アバトロンボパグ (ドプテレット®)
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
20mg/日 経口 | 1~ | Day 1~ |
強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤の併用時は用量調節が必要。 |
通常、 成人にはアバトロンボパグ20mgを1日1回食後に開始し、 血小板数や症状に応じて投与量を適宜調節する。
Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版
治療抵抗性の慢性ITPを有する日本人成人患者19例を対象とした非盲検の第III相試験 (承認申請に必要な有効性・安全性を最終的に確認するための確認試験)。 対象は18歳以上、 病悩期間12ヵ月以上で、 既治療にもかかわらず平均2回の血小板数が3万/μL未満であった患者。 アバトロンボパグは初期用量20mg/日で投与され、 試験期間は26週間のcore phaseで構成された。 主要評価項目は、 出血に対するレスキュー療法を必要とせずに血小板数が5万/μL以上を維持した累積週数であった。
【有効性】
- 血小板≧5万/μLの累積週数 : 平均13.5週 (95% CI 9.1週–17.8週)
- 投与8日目の血小板反応率 : 63.2% (95% CI 38.4%–83.7%)
- 完全奏効率 : 投与8日目26.3%、 26週目26.7%
【安全性】10%以上の治療関連有害事象 :
- COVID-19 15.8%
- 上気道感染 15.8%
- 咽頭炎 10.5%
- 悪心 10.5%
- 蕁麻疹 10.5%
AVA-ITP-307試験²⁾の主な適格基準 :
Day 1の12週以内に免疫グロブリン、 コルチコステロイド、 摘脾、 リツキシマブを使用した例、 またDay 1の1週以内にロミプロスチムまたはエルトロンボパグを使用した例は除外された。
投与中止により血小板減少することがあるため、 中止後4週間は血小板数を頻回に測定する。
アバトロンボパグの尿中排泄率は約6%と報告されており、 腎障害患者への用量調整は不要と考えられる。
アバトロンボパグは経口投与可能な低分子TPO受容体作動薬で、 造血前駆細胞から巨核球の増殖・分化を促進し血小板数を増加させる。 TPOと競合せず受容体に結合し血小板産生を促進する。
強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤を併用する場合は、 以下の用量調節を行う。 特に阻害薬併用時は、 血小板数が安定するまで毎週測定する (少なくとも4週間、 血小板数≧5万/μL)。
血栓症 : 血小板数が正常範囲以下でも血栓症の報告があるため、 観察を十分に行い、 血小板数にかかわらず発現に注意する。
骨髄線維化 : TPO受容体作動薬は骨髄線維化を進行させる可能性があるため、 投与前後に末梢血液像・全血算・網状赤血球数を定期的に確認し、 形態異常や血球減少を観察する。
血液腫瘍の進行リスク : TPO受容体作動薬は既存の骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。
- 血栓症/血栓塞栓症
- 骨髄線維症
- 出血
最終更新 : 2025年9月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
投与量 | コース | 投与日 |
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20mg/日 経口 | 1~ | Day 1~ |
強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤の併用時は用量調節が必要。 |
通常、 成人にはアバトロンボパグ20mgを1日1回食後に開始し、 血小板数や症状に応じて投与量を適宜調節する。
Int J Hematol. 2025. 3月20日オンライン版
治療抵抗性の慢性ITPを有する日本人成人患者19例を対象とした非盲検の第III相試験 (承認申請に必要な有効性・安全性を最終的に確認するための確認試験)。 対象は18歳以上、 病悩期間12ヵ月以上で、 既治療にもかかわらず平均2回の血小板数が3万/μL未満であった患者。 アバトロンボパグは初期用量20mg/日で投与され、 試験期間は26週間のcore phaseで構成された。 主要評価項目は、 出血に対するレスキュー療法を必要とせずに血小板数が5万/μL以上を維持した累積週数であった。
【有効性】
- 血小板≧5万/μLの累積週数 : 平均13.5週 (95% CI 9.1週–17.8週)
- 投与8日目の血小板反応率 : 63.2% (95% CI 38.4%–83.7%)
- 完全奏効率 : 投与8日目26.3%、 26週目26.7%
【安全性】10%以上の治療関連有害事象 :
- COVID-19 15.8%
- 上気道感染 15.8%
- 咽頭炎 10.5%
- 悪心 10.5%
- 蕁麻疹 10.5%
AVA-ITP-307試験²⁾の主な適格基準 :
Day 1の12週以内に免疫グロブリン、 コルチコステロイド、 摘脾、 リツキシマブを使用した例、 またDay 1の1週以内にロミプロスチムまたはエルトロンボパグを使用した例は除外された。
投与中止により血小板減少することがあるため、 中止後4週間は血小板数を頻回に測定する。
アバトロンボパグの尿中排泄率は約6%と報告されており、 腎障害患者への用量調整は不要と考えられる。
アバトロンボパグは経口投与可能な低分子TPO受容体作動薬で、 造血前駆細胞から巨核球の増殖・分化を促進し血小板数を増加させる。 TPOと競合せず受容体に結合し血小板産生を促進する。
強いまたは中等度のCYP2C9およびCYP3A4を同時に阻害 (例 : フルコナゾール) または誘導 (例 : リファンピシン) する薬剤を併用する場合は、 以下の用量調節を行う。 特に阻害薬併用時は、 血小板数が安定するまで毎週測定する (少なくとも4週間、 血小板数≧5万/μL)。
血栓症 : 血小板数が正常範囲以下でも血栓症の報告があるため、 観察を十分に行い、 血小板数にかかわらず発現に注意する。
骨髄線維化 : TPO受容体作動薬は骨髄線維化を進行させる可能性があるため、 投与前後に末梢血液像・全血算・網状赤血球数を定期的に確認し、 形態異常や血球減少を観察する。
血液腫瘍の進行リスク : TPO受容体作動薬は既存の骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。
- 血栓症/血栓塞栓症
- 骨髄線維症
- 出血
最終更新 : 2025年9月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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