治療スケジュール
概要
監修医師

Tirabrutinib:チラブルチニブ(ベレキシブル®)

投与量コース投与日
480mg 1日1回 経口1~Day 1~

その他

320mgへの減量後に、 再度有害事象が発現した場合、 同様のフローに従い2段階目の減量を行う (320mg→160mg).
空腹時投与.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ONO-4059-02試験¹⁾より引用 

※ここでは44症例全例における結果を引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (22.7%、 ≧Grade3 9.1%).
  • 白血球減少症 (18.2%、 ≧Grade3 6.8%).
  • リンパ球減少症 (15.9%、 ≧Grade3 6.8%).
  • 血小板減少症 (11.4%、 ≧Grade3 0%).
  • 貧血 (9.1%、 ≧Grade3 0%).

主な有害事象

  • 発疹 (31.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 多型紅斑 (11.4%、 ≧Grade3 6.8%).
  • 便秘 (11.4%、 ≧Grade3 0%).

その他重要な有害事象

  • 薬疹 (9.1%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 血中ビリルビン増加 (9.1%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 嘔気 (9.1%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 口内炎 (9.1%、 ≧Grade3 0%).
  • 嘔吐 (9.1%、 ≧Grade3 0%).
  • AST増加 (6.8%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 高TG血症 (6.8%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 脂質異常症 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 発作 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 斑状丘疹状発疹 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 尿路感染症 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • ニューモシスチス肺炎 (2.3%、 ≧Grade3 2.3%).

特徴と注意点

  • 再発または難治性の原発性中枢神経系リンパ腫に適応を持った世界初の薬剤.
  • 原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫にも適応あり.
  • 脳病変が認められない眼内PCNSL患者は臨床試験から除外されているが、チラブルチニブの使用は可能(適正使用ガイドにその旨記載あり)
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 中等度以上の肝機能障害患者、 重度の腎機能障害患者における臨床試験は実施されていない.
ただし肝臓で代謝される薬剤であるので肝障害患者では副作用に注意することを推奨. 
  • 薬疹等皮膚障害の予防に、 抗ヒスタミン薬またはステロイドの投与を推奨.
  • 感染症予防ST合剤抗ヘルペスウイルス薬抗真菌薬の投与を推奨.

減量・休薬基準

関連する臨床試験の結果

ONO-4059-02試験¹⁾

概要

  • 多施設共同非盲検第1/2相試験
  • 対象:再発/難治性PCNSL日本人患者44例
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • 登録された44人は、以下のように割り付けられた.
  • 320mg投与群20人.
  • 480mg投与群7人.
  • 480mg空腹時投与群17人.
承認された用量は480mg空腹時投与.

 

主要評価項目:ORR

副次評価項目:BOR、 DoR、 DFS、 TTR、 PFS、 OS

BOR: 最良総合効果、 DoR: 奏功持続期間、 DFS: 無病生存期間、 TTR: 奏効までの期間、 OS:全生存期間、 PFS:無増悪生存期間

結果

  • ORR:320mg群 60% vs 480mg群 100% vs 480mg空腹時群 52.9%.
  • PFS:320mg群 2.1ヵ月 vs 480mg群 11.1ヵ月 vs 480mg空腹時群 5.8ヵ月.
Neuro Oncol. 2021 Jan 30;23(1):122-133.より引用
  • 本研究で示された有効性と安全性のバランスと、 先行研究での結果を踏まえ、 申請時の用法用量は480mg空腹時投与とされた. 

ONO-4059-05試験²⁾

概要

  • 多施設共同非盲検第2相試験
  • 対象:WMおよびLPL患者27例
WM:原発性マクログロブリン血症 LPL:リンパ形質細胞リンパ腫
  • 27例のうち18人が未治療、 9人は再発または難治性.
  • 主要評価項目:MRR
  • 副次評価項目:ORR、 TTMR、 PFS、 OS、 安全性
MRR: 部分奏効以上の割合、 ORR: 全奏功率、 TTMR: 部分奏効以上までの期間、 PFS:無増悪生存期間、 OS:全生存期間

結果

  • MRR: コホートA(未治療) 88.9%、 コホートB(再発/難治性) 88.9%.
  • ORR: コホートA(未治療) 94.4%、 コホートB(再発/難治性) 100%.
Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.より引用

参考文献

  1. Neuro Oncol. 2021 Jan 30;23(1):122-133.
  2. Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.

最終更新:2022年8月29日
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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主な有害事象

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骨髄抑制

  • 好中球減少症 (22.7%、 ≧Grade3 9.1%).
  • 白血球減少症 (18.2%、 ≧Grade3 6.8%).
  • リンパ球減少症 (15.9%、 ≧Grade3 6.8%).
  • 血小板減少症 (11.4%、 ≧Grade3 0%).
  • 貧血 (9.1%、 ≧Grade3 0%).

