治療スケジュール
概要
監修医師

VCR:ビンクリスチン(オンコビン®)

投与量コース投与日
1mg/m² 点滴静注(最大2.0mg)1~6Day 1 (VCAP)

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
350mg/m² 点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

ADM:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

ADM:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴静注1~6Day 8 (AMP)

MCNU:ラニムスチン(サイメリン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 点滴静注1~6Day 8 (AMP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day 8 (AMP)

VDS:ビンデシン(フィルデシン®)

投与量コース投与日
2.4mg/m² 点滴静注1~6Day 15 (VECP)

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1~6Day 15~17 (VECP)

CBDCA:カルボプラチン(パラプラチン®)

投与量コース投与日
250mg/m² 点滴静注1~6Day 15 (VECP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day15~17 (VECP)

前投薬

5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは28日間.
最大6コースまで.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

JCOG9801試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (Grade4 98%)
  • 血小板減少症 (Grade4 74%)

主な有害事象

  • 感染症 (≧Grade3 32%)
  • 高血糖 (≧Grade3 13%)
  • 低K血症 (≧Grade3 12%)
  • ALT増加 (≧Grade3 11%)

その他重要な有害事象

  • 口内炎 (≧Grade3 7%)
  • 低Na血症 (≧Grade3 5%)
  • 呼吸困難 (≧Grade3 7%)
  • 総ビリルビン増加 (≧Grade3 5%)
  • 神経障害 (≧Grade3 2%)
  • 治療関連死 (3%)

特徴と注意点

  • 初発アグレッシブATLに対し最も推奨される治療法.²⁾
  • JCOG9801試験は70歳未満を対象とした試験である点に注意.
  • ニューモシスチス肺炎予防のため、 ST 合剤投与を推奨.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.
  • mLSG15にモガムリズマブを併用するレジメンも承認されている。
  その場合、CR率は高まる一方、 毒性も増強することが報告されている.
  特に、移植前患者ではモガムリズマブ投与は,GVHD関連死のリスクが高まるため、慎重に判断²⁾ .

副作用と対策

  • Grade 2の神経毒性が出現した場合、 ビンクリスチンの投与量を50%に減量.
  • Grade 3の神経毒性が出現した場合、 ビンクリスチンの投与は中止.
  • シクロホスファミド投与時は水分摂取励行・利尿により出血性膀胱炎のリスクを軽減する.
  • アドリアマイシンには非可逆的な心毒性があり、 累積投与量は500mg/m²が上限.
  • カルボプラチン (Carboplatin: CBDCA) 投与量算出にはCalvert 式を用い、5 mg・hr/Lを目標とする.
  • 腎機能低下を認めた場合CBDCAの投与量を減量する.

関連する臨床試験の結果

JCOG9801試験¹⁾

概要

  • 多施設共同ランダム化非盲検第3相試験
  • 対象:70歳未満の初発アグレッシブATLL患者118例
  • 介入群:VCAP-AMP-VECP (mLSG15)療法
  • 対照群:Bi-CHOP療法
  • 主要評価項目:OS
  • 副次評価項目:PFS、 CR割合、 有害事象
Bi-CHOP療法: 隔週CHOP療法
OS:全生存期間、 PFS:無増悪生存期間、 CR:完全奏効

結果

  • 3年OS率:VCAP-AMP-VECP群 24% vs Bi-CHOP 群 13% (p=0.085).
  • 1年PFS率:VCAP-AMP-VECP群 28% vs Bi-CHOP群 16% (p=0.100).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2007 Dec 1;25(34):545864.
  2. 日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン

最終更新:2024年3月29日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
1mg/m² 点滴静注(最大2.0mg)1~6Day 1 (VCAP)

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
350mg/m² 点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

ADM:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day 1 (VCAP)

ADM:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴静注1~6Day 8 (AMP)

MCNU:ラニムスチン(サイメリン®)

投与量コース投与日
60mg/m² 点滴静注1~6Day 8 (AMP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day 8 (AMP)

VDS:ビンデシン(フィルデシン®)

投与量コース投与日
2.4mg/m² 点滴静注1~6Day 15 (VECP)

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1~6Day 15~17 (VECP)

