治療スケジュール
概要
監修医師

APAG:Avatrombopag(ドプテレット®)

投与量コース投与日
20mg/日 経口1~Day 1~

前投薬

その他

強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤の併用時は用量調節が必要。
レジメンのGif画像
Avatrombopagの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
従来 「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」 に適応を有していたが、 2025年8月25日に 「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」 が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

- ドプテレット® (添付文書¹⁾/適正使用ガイド*)

*Sobi Japan株式会社の外部サイトへ遷移します。

投与スケジュール

通常、 成人にはアバトロンボパグ20mgを1日1回食後に開始し、 血小板数や症状に応じて投与量を適宜調節する。

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 AVA-ITP-307試験

Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版

治療抵抗性の慢性ITPを有する日本人成人患者19例を対象とした非盲検の第III相試験 (承認申請に必要な有効性・安全性を最終的に確認するための確認試験)。 対象は18歳以上、 病悩期間12ヵ月以上で、 既治療にもかかわらず平均2回の血小板数が3万/μL未満であった患者。 アバトロンボパグは初期用量20mg/日で投与され、 試験期間は26週間のcore phaseで構成された。 主要評価項目は、 出血に対するレスキュー療法を必要とせずに血小板数が5万/μL以上を維持した累積週数であった。 

【有効性】

- 血小板≧5万/μLの累積週数 : 平均13.5週 (95% CI 9.1週–17.8週)

- 投与8日目の血小板反応率 : 63.2% (95% CI 38.4%–83.7%)

- 完全奏効率 : 投与8日目26.3%、 26週目26.7%

各評価時点で血小板≧10万/μLかつ出血・救済治療なしと定義

【安全性】10%以上の治療関連有害事象 :

- COVID-19 15.8%

- 上気道感染 15.8%

- 咽頭炎 10.5%

- 悪心 10.5%

- 蕁麻疹 10.5%

各プロトコル

適格基準

AVA-ITP-307試験²⁾の主な適格基準 :

  • 18歳以上
  • 慢性ITP (12ヵ月以上) 
  • 先行治療歴あり
  • 平均血小板数<3万/μL
Day 1の12週以内に免疫グロブリン、 コルチコステロイド、 摘脾、 リツキシマブを使用した例、 またDay 1の1週以内にロミプロスチムまたはエルトロンボパグを使用した例は除外された。

用量レベル

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

血小板数に応じた用量調節方法

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

投与中止により血小板減少することがあるため、 中止後4週間は血小板数を頻回に測定する。

腎障害患者に対する用量調整

アバトロンボパグの尿中排泄率は約6%と報告されており、 腎障害患者への用量調整は不要と考えられる。

ドプテレット®インタビューフォームを基に編集部が評価

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

アバトロンボパグは経口投与可能な低分子TPO受容体作動薬で、 造血前駆細胞から巨核球の増殖・分化を促進し血小板数を増加させる。 TPOと競合せず受容体に結合し血小板産生を促進する。

CYP阻害薬・誘導薬併用時の推奨投与量

強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤を併用する場合は、 以下の用量調節を行う。 特に阻害薬併用時は、 血小板数が安定するまで毎週測定する (少なくとも4週間、 血小板数≧5万/μL)。

レジメン適用時の注意事項

血栓症 : 血小板数が正常範囲以下でも血栓症の報告があるため、 観察を十分に行い、 血小板数にかかわらず発現に注意する。

骨髄線維化 : TPO受容体作動薬は骨髄線維化を進行させる可能性があるため、 投与前後に末梢血液像・全血算・網状赤血球数を定期的に確認し、 形態異常や血球減少を観察する。

血液腫瘍の進行リスク : TPO受容体作動薬は既存の骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。

RMP【重要な特定されたリスク】

ドプテレット®RMP (医薬品リスク管理計画書)

- 血栓症/血栓塞栓症

- 骨髄線維症

- 出血

出典

  1. Swedish Orphan Biovitrum Japan 株式会社. ドプテレット錠20mg電子添文 2025年8月改訂 第6版.
  2. Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版
最終更新 : 2025年9月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメンのGif画像
Avatrombopagの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメンのGif画像
Avatrombopagの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!

