治療スケジュール
概要
監修医師

Luspatercept:ルスパテルセプト(レブロジル®)

投与量コース投与日
1.0 mg/kg (開始用量)1-Day 1、22、43、64、‥

前投薬

その他

3週間ごとに皮下注
1.0mg/kgから開始
最大投与量は1.75mg/kg
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません.個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

レブロジル®(添付文書/総合製品概要*¹⁾)

*「ブリストルマイヤーズスクイブ株式会社」の外部サイトに遷移します.

主な有害事象

COMMANDS試験 ²⁾より引用.

主な有害事象

  • 疲労 (14.6%)
  • 末梢性浮腫 (12.9%)
  • 下痢 (14.6%)
  • 高血圧 (12.9%)
  • 無力症 (12.4%)
  • 悪心 (11.8%)
  • 呼吸困難 (11.8%)
  • COVID-19感染 (10.7%)

重篤な有害事象

  • COVID-19感染 (5.1%)
  • 肺炎 (3.4%)
  • 骨髄異形成症候群** (2.8%) (高リスクMDSへの進行)
  • 骨盤骨折 (2.2%)
  • 呼吸困難 (1.7%)
  • 心房細動 (1.7%)
  • 死亡 (1.7%)
  • 低血圧 (1.7%)
  • 貧血、 発熱、 全身健康状態悪化、 敗血症、 硬膜下血腫、 尿路感染、 蜂巣炎、 脳血管発作、 脱水、 変形性関節症、 肋骨骨折 (1.1%)

特徴と注意点

  • 3週に1回の投与で治療可能な低リスクMDSに伴う貧血治療薬.
  • IPSS-R*によるリスク分類のHigh及びVery Highに対する有効性及び安全性は確立していない.
*Revised International Prognostic Scoring System (国際予後スコアリングシステム改訂版)
  • 同じ投与量で連続2回以上投与した後一段階増量が可能.
  • 効果が認められる限り投与継続ができる.
  • 最大用量で3回(9週間)投与した時点で効果が認められない場合投与継続の可否を検討.
  • 投与中はHb濃度を定期的に観察し、 必要以上の造血作用があらわれないように十分注意する.

作用機序 ³⁾⁴⁾

  • ルスパテルセプトは、 ヒトActRⅡBの細胞外ドメイン配列をヒトIgG1Fc領域に融合した組み換え糖タンパク質.
  • TGF-βスーパーファミリーリガンド (主にGDF11) に対するリガンドトラップとして作用し、 細胞表面のActRⅡBへの結合阻害作用によりSmad2/3シグナル伝達を抑制する.
文献 Blood Adv. 2021 Mar 9;5(5):1565-1575 をもとにHOKUTO編集部で作図

【より詳細な作用機序】MDSではSmad2/3シグナル経路が活性化し、 Smad2/3がGATA1のエンハンサーに結合し、 GATA1のエキソン2のスプライシング (スキッピング) を誘導し、 通常のGATA1の減少による赤血球産生低下が起こることが報告されている. ルスパテルセプトによりSmad2/3シグナル経路の活性化が抑制されることで、 正常のGATA1の産生が誘導され、 特に造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進して赤血球数の増加を誘導すると考えられている.⁵⁾

用法・用量・用量調節基準

用法

  • 3週間ごと皮下注射.
  • 1.0mg/kgから開始する.
  • 用量調節基準に従い増量・減量・休薬する.

用量レベル

用量調節基準

*GradeはNCI-CTCAE v4.03に準じる.

関連する臨床試験の結果

COMMANDS試験 (ACE-536-MDS-002試験)²⁾

概要

  • 海外多施設共同、 非盲検、 ランダム化、 第Ⅲ相試験.
  • 対象:輸血依存の低リスクMDS患者 (ESA製剤未治療) 356例.
  • 主要評価項目:24週間以内に連続12週以上の赤血球輸血非依存を達成し、 かつ平均Hb濃度がベースライン値より1.5g/dL以上増加した患者割合.
  • ルスパテルセプト群:1.0mg/kgを3週間間隔で皮下投与し、 目標Hb濃度 (10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節.
  • エポエチンアルファ群:450IU/kg(開始用量)を3週間隔で皮下投与し、 目標Hb濃度 (10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節.

結果

  • 主要評価項目達成割合:ルスパテルセプト群 58.5% (95%CI 50.1-66.6) vs エポエチンアルファ群 31.2% (95%CI 24.0-39.1).

参考文献

  1. レブロジル®総合製品概要
  2. Lancet. 2023 Jul 29;402(10399):373-385.
  3. Nat Med. 2014 Apr;20(4):408-14.
  4. Blood Adv. 2021 Mar 9;5(5):1565-1575.
  5. ASH 2023. Abstract #318

関連コンテンツ

🔢 IPSS for MDS

🔢 IPSS-R

🔢 WPSS

HOKUTO表・計算ツール
最終更新:2024年6月27日
執筆担当:小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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その他

3週間ごとに皮下注
1.0mg/kgから開始
最大投与量は1.75mg/kg

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません.個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

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主な有害事象

COMMANDS試験 ²⁾より引用.