CBDCA:カルボプラチン(パラプラチン®)

投与量コース投与日
250mg/m² 点滴静注1~6Day 15 (VECP)

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
40mg/m² 経口or点滴静注1~6Day15~17 (VECP)

前投薬

5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは28日間.
最大6コースまで.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

JCOG9801試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (Grade4 98%)
  • 血小板減少症 (Grade4 74%)

主な有害事象

  • 感染症 (≧Grade3 32%)
  • 高血糖 (≧Grade3 13%)
  • 低K血症 (≧Grade3 12%)
  • ALT増加 (≧Grade3 11%)

その他重要な有害事象

  • 口内炎 (≧Grade3 7%)
  • 低Na血症 (≧Grade3 5%)
  • 呼吸困難 (≧Grade3 7%)
  • 総ビリルビン増加 (≧Grade3 5%)
  • 神経障害 (≧Grade3 2%)
  • 治療関連死 (3%)

特徴と注意点

  • 初発アグレッシブATLに対し最も推奨される治療法.²⁾
  • JCOG9801試験は70歳未満を対象とした試験である点に注意.
  • ニューモシスチス肺炎予防のため、 ST 合剤投与を推奨.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.
  • mLSG15にモガムリズマブを併用するレジメンも承認されている。
  その場合、CR率は高まる一方、 毒性も増強することが報告されている.
  特に、移植前患者ではモガムリズマブ投与は,GVHD関連死のリスクが高まるため、慎重に判断²⁾ .

副作用と対策

  • Grade 2の神経毒性が出現した場合、 ビンクリスチンの投与量を50%に減量.
  • Grade 3の神経毒性が出現した場合、 ビンクリスチンの投与は中止.
  • シクロホスファミド投与時は水分摂取励行・利尿により出血性膀胱炎のリスクを軽減する.
  • アドリアマイシンには非可逆的な心毒性があり、 累積投与量は500mg/m²が上限.
  • カルボプラチン (Carboplatin: CBDCA) 投与量算出にはCalvert 式を用い、5 mg・hr/Lを目標とする.
  • 腎機能低下を認めた場合CBDCAの投与量を減量する.

関連する臨床試験の結果

JCOG9801試験¹⁾

概要

  • 多施設共同ランダム化非盲検第3相試験
  • 対象:70歳未満の初発アグレッシブATLL患者118例
  • 介入群:VCAP-AMP-VECP (mLSG15)療法
  • 対照群:Bi-CHOP療法
  • 主要評価項目:OS
  • 副次評価項目:PFS、 CR割合、 有害事象
Bi-CHOP療法: 隔週CHOP療法
OS:全生存期間、 PFS:無増悪生存期間、 CR:完全奏効

結果

  • 3年OS率:VCAP-AMP-VECP群 24% vs Bi-CHOP 群 13% (p=0.085).
  • 1年PFS率:VCAP-AMP-VECP群 28% vs Bi-CHOP群 16% (p=0.100).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2007 Dec 1;25(34):545864.
  2. 日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄増殖性疾患
骨髄異形成症候群
急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
自家移植
同種移植
非腫瘍性疾患
CAR-T
急性前骨髄球性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
再発難治性
DPd
ダラツムマブ、ポマリドミド、デキサメタゾン
DCd(DKd)
ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
DBd(DVd)
ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
ISA-Pd
イサツキシマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ISA-Kd
イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
ISA-d/ISA monotherapy
イサツキシマブ ± デキサメタゾン
KRd
カルフィルゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
Kd (Cd) 56mg/m²
カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
ERd(ELd)
エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ILd(IRd)
イキサゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
Pd
ポマリドミド、 デキサメタゾン
PBd(PVd)
ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
BelaVd
ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン
BelaPd
ベランタマブ マホドチン+ポマリドミド+デキサメタゾン
Elranatamab
エルラナタマブ(エルレフィオ®)
Teclistamab
テクリスタマブ (テクベイリ®)
Ide-cel(Idecabtagene vicleucel)
イデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ®)
Cilta-cel(Ciltacabtagene autoleucel)
シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ®)
DCEP
デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
VTD-PACE
ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド
非腫瘍性疾患
血栓性血小板減少性紫斑病

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