APAG:Avatrombopag(ドプテレット®)

投与量コース投与日
20mg/日 経口1~Day 1~

前投薬

その他

強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤の併用時は用量調節が必要。

概要

従来 「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」 に適応を有していたが、 2025年8月25日に 「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」 が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

- ドプテレット® (添付文書¹⁾/適正使用ガイド*)

*Sobi Japan株式会社の外部サイトへ遷移します。

投与スケジュール

通常、 成人にはアバトロンボパグ20mgを1日1回食後に開始し、 血小板数や症状に応じて投与量を適宜調節する。

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 AVA-ITP-307試験

Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版

治療抵抗性の慢性ITPを有する日本人成人患者19例を対象とした非盲検の第III相試験 (承認申請に必要な有効性・安全性を最終的に確認するための確認試験)。 対象は18歳以上、 病悩期間12ヵ月以上で、 既治療にもかかわらず平均2回の血小板数が3万/μL未満であった患者。 アバトロンボパグは初期用量20mg/日で投与され、 試験期間は26週間のcore phaseで構成された。 主要評価項目は、 出血に対するレスキュー療法を必要とせずに血小板数が5万/μL以上を維持した累積週数であった。 

【有効性】

- 血小板≧5万/μLの累積週数 : 平均13.5週 (95% CI 9.1週–17.8週)

- 投与8日目の血小板反応率 : 63.2% (95% CI 38.4%–83.7%)

- 完全奏効率 : 投与8日目26.3%、 26週目26.7%

各評価時点で血小板≧10万/μLかつ出血・救済治療なしと定義

【安全性】10%以上の治療関連有害事象 :

- COVID-19 15.8%

- 上気道感染 15.8%

- 咽頭炎 10.5%

- 悪心 10.5%

- 蕁麻疹 10.5%

各プロトコル

適格基準

AVA-ITP-307試験²⁾の主な適格基準 :

  • 18歳以上
  • 慢性ITP (12ヵ月以上) 
  • 先行治療歴あり
  • 平均血小板数<3万/μL
Day 1の12週以内に免疫グロブリン、 コルチコステロイド、 摘脾、 リツキシマブを使用した例、 またDay 1の1週以内にロミプロスチムまたはエルトロンボパグを使用した例は除外された。

用量レベル

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

血小板数に応じた用量調節方法

ドプテレット®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

投与中止により血小板減少することがあるため、 中止後4週間は血小板数を頻回に測定する。

腎障害患者に対する用量調整

アバトロンボパグの尿中排泄率は約6%と報告されており、 腎障害患者への用量調整は不要と考えられる。

ドプテレット®インタビューフォームを基に編集部が評価

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

アバトロンボパグは経口投与可能な低分子TPO受容体作動薬で、 造血前駆細胞から巨核球の増殖・分化を促進し血小板数を増加させる。 TPOと競合せず受容体に結合し血小板産生を促進する。

CYP阻害薬・誘導薬併用時の推奨投与量

強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤を併用する場合は、 以下の用量調節を行う。 特に阻害薬併用時は、 血小板数が安定するまで毎週測定する (少なくとも4週間、 血小板数≧5万/μL)。

レジメン適用時の注意事項

血栓症 : 血小板数が正常範囲以下でも血栓症の報告があるため、 観察を十分に行い、 血小板数にかかわらず発現に注意する。

骨髄線維化 : TPO受容体作動薬は骨髄線維化を進行させる可能性があるため、 投与前後に末梢血液像・全血算・網状赤血球数を定期的に確認し、 形態異常や血球減少を観察する。

血液腫瘍の進行リスク : TPO受容体作動薬は既存の骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。

RMP【重要な特定されたリスク】

ドプテレット®RMP (医薬品リスク管理計画書)

- 血栓症/血栓塞栓症

- 骨髄線維症

- 出血

出典

  1. Swedish Orphan Biovitrum Japan 株式会社. ドプテレット錠20mg電子添文 2025年8月改訂 第6版.
  2. Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版
最終更新 : 2025年9月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメンのGif画像
Avatrombopagの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメンのGif画像
Avatrombopagの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄増殖性疾患
骨髄異形成症候群
急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
自家移植
同種移植
非腫瘍性疾患
CAR-T
急性前骨髄球性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
再発難治性
DPd
ダラツムマブ、ポマリドミド、デキサメタゾン
DCd(DKd)
ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
DBd(DVd)
ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
ISA-Pd
イサツキシマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ISA-Kd
イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
ISA-d/ISA monotherapy
イサツキシマブ ± デキサメタゾン
KRd
カルフィルゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
Kd (Cd) 56mg/m²
カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
ERd(ELd)
エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ILd(IRd)
イキサゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
Pd
ポマリドミド、 デキサメタゾン
PBd(PVd)
ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
BelaVd
ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン
BelaPd
ベランタマブ マホドチン+ポマリドミド+デキサメタゾン
Elranatamab
エルラナタマブ(エルレフィオ®)
Teclistamab
テクリスタマブ (テクベイリ®)
Talquetamab
トアルクエタマブ (タービー®)
Ide-cel(Idecabtagene vicleucel)
イデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ®)
Cilta-cel(Ciltacabtagene autoleucel)
シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ®)
DCEP
デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
VTD-PACE
ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド
非腫瘍性疾患
血栓性血小板減少性紫斑病

あなたは医師もしくは医療関係者ですか?

HOKUTOへようこそ。当サイトでは、医師の方を対象に株式会社HOKUTOの臨床支援コンテンツを提供しています。