS)

CRS発現までの期間中央値 : 2日 (1-9日)¹⁾
CRS回復までの期間中央値 : 2日 (1-6日)¹⁾
  • CRSを軽減させるため、 漸増期では投与開始1-3時間前に副腎皮質ホルモン剤、 抗ヒスタミン剤および解熱鎮痛剤を投与する。
  • 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるように準備しておく。
  • 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い適切な処置を行う。

CRS発現時の休薬・中止の基準

  • Grade1-2 : 回復まで休薬
  • Grade3初発 : 回復するまで休薬し、 48時間以上持続する場合は投与中止
  • Grade3再発、Grade4 : 投与中止

CRS管理ガイダンス

  • 適正使用ガイド参照

免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS)

ICANS発現までの期間中央値 : 7日 (1-291日)¹⁾
ICANS回復までの期間中央値 : 3日 (1-13日)¹⁾
  • 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンスに従い適切な処置を行う.
  • 自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう指導する。

ICANS発現時の休薬・中止の基準

  • Grade1-2、Grade3初発 : 回復まで休薬
  • Grade3再発、Grade4 : 投与中止

ICANS管理ガイダンス

  • 適正使用ガイド参照

感染症

感染症の予防

  • 予防的免疫グロブリン補充療法.
  • 各医療機関のガイドラインに基づく抗生物質の予防的投与.
  • ニューモシスチス肺炎の予防.
  • 帯状疱疹の予防

感染症発現時の休薬・中止の基準

  • 漸増期 全Grade : 活動性感染症の場合、 回復まで休薬する
  • 維持投与期 Grade 3、4 : Grade1以下に改善するまで休薬する
感染症とCRSは同様の症状を呈することがあるため、 発熱等のCRSの初期徴候や症状と考えられる所見が認められた時点で、 培養検体の採取及び画像検査を行い、 臨床所見に基づく適切な検査法で鑑別診断を行うことが強く推奨される。

関連する臨床試験の結果

MajesTEC-1試験¹⁾

非盲検 多施設共同 第I/Ⅱ相試験。 プロテアソーム阻害薬、 免疫調節薬、 抗CD38抗体の3剤併用を含む3ライン以上の治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫*165例.  BCMA標的治療歴のある患者は除外。 テクリスタマブとして0.06mg/kg、 0.3mg/kgの用量漸増後、 1.5mg/kgを週1回皮下投与.
CR : 完全奏効、 VGPR : 最良部分奏効、 PR : 部分奏効.
全奏効率 : ORR (PR以上)、 奏効期間 : DOR、 無増悪生存期間 : PFS、 全生存期間 : OS
  • 追跡期間中央値 : 14.1ヵ月 (0.3-24.4ヵ月)
  • ORR : 63.0% (95%CI 55.2-70.4)
CR以上 39.4%、 VGPR 58.8%
  • MRD陰性率 : 26.7% (95%CI 20.1-34.1)
CR以上におけるMRD陰性率 46.2%
  • DOR中央値 : 18.4ヵ月 (95%CI 14.9-NE)
  • 12ヵ月奏効率 : 68.5% (95%CI 55.7-77.1)
  • PFS中央値 : 11.3ヵ月 (95%CI 8.8-17.1)
  • OS中央値 : 18.3ヵ月 (95%CI 15.1-NE)

有害事象

  • 投与中止に至った有害事象 : アデノウイルス肺炎1例、 進行性多巣性白質脳症1例.

出典

1) N Engl J Med. 2022 Aug 11;387(6):495-505.

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄増殖性疾患
骨髄異形成症候群
急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
自家移植
同種移植
非腫瘍性疾患
CAR-T
急性前骨髄球性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
再発難治性
DPd
ダラツムマブ、ポマリドミド、デキサメタゾン
DCd(DKd)
ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
DBd(DVd)
ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
ISA-Pd
イサツキシマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ISA-Kd
イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
ISA-d/ISA monotherapy
イサツキシマブ ± デキサメタゾン
KRd
カルフィルゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
Kd (Cd) 56mg/m²
カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
ERd(ELd)
エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ILd(IRd)
イキサゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
Pd
ポマリドミド、 デキサメタゾン
PBd(PVd)
ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
Elranatamab
エルラナタマブ(エルレフィオ®)
Teclistamab
テクリスタマブ (テクベイリ®)
Ide-cel(Idecabtagene vicleucel)
イデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ®)
Cilta-cel(Ciltacabtagene autoleucel)
シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ®)
DCEP
デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
VTD-PACE
ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド

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