治療スケジュール
概要
監修医師

Pembrolizumab:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴静注1~Day 1、22
400mg/body 点滴静注1~Day 1

その他

・1回200mg を3週間間隔、 又は1回400mg を6週間間隔で点滴静注.
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 薬剤情報

主な有害事象

KEYNOTE-087試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少 (5.2%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 貧血 (9%、 ≧Grade3 3.8%)

重大な有害事象

  • 発熱 (24.3%、 ≧Grade3 1%)
  • 咳嗽 (21.5%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 倦怠感 (20%、 ≧Grade3 1%)
  • 下痢 (17.1%、 ≧Grade3 1.4%)
  • 嘔吐 (15.2%)
  • 甲状腺機能亢進 (13.8%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 嘔気 (13.3%)
  • 上気道感染 (12.9%)
  • 皮疹 (11%)
  • 掻痒 (11%)
  • 頭痛 (11%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 関節痛 (10.5%、 ≧Grade3 0.5%)

その他

  • 呼吸困難 (9.6%、 ≧Grade3 1%)
  • 便秘 (9.5%)
  • 鼻咽頭炎 (9%)
  • 背部痛 (8.1%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 中咽頭痛 (7.6%)
  • 無力症 (6.7%)
  • 筋肉痛 (6.7%)
  • 不眠症 (6.7%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 副鼻腔炎 (6.2%)
  • 尿路感染 (6.2%)
  • 鼻閉 (6.2%)
  • 気管支炎 (6.2%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 寒気 (5.7%)
  • 筋痙攣 (5.7%、 ≧Grade3 0.5%)

特徴と注意点

  • Pembrolizumab単独療法は再発又は難治性古典的HLに推奨される治療法の一つ.
  • 本療法は標準治療であるBVと比較しPFSの有意な延長が確認されている²⁾.
  • 本剤はヒトPD-1に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • 過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が知られている. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. 投与終了後も発現リスクがあり、 終了後においても数ヵ月は症状を観察する.
  • 生殖発生毒性試験は実施されていないが、 妊娠マウスの流産率増加が報告されており、 妊娠する可能性のある女性には投与中及び投与後一定期間、 適切な避妊法を用いるよう指導.

関連する臨床試験の結果

KEYNOTE-087試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性の古典的HL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討.
  • 国際共同非無作為化第2相試験.
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.
  • 疾患の状態及び前治療歴により3つのコホートに組分け.
  • コホート1:ASCT後+BV投与後、 2:SCT不適格+BV投与後、 3:SCT後+BV投与無し
  ASCT:自己造血幹細胞移植 BV:ブレンツキシマブ ベドチン

結果

  • 主要評価項目:奏効率、 安全性
  • 追跡期間中央値:10.1ヵ月
  • 奏効率:全体は69.0% (95%CI: 62.3~75.2). コホート別はそれぞれ73.9% (95%CI: 61.9~83.7)、 64.2% (95%CI:52.8~74.6)、 70.0% (95%CI:56.8~81.2).
  • 安全性:主な副作用は、 甲状腺機能低下症12.4%及び発熱10.5%であった. 副作用による中止は9例であったが副作用による死亡は認められなかった.

Blood. 2019 Oct 3;134(14):1144-1153.³⁾

概要

  • KEYNOTE-087試験の2年間追跡調査結果.
  • 主要評価項目:ORR、 安全性
  • 副次評価項目: CRR、 DOR、 PFS、 OS
ORR:奏効率 CRR:完全奏効率 DOR:奏効期間 
PFS:無増悪生存期間 OS:全生存期間

結果

  • 追跡期間中央値:27.6ヵ月
  • ORR:全体で71.9% (95%CI:65.3~77.9).
  • CRR:全体で27.6%、 部分奏効率は全体で44.3%.
  • DOR:全例で中央値16.5ヵ月、 各コホートはそれぞれ、 22.1ヵ月、 11.1ヵ月、 24.4ヵ月.
  • PFS:CRは13.8ヵ月 (95%CI:12.0~22.1)、 PRは10.9ヵ月 (95%CI:5.6~11.1)、 全例で未達成.
  • OS:全患者または全コホートで未到達.
  • 安全性:全治療関連有害事象は72.9%、 Grade3以上は12%に発生したが、 死亡に至った例は無し.
  • 前治療に関わらず、 化学療法抵抗性cHLにおけるPembrolizumab単剤療法の有効性、 持続性、 安全性が確認された.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2017 Jul 1;35(19):2125-2132.
  2. Lancet Oncol. 2021 Apr;22(4):512-524.
  3. Blood. 2019 Oct 3;134(14):1144-1153.

