治療スケジュール
概要
監修医師

MCNU:ラニムスチン(サイメリン®)

投与量コース投与日
300mg/m² ×1回-Day -6

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
200mg/m² ×1回-Day -5 ~ -2

AraC:シタラビン(キロサイド®)

投与量コース投与日
200mg/m² ×2回-Day -5 ~ -2

MEL:メルファラン(アルケラン®)

投与量コース投与日
140mg/m²×1回-Day -1

前投薬

その他

自家移植 day 1 or day 5からG-CSFの投与を開始する.
感染症予防の抗菌薬や抗真菌薬の投与を推奨する.
レジメンのGif画像
MEAMの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

- サイメリン® (添付文書)

- ラステット® (添付文書)

- キロサイド® (添付文書)

- アルケラン® (添付文書)

投与スケジュール

【1コース】Day 0に自家末梢血幹細胞移植
【催吐性】 高度 (MEL≧140mg/m²) 
【FN発症】高リスク
MEAM療法には複数の変法があり、 施設での投与方法を確認。

投与例1 :

投与例2 :

Key Data|臨床試験結果

📊 MEL投与方法別の安全性¹⁾

Ann Hematol. 2016;95(9):1513-9.

悪性リンパ腫患者79例を対象としたレトロスペクティブ研究。 自家末梢血幹細胞移植の前処置としてMEAMレジメンを施行した2施設からデータを収集した。 評価項目としてOSおよびPFSが設定された。

【有効性】

- 3年OS 77.3%

- 3年PFS 56.5%

- DLBCL患者における3年OS 71.7%

- DLBCL患者における3年PFS 58.0%

【安全性】主な有害事象 (Grade≧3)

MEL単回投与群 (vs 分割投与群)

MELは、 70mg/m²をday -3~-2に分割投与、 または140mg/m²をday -1に単回投与

- 下痢 46.2% (vs 20.0%)

- FN 92.3% (vs 82.5%)

- 悪心 69.2% (vs 87.5%)

- 口内炎 12.8% (vs 10.0%)

- 嘔吐 5.1% (vs 2.5%)

- 肝毒性 2.6% (vs 0%)

📊 自家移植の前処置レジメンの比較²⁾

Bone Marrow Transplant. 2024;59(1):125-127.

日本造血細胞移植学会レジストリを用いて、 再発・難治性DLBCLに対する自家移植前処置レジメンの治療成績を後ろ向きに解析した。 対象は、 MEAM群879例、 MCEC群717例、 LEED群684例であった。 評価項目は、 OSおよびPFSとした。 

【有効性】

- 5年PFS

  • MEAM群 58.0% (95%CI 54.3%–61.1%)
  • MCEC群 52.2% (95%CI 48.3%–55.9%)
  • LEED群 43.9% (95%CI 40.0%–47.8%)

- 5年OS

  • MEAM群 65.3% (95%CI 61.9%–68.5%)
  • MCEC群 61.8% (95%CI 57.9%–65.5%)
  • LEED群 57.1% (95%CI 53.7%–61.6%)

- 2年再発率

  • MEAM群 26.7% (95%CI 23.9%–29.9%)
  • MCEC群 30.3% (95%CI 27.0%–34.0%)
  • LEED群 37.2% (95%CI 33.6%–41.0%)

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️MEAM療法は、 悪性リンパ腫の自家移植前処置としてLEED療法やMCEC療法と並び広く用いられている。 後方視的解析では、 他のレジメンに比べ再発が少ない可能性が報告されている²⁾。 複数の変法が存在するため、 施設内で投与方法を確認することが重要である。  
東海大学医学部血液腫瘍内科 扇屋大輔先生

本レジメンの位置付け

MEAM療法は悪性リンパ腫の自家移植前処置として用いられる基本レジメンの一つであり、 海外で主流のBEAM療法のBCNUをラニムスチン (MCNU) に置換して実施されている。 自家移植は同種移植と異なりGVL効果を期待できないため、 大量化学療法による抗腫瘍効果の増強が前処置の主目的となる。

MEL投与時の注意事項

- 肥満患者では、 過量投与を避けるため、 標準体重に基づく体表面積から算出した投与量を考慮

- MEL投与の前日から終了後24時間は、 水分補給および利尿薬を併用して十分な尿量を確保。 補液は1日あたり2,000mL以上、 尿量は毎時100mL以上を目安とし、 患者の年齢や状態に応じて調整する

- MEL投与終了から24時間以上空けて末梢血幹細胞移植を施行

- クライオセラピー (氷片による口腔内冷却) は、 メルファラン投与に伴う重度口内炎の発生を抑制する効果³⁾があり、 実施が推奨される。

出典

  1. Ann Hematol. 2016;95(9):1513-9.
  2. Bone Marrow Transplant. 2024;59(1):125-127.
  3. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Dec 23;2015(12):CD011552.
最終更新 : 2025年10月6日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメンのGif画像
MEAMの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメンのGif画像
MEAMの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!

MCNU:ラニムスチン(サイメリン®)

投与量コース投与日
300mg/m² ×1回-Day -6

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
200mg/m² ×1回-Day -5 ~ -2

AraC:シタラビン(キロサイド®)

投与量コース投与日
200mg/m² ×2回-Day -5 ~ -2

MEL:メルファラン(アルケラン®)

投与量コース投与日
140mg/m²×1回-Day -1

前投薬

その他

自家移植 day 1 or day 5からG-CSFの投与を開始する.
感染症予防の抗菌薬や抗真菌薬の投与を推奨する.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

- サイメリン® (添付文書)

- ラステット® (添付文書)

- キロサイド® (添付文書)

- アルケラン® (添付文書)

投与スケジュール

【1コース】Day 0に自家末梢血幹細胞移植
【催吐性】 高度 (MEL≧140mg/m²) 
【FN発症】高リスク
MEAM療法には複数の変法があり、 施設での投与方法を確認。

投与例1 :

投与例2 :

Key Data|臨床試験結果

📊 MEL投与方法別の安全性¹⁾

Ann Hematol. 2016;95(9):1513-9.

