治療スケジュール
概要
監修医師

Dasatinib:ダサチニブ(スプリセル®)

投与量コース投与日
100mg 経口1~Day 1~

その他

慢性期のCMLの場合は1日1回 1回100mgを基本として連日経口投与する.
移行期または急性期のCMLの場合は1日2回 1回70mgを基本として連日経口投与する.
忍容性を考慮したうえで, 病状の進行あるいは1ヵ月以上投与しても効果がみられない際に増量を考慮.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

DASISION試験 (CA180-056 Study)¹⁾, START-A 試験²⁾, 適正使用ガイドより引用

骨髄抑制

初発CML (100mg/day)

  • 好中球数減少 (≧Grade3 21%)
  • 血小板数減少 (≧Grade3 19%)
  • 貧血 (≧Grade3 10%)

移行期CML (140mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 76%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 82%)
  • 貧血 (≧Grade3 69%)

主な有害事象

初発CML (100mg/day)

  • 下痢 (17%, ≧Grade3 <1%)
  • 頭痛 (12%, ≧Grade3 0%)
  • 発疹 (11%, ≧Grade3 0%)

移行期CML (140mg/day)

  • 下痢 (52%, ≧Grade3 8%)
  • 頭痛 (29%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (28%, ≧Grade3 <1%)
  • 発疹 (21%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔吐 (20%, ≧Grade3 2%)
  • 関節痛 (13%, ≧Grade3 0%)
  • 筋肉痛 (12%, ≧Grade3 <1%)

その他重要な有害事象

  • 体液貯留 (17%, ≧Grade3 1%)
  • 間質性肺炎 (4%, ≧Grade3 1%)
  • QT延長 (0.4%, ≧Grade3 0.4%)

特徴と注意点

  • 第2世代 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬である.
  • ABLに対する強い親和性を持ち, Imatinibと比較して約300倍のBCR-ABL陽性細胞に対する増殖抑制能を持つとされている.
  • ゲートキーパー変異であるT315I変異に対しては無効である.
  • 食事は吸収, 分布に影響しないが, 胃酸分泌抑制薬との併用で吸収が低下する.
  • CYP3A4により代謝される.
  • 体液貯留が報告されているため, 定期的な体重確認と, 発現時はフローチャートに従い対応する.
  • 胸水の出現は1日2回投与のほうが多いと報告されている.
  • 血液毒性発現時は下記フローチャートに従い対応する.
  • 移行期または急性期の投与量の調整は下記に従う.

関連する臨床試験の結果

DASISION試験 (CA180-056 Study) ¹⁾

概要

  • 対象:未治療の慢性期CML
  • DasatinibとImatinibを比較する国際第3相試験.
  • 主要評価項目12ヵ月後までの分子遺伝学的完全寛解 (MMR) .

結果

  • MMR率は, Dasatinib:Imatinib=46%:28% (p<0.0001) だった.
  • MMRまでの達成期間もDasatinib群で有意に短かった.
NEJM. 2010 Jun 17;362(24):2260-2270.より引用

START-A 試験²⁾

概要

  • 対象:Imatinib耐性または不耐容の移行期CML
  • Dasatinibを1回70mg 1日2回 を内服した174名の追跡調査.

結果

  • 治療期間中央値は14.1ヵ月 (0.1~21.7ヵ月)
  • 血液学的大奏効:64%
  • 血液学的完全奏効:45%
  • 細胞遺伝学的大奏効:39%
  • 細胞遺伝学完全奏効:32%
  • 12ヵ月無増悪率:66%
J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3472-9.より引用

参考文献

  1. NEJM. 2010 Jun 17;362(24):2260-2270.
  2. J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3472-9.

最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
100mg 経口1~Day 1~

その他

慢性期のCMLの場合は1日1回 1回100mgを基本として連日経口投与する.
移行期または急性期のCMLの場合は1日2回 1回70mgを基本として連日経口投与する.
忍容性を考慮したうえで, 病状の進行あるいは1ヵ月以上投与しても効果がみられない際に増量を考慮.

概要

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主な有害事象

DASISION試験 (CA180-056 Study)¹⁾, START-A 試験²⁾, 適正使用ガイドより引用

骨髄抑制

初発CML (100mg/day)

  • 好中球数減少 (≧Grade3 21%)
  • 血小板数減少 (≧Grade3 19%)
  • 貧血 (≧Grade3 10%)

移行期CML (140mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 76%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 82%)
  • 貧血 (≧Grade3 69%)

主な有害事象

初発CML (100mg/day)

  • 下痢 (17%, ≧Grade3 <1%)
  • 頭痛 (12%, ≧Grade3 0%)
  • 発疹 (11%, ≧Grade3 0%)

移行期CML (140mg/day)

  • 下痢 (52%, ≧Grade3 8%)
  • 頭痛 (29%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (28%, ≧Grade3 <1%)
  • 発疹 (21%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔吐 (20%, ≧Grade3 2%)
  • 関節痛 (13%, ≧Grade3 0%)
  • 筋肉痛 (12%, ≧Grade3 <1%)

その他重要な有害事象

  • 体液貯留 (17%, ≧Grade3 1%)
  • 間質性肺炎 (4%, ≧Grade3 1%)
  • QT延長 (0.4%, ≧Grade3 0.4%)

特徴と注意点

  • 第2世代 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬である.
  • ABLに対する強い親和性を持ち, Imatinibと比較して約300倍のBCR-ABL陽性細胞に対する増殖抑制能を持つとされている.
  • ゲートキーパー変異であるT315I変異に対しては無効である.
  • 食事は吸収, 分布に影響しないが, 胃酸分泌抑制薬との併用で吸収が低下する.
  • CYP3A4により代謝される.
  • 体液貯留が報告されているため, 定期的な体重確認と, 発現時はフローチャートに従い対応する.
  • 胸水の出現は1日2回投与のほうが多いと報告されている.
  • 血液毒性発現時は下記フローチャートに従い対応する.
  • 移行期または急性期の投与量の調整は下記に従う.

関連する臨床試験の結果

DASISION試験 (CA180-056 Study) ¹⁾

概要

  • 対象:未治療の慢性期CML
  • DasatinibとImatinibを比較する国際第3相試験.
  • 主要評価項目12ヵ月後までの分子遺伝学的完全寛解 (MMR) .

結果

  • MMR率は, Dasatinib:Imatinib=46%:28% (p<0.0001) だった.
  • MMRまでの達成期間もDasatinib群で有意に短かった.
NEJM. 2010 Jun 17;362(24):2260-2270.より引用

START-A 試験²⁾

概要

  • 対象:Imatinib耐性または不耐容の移行期CML
  • Dasatinibを1回70mg 1日2回 を内服した174名の追跡調査.

結果

  • 治療期間中央値は14.1ヵ月 (0.1~21.7ヵ月)
  • 血液学的大奏効:64%
  • 血液学的完全奏効:45%
  • 細胞遺伝学的大奏効:39%
  • 細胞遺伝学完全奏効:32%
  • 12ヵ月無増悪率:66%
J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3472-9.より引用

参考文献

  1. NEJM. 2010 Jun 17;362(24):2260-2270.
  2. J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3472-9.

最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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