治療スケジュール
概要
監修医師

NIVO:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
240mg/body 点滴静注1~day 1、14
480mg/body 点滴静注1~day 1

その他

成人には1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注.
小児には1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注.
体重40kgを超える小児には成人と同様の投与スケジュールで点滴静注.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

適正使用ガイドより引用.

主な有害事象

  • 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢 (14.2%、 ≧Grade3 1.2%)
  • 甲状腺機能障害 (12.0%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 神経障害 (9.7%、 ≧Grade3 0.6%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (3.4%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 重症筋無力症、 心筋炎、 筋炎、 横紋筋融解症 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 1型糖尿病 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 重篤な血液障害 (0.03%、 ≧Grade3 0.03%)
  • 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎 (6.9%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 下垂体機能障害 (2.4%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 腎障害 (2.7%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 脳炎 (0.03%、 ≧Grade3 0.03%)
  • 重度の皮膚障害 (0.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • 静脈血栓塞栓症 (0.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • Infusion reaction (3.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • 膵炎 (0.3%、 ≧Grade3 0.2%)

特徴と注意点

  • NIVO単独療法は再発又は難治性古典的HLに推奨される治療法の一つ.
  • 小児にはNIVOとして1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注する. 体重40kg以上の小児には成人と同様の投与スケジュールを用いることもできる.
  • NIVOはヒトPD-1に対するヒト型IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • T細胞活性化作用により過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が現れる恐れがある. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. NIVO投与終了後にも起こりうるため、 投与終了後数ヵ月は症状を観察する.
  • NIVO投与後に同種造血幹細胞移植が施行された患者数は限られている. GVHD、 発熱性症候群、 脳炎、 肝中心静脈閉塞症(VOD)の報告があるが、 NIVOの治療歴と合併症との関連は不明である. NCCNガイドラインでは、 同種造血幹細胞移植施行前の抗PD-1抗体投与によるGVHD等の免疫関連合併症のリスク増加について注意喚起されている.
  • 関連する臨床試験の結果で用いられたNIVOの用法・用量は現在承認されている用法・用量と異なる. 母集団薬物動態モデルを利用したシミュレーションにより、 NIVO 3mg/kgまたは240mgを2週間間隔、 もしくは480mgを4週間間隔で投与した場合、 有効性及び安全性に明確な差異はないと予測されている.

関連する臨床試験の結果

ONO-4538-15試験¹⁾²⁾

概要

  • 対象:自家造血幹細胞移植及びブレンツキシマブベドチン(BV)に抵抗性または不耐容の20歳以上の再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者.
  • 投与方法:NIVO 3mg/kgを1日1回、 2週間間隔で点滴静注.
  • 多施設共同非盲検非対照国内第2相試験.
  • 主要評価項目:奏効率.

結果

Cancer Sci. 2017 May;108(5):1007-1012.より引用
  • 奏効率:12例 (75.0%、 95%CI 47.6-92.7). 完全寛解 4例 (25.0%)、 部分寛解 8例 (50.0%).
Jpn J Clin Oncol. 2020 Oct 22;50(11):1265-1273.より引用
  • 無増悪生存期間中央値:11.7ヵ月 (95%CI 1.8-42.3).
  • 3年全生存期間:80.4% (95%CI 50.6-93.2).
  • 奏効期間中央値:8.5ヵ月 (95%CI 1.7-40.5).

CheckMate 205試験 (CA209205試験)³⁾⁴⁾

概要

  • 多施設共同非盲検非対照海外第2相試験.
  • 対象:自家造血幹細胞移植後にブレンツキシマブベドチン(BV)による治療を受けた18歳以上の再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者 (コホートB).
  • 投与方法:NIVO 3mg/kgを1日1回、 2週間間隔で点滴静注.
  • 主要評価項目:6ヵ月経過後の奏効率.

結果

  • 奏効率:53例 (66.3%、 95%CI 54.8-76.4). 完全寛解 7例 (8.8%)、 部分寛解 46例 (57.5%).
  • 無増悪生存期間中央値:10.0ヵ月 (95%CI 8.41-).
  • 全生存期間:未到達.
  • 奏効期間中央値:7.8ヵ月 (95%CI 6.6-).

参考文献

  1. Cancer Sci. 2017 May;108(5):1007-1012.
  2. Jpn J Clin Oncol. 2020 Oct 22;50(11):1265-1273.
  3. Lancet Oncol. 2016 Sep;17(9):1283-94.
  4. J Clin Oncol. 2018 May 10;36(14):1428-1439.