主な有害事象

  • 疲労 (14.6%)
  • 末梢性浮腫 (12.9%)
  • 下痢 (14.6%)
  • 高血圧 (12.9%)
  • 無力症 (12.4%)
  • 悪心 (11.8%)
  • 呼吸困難 (11.8%)
  • COVID-19感染 (10.7%)

重篤な有害事象

  • COVID-19感染 (5.1%)
  • 肺炎 (3.4%)
  • 骨髄異形成症候群** (2.8%) (高リスクMDSへの進行)
  • 骨盤骨折 (2.2%)
  • 呼吸困難 (1.7%)
  • 心房細動 (1.7%)
  • 死亡 (1.7%)
  • 低血圧 (1.7%)
  • 貧血、 発熱、 全身健康状態悪化、 敗血症、 硬膜下血腫、 尿路感染、 蜂巣炎、 脳血管発作、 脱水、 変形性関節症、 肋骨骨折 (1.1%)

特徴と注意点

  • 3週に1回の投与で治療可能な低リスクMDSに伴う貧血治療薬.
  • IPSS-R*によるリスク分類のHigh及びVery Highに対する有効性及び安全性は確立していない.
*Revised International Prognostic Scoring System (国際予後スコアリングシステム改訂版)
  • 同じ投与量で連続2回以上投与した後一段階増量が可能.
  • 効果が認められる限り投与継続ができる.
  • 最大用量で3回(9週間)投与した時点で効果が認められない場合投与継続の可否を検討.
  • 投与中はHb濃度を定期的に観察し、 必要以上の造血作用があらわれないように十分注意する.

作用機序 ³⁾⁴⁾

  • ルスパテルセプトは、 ヒトActRⅡBの細胞外ドメイン配列をヒトIgG1Fc領域に融合した組み換え糖タンパク質.
  • TGF-βスーパーファミリーリガンド (主にGDF11) に対するリガンドトラップとして作用し、 細胞表面のActRⅡBへの結合阻害作用によりSmad2/3シグナル伝達を抑制する.
文献 Blood Adv. 2021 Mar 9;5(5):1565-1575 をもとにHOKUTO編集部で作図

【より詳細な作用機序】MDSではSmad2/3シグナル経路が活性化し、 Smad2/3がGATA1のエンハンサーに結合し、 GATA1のエキソン2のスプライシング (スキッピング) を誘導し、 通常のGATA1の減少による赤血球産生低下が起こることが報告されている. ルスパテルセプトによりSmad2/3シグナル経路の活性化が抑制されることで、 正常のGATA1の産生が誘導され、 特に造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進して赤血球数の増加を誘導すると考えられている.⁵⁾

用法・用量・用量調節基準

用法

  • 3週間ごと皮下注射.
  • 1.0mg/kgから開始する.
  • 用量調節基準に従い増量・減量・休薬する.

用量レベル

用量調節基準

*GradeはNCI-CTCAE v4.03に準じる.

関連する臨床試験の結果

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概要

  • 海外多施設共同、 非盲検、 ランダム化、 第Ⅲ相試験.
  • 対象:輸血依存の低リスクMDS患者 (ESA製剤未治療) 356例.
  • 主要評価項目:24週間以内に連続12週以上の赤血球輸血非依存を達成し、 かつ平均Hb濃度がベースライン値より1.5g/dL以上増加した患者割合.
  • ルスパテルセプト群:1.0mg/kgを3週間間隔で皮下投与し、 目標Hb濃度 (10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節.
  • エポエチンアルファ群:450IU/kg(開始用量)を3週間隔で皮下投与し、 目標Hb濃度 (10.0~12.0g/dL)を達成するよう0.45~1.75mg/kgの3週間間隔投与の範囲で調節.

結果

  • 主要評価項目達成割合:ルスパテルセプト群 58.5% (95%CI 50.1-66.6) vs エポエチンアルファ群 31.2% (95%CI 24.0-39.1).

参考文献

  1. レブロジル®総合製品概要
  2. Lancet. 2023 Jul 29;402(10399):373-385.
  3. Nat Med. 2014 Apr;20(4):408-14.
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  5. ASH 2023. Abstract #318

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最終更新:2024年6月27日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄増殖性疾患
骨髄異形成症候群
急性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
自家移植
同種移植
非腫瘍性疾患
CAR-T
急性前骨髄球性白血病
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
再発難治性
DPd
ダラツムマブ、ポマリドミド、デキサメタゾン
DCd(DKd)
ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
DBd(DVd)
ダラツムマブ、 ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
ISA-Pd
イサツキシマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ISA-Kd
イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
ISA-d/ISA monotherapy
イサツキシマブ ± デキサメタゾン
KRd
カルフィルゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
Kd (Cd) 56mg/m²
カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
ERd(ELd)
エロツズマブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
EPd
エロツズマブ、 ポマリドミド、 デキサメタゾン
ILd(IRd)
イキサゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
Pd
ポマリドミド、 デキサメタゾン
PBd(PVd)
ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
Elranatamab
エルラナタマブ(エルレフィオ®)
Teclistamab
テクリスタマブ (テクベイリ®)
Ide-cel(Idecabtagene vicleucel)
イデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ®)
Cilta-cel(Ciltacabtagene autoleucel)
シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ®)
DCEP
デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン
VTD-PACE
ボルテゾミブ、 サリドマイド、 デキサメタゾン、 シスプラチン、 アドリアマイシン、 シクロホスファミド、 エトポシド

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