悪性リンパ腫患者79例を対象としたレトロスペクティブ研究。 自家末梢血幹細胞移植の前処置としてMEAMレジメンを施行した2施設からデータを収集した。 評価項目としてOSおよびPFSが設定された。

【有効性】

- 3年OS 77.3%

- 3年PFS 56.5%

- DLBCL患者における3年OS 71.7%

- DLBCL患者における3年PFS 58.0%

【安全性】主な有害事象 (Grade≧3)

MEL単回投与群 (vs 分割投与群)

MELは、 70mg/m²をday -3~-2に分割投与、 または140mg/m²をday -1に単回投与

- 下痢 46.2% (vs 20.0%)

- FN 92.3% (vs 82.5%)

- 悪心 69.2% (vs 87.5%)

- 口内炎 12.8% (vs 10.0%)

- 嘔吐 5.1% (vs 2.5%)

- 肝毒性 2.6% (vs 0%)

📊 自家移植の前処置レジメンの比較²⁾

Bone Marrow Transplant. 2024;59(1):125-127.

日本造血細胞移植学会レジストリを用いて、 再発・難治性DLBCLに対する自家移植前処置レジメンの治療成績を後ろ向きに解析した。 対象は、 MEAM群879例、 MCEC群717例、 LEED群684例であった。 評価項目は、 OSおよびPFSとした。 

【有効性】

- 5年PFS

  • MEAM群 58.0% (95%CI 54.3%–61.1%)
  • MCEC群 52.2% (95%CI 48.3%–55.9%)
  • LEED群 43.9% (95%CI 40.0%–47.8%)

- 5年OS

  • MEAM群 65.3% (95%CI 61.9%–68.5%)
  • MCEC群 61.8% (95%CI 57.9%–65.5%)
  • LEED群 57.1% (95%CI 53.7%–61.6%)

- 2年再発率

  • MEAM群 26.7% (95%CI 23.9%–29.9%)
  • MCEC群 30.3% (95%CI 27.0%–34.0%)
  • LEED群 37.2% (95%CI 33.6%–41.0%)

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️MEAM療法は、 悪性リンパ腫の自家移植前処置としてLEED療法やMCEC療法と並び広く用いられている。 後方視的解析では、 他のレジメンに比べ再発が少ない可能性が報告されている²⁾。 複数の変法が存在するため、 施設内で投与方法を確認することが重要である。  
東海大学医学部血液腫瘍内科 扇屋大輔先生

本レジメンの位置付け

MEAM療法は悪性リンパ腫の自家移植前処置として用いられる基本レジメンの一つであり、 海外で主流のBEAM療法のBCNUをラニムスチン (MCNU) に置換して実施されている。 自家移植は同種移植と異なりGVL効果を期待できないため、 大量化学療法による抗腫瘍効果の増強が前処置の主目的となる。

MEL投与時の注意事項

- 肥満患者では、 過量投与を避けるため、 標準体重に基づく体表面積から算出した投与量を考慮

- MEL投与の前日から終了後24時間は、 水分補給および利尿薬を併用して十分な尿量を確保。 補液は1日あたり2,000mL以上、 尿量は毎時100mL以上を目安とし、 患者の年齢や状態に応じて調整する

- MEL投与終了から24時間以上空けて末梢血幹細胞移植を施行

- クライオセラピー (氷片による口腔内冷却) は、 メルファラン投与に伴う重度口内炎の発生を抑制する効果³⁾があり、 実施が推奨される。

出典

  1. Ann Hematol. 2016;95(9):1513-9.
  2. Bone Marrow Transplant. 2024;59(1):125-127.
  3. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Dec 23;2015(12):CD011552.
最終更新 : 2025年10月6日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメンのGif画像
MEAMの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメンのGif画像
MEAMの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄増殖性疾患
骨髄異形成症候群
急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
自家移植
同種移植
非腫瘍性疾患
CAR-T
急性前骨髄球性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
再発難治性
DPd
ダラツムマブ、ポマリドミド、デキサメタゾン
DCd(DKd)
ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
DBd(DVd)
ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
ISA-Pd
イサツキシマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ISA-Kd
イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
ISA-d/ISA monotherapy
イサツキシマブ ± デキサメタゾン
KRd
カルフィルゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
Kd (Cd) 56mg/m²
カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
ERd(ELd)
エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ILd(IRd)
イキサゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
Pd
ポマリドミド、 デキサメタゾン
PBd(PVd)
ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
BelaVd
ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン
BelaPd
ベランタマブ マホドチン+ポマリドミド+デキサメタゾン
Elranatamab
エルラナタマブ(エルレフィオ®)
Teclistamab
テクリスタマブ (テクベイリ®)
Talquetamab
トアルクエタマブ (タービー®)
Ide-cel(Idecabtagene vicleucel)
イデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ®)
Cilta-cel(Ciltacabtagene autoleucel)
シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ®)
DCEP
デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
VTD-PACE
ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド
高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫
非腫瘍性疾患
血栓性血小板減少性紫斑病

あなたは医師もしくは医療関係者ですか?

HOKUTOへようこそ。当サイトでは、医師の方を対象に株式会社HOKUTOの臨床支援コンテンツを提供しています。