最終更新:2022年8月25日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
240mg/body 点滴静注1~day 1、14
480mg/body 点滴静注1~day 1

その他

成人には1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注.
小児には1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注.
体重40kgを超える小児には成人と同様の投与スケジュールで点滴静注.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

適正使用ガイドより引用.

主な有害事象

  • 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢 (14.2%、 ≧Grade3 1.2%)
  • 甲状腺機能障害 (12.0%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 神経障害 (9.7%、 ≧Grade3 0.6%)

その他重要な有害事象

  • 間質性肺疾患 (3.4%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 重症筋無力症、 心筋炎、 筋炎、 横紋筋融解症 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 1型糖尿病 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 重篤な血液障害 (0.03%、 ≧Grade3 0.03%)
  • 劇症肝炎、 肝不全、 肝機能障害、 肝炎、 硬化性胆管炎 (6.9%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 下垂体機能障害 (2.4%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 腎障害 (2.7%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 脳炎 (0.03%、 ≧Grade3 0.03%)
  • 重度の皮膚障害 (0.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • 静脈血栓塞栓症 (0.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • Infusion reaction (3.2%、 ≧Grade3 0.1%)
  • 膵炎 (0.3%、 ≧Grade3 0.2%)

特徴と注意点

  • NIVO単独療法は再発又は難治性古典的HLに推奨される治療法の一つ.
  • 小児にはNIVOとして1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注する. 体重40kg以上の小児には成人と同様の投与スケジュールを用いることもできる.
  • NIVOはヒトPD-1に対するヒト型IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • T細胞活性化作用により過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が現れる恐れがある. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. NIVO投与終了後にも起こりうるため、 投与終了後数ヵ月は症状を観察する.
  • NIVO投与後に同種造血幹細胞移植が施行された患者数は限られている. GVHD、 発熱性症候群、 脳炎、 肝中心静脈閉塞症(VOD)の報告があるが、 NIVOの治療歴と合併症との関連は不明である. NCCNガイドラインでは、 同種造血幹細胞移植施行前の抗PD-1抗体投与によるGVHD等の免疫関連合併症のリスク増加について注意喚起されている.
  • 関連する臨床試験の結果で用いられたNIVOの用法・用量は現在承認されている用法・用量と異なる. 母集団薬物動態モデルを利用したシミュレーションにより、 NIVO 3mg/kgまたは240mgを2週間間隔、 もしくは480mgを4週間間隔で投与した場合、 有効性及び安全性に明確な差異はないと予測されている.

関連する臨床試験の結果

ONO-4538-15試験¹⁾²⁾

概要

  • 対象:自家造血幹細胞移植及びブレンツキシマブベドチン(BV)に抵抗性または不耐容の20歳以上の再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者.
  • 投与方法:NIVO 3mg/kgを1日1回、 2週間間隔で点滴静注.
  • 多施設共同非盲検非対照国内第2相試験.
  • 主要評価項目:奏効率.

結果

Cancer Sci. 2017 May;108(5):1007-1012.より引用
  • 奏効率:12例 (75.0%、 95%CI 47.6-92.7). 完全寛解 4例 (25.0%)、 部分寛解 8例 (50.0%).
Jpn J Clin Oncol. 2020 Oct 22;50(11):1265-1273.より引用
  • 無増悪生存期間中央値:11.7ヵ月 (95%CI 1.8-42.3).
  • 3年全生存期間:80.4% (95%CI 50.6-93.2).
  • 奏効期間中央値:8.5ヵ月 (95%CI 1.7-40.5).

CheckMate 205試験 (CA209205試験)³⁾⁴⁾

概要

  • 多施設共同非盲検非対照海外第2相試験.
  • 対象:自家造血幹細胞移植後にブレンツキシマブベドチン(BV)による治療を受けた18歳以上の再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者 (コホートB).
  • 投与方法:NIVO 3mg/kgを1日1回、 2週間間隔で点滴静注.
  • 主要評価項目:6ヵ月経過後の奏効率.

結果

  • 奏効率:53例 (66.3%、 95%CI 54.8-76.4). 完全寛解 7例 (8.8%)、 部分寛解 46例 (57.5%).
  • 無増悪生存期間中央値:10.0ヵ月 (95%CI 8.41-).
  • 全生存期間:未到達.
  • 奏効期間中央値:7.8ヵ月 (95%CI 6.6-).

参考文献

  1. Cancer Sci. 2017 May;108(5):1007-1012.
  2. Jpn J Clin Oncol. 2020 Oct 22;50(11):1265-1273.
  3. Lancet Oncol. 2016 Sep;17(9):1283-94.
  4. J Clin Oncol. 2018 May 10;36(14):1428-1439.

最終更新:2022年8月25日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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