治療スケジュール
概要
監修医師

GEM:ゲムシタビン(ジェムザール®)

投与量コース投与日
1000mg/m² 点滴静注1Day 1、 8

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴静注1Day 1

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 点滴静注1Day 1~4

前投薬

リツキシマブ投与日は、 解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬を使用.
Day1に5-HT3受容体拮抗薬とNK1受容体拮抗薬を使用.

その他

1コース21日間.
リツキシマブ併用時は、 Day0またはDay1に投与.
CDDPによる腎障害予防のため、 十分な補液を行う (詳細は概要欄を参照).
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.¹⁾より引用

重大な有害事象

  • 倦怠感 (≧Grade3 10%)
  • 感染症 (≧Grade3 13%)

その他

  • 発熱性好中球減少症 (≧Grade3 9%)
  • 血栓塞栓症 (≧Grade3 6%)
  • 嘔気 (≧Grade3 4%)
  • 嘔吐 (≧Grade3 7%)
  • 失神 (≧Grade3 2%)

特徴と注意点

  • GDP療法は、 再発難治性DLBCLに対する救援治療の一つとされる.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮する.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.
  • 2コース目以降、 外来管理可能.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) を考慮してG-CSF製剤の予防投与を行う.
  • ST合剤の予防内服を考慮
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • シスプラチンの腎毒性予防として、 3L/日以上の補液、 又はshort hydrationが推奨される. また、 低Mg血症の発現リスクもあり、 低Mg血症自体が腎障害リスクとなるため、 Mg製剤の投与も推奨される.
  • シスプラチンによる末梢神経障害は累積投与量が200~300mg/m²以上になると頻度が高くなる.
  • 聴覚障害は投与量の増加に伴い発現頻度が高くなり、 特に1日投与量では80mg/m²以上で、 総投与量では300mg/m²を超えるとその傾向は顕著となる。 聴覚障害は不可逆的と考えられ、 特に高音域に障害を受ける.
  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍) に注意.

関連する臨床試験の結果

J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.¹⁾

概要

  • 再発又は難治性リンパ腫患者619人に対する第3相ランダム化比較試験.
  • GDP群とDHAP群について、 全奏効率、 移植率、 PFS、 OS、 毒性、 生活の質を比較.

結果

  • 追跡期間中央値53か月.
  • 全奏効率 : GDP群45.1% vs DHAP群44.1% (p=0.84).
  • 移植率 : GDP群52.1% vs DHAP群49.3% (p=0.44).
  • 4年PFS : HR0.99 (95%CI 0.82~1.21、p=0.95).
  • OS : HR1.03 (95%CI 0.83~1.28、 p=0.78).
  • 全奏効率、 移植率、 PFS、 OSについて、 GDPのDHAPに対する非劣勢が証明された.
  • GDP療法群による治療は、 毒性 (p<0.001) および入院の必要性が少なく (p<0.001)、 QOLが維持された (p=0.04).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.

最終更新:2024年7月24日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
1000mg/m² 点滴静注1Day 1、 8

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴静注1Day 1

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 点滴静注1Day 1~4

前投薬

リツキシマブ投与日は、 解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬を使用.
Day1に5-HT3受容体拮抗薬とNK1受容体拮抗薬を使用.

その他

1コース21日間.
リツキシマブ併用時は、 Day0またはDay1に投与.
CDDPによる腎障害予防のため、 十分な補液を行う (詳細は概要欄を参照).

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

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主な有害事象

J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.¹⁾より引用

重大な有害事象

  • 倦怠感 (≧Grade3 10%)
  • 感染症 (≧Grade3 13%)

その他

  • 発熱性好中球減少症 (≧Grade3 9%)
  • 血栓塞栓症 (≧Grade3 6%)
  • 嘔気 (≧Grade3 4%)
  • 嘔吐 (≧Grade3 7%)
  • 失神 (≧Grade3 2%)

特徴と注意点

  • GDP療法は、 再発難治性DLBCLに対する救援治療の一つとされる.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮する.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.
  • 2コース目以降、 外来管理可能.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) を考慮してG-CSF製剤の予防投与を行う.
  • ST合剤の予防内服を考慮
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • シスプラチンの腎毒性予防として、 3L/日以上の補液、 又はshort hydrationが推奨される. また、 低Mg血症の発現リスクもあり、 低Mg血症自体が腎障害リスクとなるため、 Mg製剤の投与も推奨される.
  • シスプラチンによる末梢神経障害は累積投与量が200~300mg/m²以上になると頻度が高くなる.
  • 聴覚障害は投与量の増加に伴い発現頻度が高くなり、 特に1日投与量では80mg/m²以上で、 総投与量では300mg/m²を超えるとその傾向は顕著となる。 聴覚障害は不可逆的と考えられ、 特に高音域に障害を受ける.
  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍) に注意.

関連する臨床試験の結果

J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.¹⁾

概要

  • 再発又は難治性リンパ腫患者619人に対する第3相ランダム化比較試験.
  • GDP群とDHAP群について、 全奏効率、 移植率、 PFS、 OS、 毒性、 生活の質を比較.

結果

  • 追跡期間中央値53か月.
  • 全奏効率 : GDP群45.1% vs DHAP群44.1% (p=0.84).
  • 移植率 : GDP群52.1% vs DHAP群49.3% (p=0.44).
  • 4年PFS : HR0.99 (95%CI 0.82~1.21、p=0.95).
  • OS : HR1.03 (95%CI 0.83~1.28、 p=0.78).
  • 全奏効率、 移植率、 PFS、 OSについて、 GDPのDHAPに対する非劣勢が証明された.
  • GDP療法群による治療は、 毒性 (p<0.001) および入院の必要性が少なく (p<0.001)、 QOLが維持された (p=0.04).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2014 Nov 1;32(31):3490-6.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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慢性リンパ性白血病
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ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
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イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
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EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
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デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
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