主な有害事象

  • 発疹 (31.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 多型紅斑 (11.4%、 ≧Grade3 6.8%).
  • 便秘 (11.4%、 ≧Grade3 0%).

その他重要な有害事象

  • 薬疹 (9.1%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 血中ビリルビン増加 (9.1%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 嘔気 (9.1%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 口内炎 (9.1%、 ≧Grade3 0%).
  • 嘔吐 (9.1%、 ≧Grade3 0%).
  • AST増加 (6.8%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 高TG血症 (6.8%、 ≧Grade3 4.5%).
  • 脂質異常症 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 発作 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 斑状丘疹状発疹 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • 尿路感染症 (6.8%、 ≧Grade3 2.3%).
  • ニューモシスチス肺炎 (2.3%、 ≧Grade3 2.3%).

特徴と注意点

  • 再発または難治性の原発性中枢神経系リンパ腫に適応を持った世界初の薬剤.
  • 原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫にも適応あり.
  • 脳病変が認められない眼内PCNSL患者は臨床試験から除外されているが、チラブルチニブの使用は可能(適正使用ガイドにその旨記載あり)
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • CYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 中等度以上の肝機能障害患者、 重度の腎機能障害患者における臨床試験は実施されていない.
ただし肝臓で代謝される薬剤であるので肝障害患者では副作用に注意することを推奨. 
  • 薬疹等皮膚障害の予防に、 抗ヒスタミン薬またはステロイドの投与を推奨.
  • 感染症予防ST合剤抗ヘルペスウイルス薬抗真菌薬の投与を推奨.

減量・休薬基準

関連する臨床試験の結果

ONO-4059-02試験¹⁾

概要

  • 多施設共同非盲検第1/2相試験
  • 対象:再発/難治性PCNSL日本人患者44例
PCNSL: 原発性中枢神経系リンパ腫
  • 登録された44人は、以下のように割り付けられた.
  • 320mg投与群20人.
  • 480mg投与群7人.
  • 480mg空腹時投与群17人.
承認された用量は480mg空腹時投与.

 

主要評価項目:ORR

副次評価項目:BOR、 DoR、 DFS、 TTR、 PFS、 OS

BOR: 最良総合効果、 DoR: 奏功持続期間、 DFS: 無病生存期間、 TTR: 奏効までの期間、 OS:全生存期間、 PFS:無増悪生存期間

結果

  • ORR:320mg群 60% vs 480mg群 100% vs 480mg空腹時群 52.9%.
  • PFS:320mg群 2.1ヵ月 vs 480mg群 11.1ヵ月 vs 480mg空腹時群 5.8ヵ月.
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概要

  • 多施設共同非盲検第2相試験
  • 対象:WMおよびLPL患者27例
WM:原発性マクログロブリン血症 LPL:リンパ形質細胞リンパ腫
  • 27例のうち18人が未治療、 9人は再発または難治性.
  • 主要評価項目:MRR
  • 副次評価項目:ORR、 TTMR、 PFS、 OS、 安全性
MRR: 部分奏効以上の割合、 ORR: 全奏功率、 TTMR: 部分奏効以上までの期間、 PFS:無増悪生存期間、 OS:全生存期間

結果

  • MRR: コホートA(未治療) 88.9%、 コホートB(再発/難治性) 88.9%.
  • ORR: コホートA(未治療) 94.4%、 コホートB(再発/難治性) 100%.
Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.より引用

参考文献

  1. Neuro Oncol. 2021 Jan 30;23(1):122-133.
  2. Cancer Sci. 2020 Sep;111(9):3327-3337.

最終更新:2022年8月29日
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