最終更新:2021年12月29日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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400mg/body 点滴静注1~Day 1

その他

・1回200mg を3週間間隔、 又は1回400mg を6週間間隔で点滴静注.

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主な有害事象

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骨髄抑制

  • 好中球減少 (5.2%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 貧血 (9%、 ≧Grade3 3.8%)

重大な有害事象

  • 発熱 (24.3%、 ≧Grade3 1%)
  • 咳嗽 (21.5%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 倦怠感 (20%、 ≧Grade3 1%)
  • 下痢 (17.1%、 ≧Grade3 1.4%)
  • 嘔吐 (15.2%)
  • 甲状腺機能亢進 (13.8%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 嘔気 (13.3%)
  • 上気道感染 (12.9%)
  • 皮疹 (11%)
  • 掻痒 (11%)
  • 頭痛 (11%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 関節痛 (10.5%、 ≧Grade3 0.5%)

その他

  • 呼吸困難 (9.6%、 ≧Grade3 1%)
  • 便秘 (9.5%)
  • 鼻咽頭炎 (9%)
  • 背部痛 (8.1%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 中咽頭痛 (7.6%)
  • 無力症 (6.7%)
  • 筋肉痛 (6.7%)
  • 不眠症 (6.7%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 副鼻腔炎 (6.2%)
  • 尿路感染 (6.2%)
  • 鼻閉 (6.2%)
  • 気管支炎 (6.2%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 寒気 (5.7%)
  • 筋痙攣 (5.7%、 ≧Grade3 0.5%)

特徴と注意点

  • Pembrolizumab単独療法は再発又は難治性古典的HLに推奨される治療法の一つ.
  • 本療法は標準治療であるBVと比較しPFSの有意な延長が確認されている²⁾.
  • 本剤はヒトPD-1に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • 過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が知られている. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. 投与終了後も発現リスクがあり、 終了後においても数ヵ月は症状を観察する.
  • 生殖発生毒性試験は実施されていないが、 妊娠マウスの流産率増加が報告されており、 妊娠する可能性のある女性には投与中及び投与後一定期間、 適切な避妊法を用いるよう指導.

関連する臨床試験の結果

KEYNOTE-087試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性の古典的HL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討.
  • 国際共同非無作為化第2相試験.
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.
  • 疾患の状態及び前治療歴により3つのコホートに組分け.
  • コホート1:ASCT後+BV投与後、 2:SCT不適格+BV投与後、 3:SCT後+BV投与無し
  ASCT:自己造血幹細胞移植 BV:ブレンツキシマブ ベドチン

結果

  • 主要評価項目:奏効率、 安全性
  • 追跡期間中央値:10.1ヵ月
  • 奏効率:全体は69.0% (95%CI: 62.3~75.2). コホート別はそれぞれ73.9% (95%CI: 61.9~83.7)、 64.2% (95%CI:52.8~74.6)、 70.0% (95%CI:56.8~81.2).
  • 安全性:主な副作用は、 甲状腺機能低下症12.4%及び発熱10.5%であった. 副作用による中止は9例であったが副作用による死亡は認められなかった.

Blood. 2019 Oct 3;134(14):1144-1153.³⁾

概要

  • KEYNOTE-087試験の2年間追跡調査結果.
  • 主要評価項目:ORR、 安全性
  • 副次評価項目: CRR、 DOR、 PFS、 OS
ORR:奏効率 CRR:完全奏効率 DOR:奏効期間 
PFS:無増悪生存期間 OS:全生存期間

結果

  • 追跡期間中央値:27.6ヵ月
  • ORR:全体で71.9% (95%CI:65.3~77.9).
  • CRR:全体で27.6%、 部分奏効率は全体で44.3%.
  • DOR:全例で中央値16.5ヵ月、 各コホートはそれぞれ、 22.1ヵ月、 11.1ヵ月、 24.4ヵ月.
  • PFS:CRは13.8ヵ月 (95%CI:12.0~22.1)、 PRは10.9ヵ月 (95%CI:5.6~11.1)、 全例で未達成.
  • OS:全患者または全コホートで未到達.
  • 安全性:全治療関連有害事象は72.9%、 Grade3以上は12%に発生したが、 死亡に至った例は無し.
  • 前治療に関わらず、 化学療法抵抗性cHLにおけるPembrolizumab単剤療法の有効性、 持続性、 安全性が確認された.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2017 Jul 1;35(19):2125-2132.
  2. Lancet Oncol. 2021 Apr;22(4):512-524.
  3. Blood. 2019 Oct 3;134(14):1144-1153.

最終更新:2021年12月29日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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