治療スケジュール
概要
監修医師

Eltrombopag:エルトロンボパグ(レボレード®)

投与量コース投与日
12.5mg1-Day1-

前投薬

なし.

その他

初回投与量12.5mgを1日1回、 食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与.
効果確認のため少なくとも2週間は同一用量を維持し、 12.5mg/日ずつ増減する.
1日最大投与量は50mg.
制酸剤、 乳製品、 多価陽イオン含有製剤服用時はエルトロンボパグ服用前4時間および後2時間を避ける.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

EXTEND試験²⁾より引用.

  • 頭痛 (92%).
  • 鼻咽頭炎 (25%).
  • 上気道感染 (23%).
  • 倦怠感 (17%).
  • 下痢 (16%).
  • 関節痛 (15%).
  • 白内障 (5%).
  • ALT上昇 (2%).
  • AST上昇 (1%).
  • 深部静脈血栓症 (1%).

特徴と注意点

適応と作用機序

  • 適応:慢性特発性血小板減少性紫斑病 (chronic immune thrombocytopenia : ITP) 及び 再生不良性貧血 (aplastic anemia : AA). 適応によって用量が異なるため注意する.
  • 副腎皮質ステロイド治療が無効 又は 副腎皮質ステロイド不耐容例が適応 (セカンドライン治療).
  • 経口可能なトロンボポエチン受容体の低分子アゴニスト (TPO-RA) .
  • 巨核球および造血幹細胞に発現するTPO受容体に結合し、 巨核球の分化・成熟を促進し、 血小板産生を亢進する.
  • エルトロンボパグとロミプロスチムの有効性および安全性に差はなく、 投与方法、 合併症、 患者の希望などを考慮して選択する.
  • 投与開始後5~7日目から血小板数が増加し始め12~16日目に最大の血小板数となる.
  • 血小板数が安定するまでは毎週、 安定した後は毎月血液検査および肝機能検査を実施する.

用法・用量

  • 初回投与量12.5mg1日1回経口投与.
  • 食事の前後2時間を避けて空腹時に内服.
  • 効果確認のため少なくとも2週間は同一用量を維持し、 12.5mg/日ずつ増減する.
  • 1日最大投与量50mg.
  • 制酸剤、 乳製品、 ミネラルサプリメント、 多価陽イオンを含む製剤との相互作用があるため、 エルトロンボパグ服用前4時間および服用後2時間は摂取を避ける.

  • 血小板数に応じた用量調節方法は以下の通り.

副作用とその対策

血栓症

  • ITP自体が動脈血栓症および静脈血栓症を増加させることもありTPO-RAの影響の程度は不明.
  • エルトロンボパグ使用例における血栓症の多くが内服開始後1年以内に発症.
  • 先天性および後天性血栓性素因を有する患者 (高血圧、 喫煙、 肥満、 糖尿病、 脂質異常症、 抗リン脂質抗体、 血栓症の既往、 担がん患者) への使用は注意する.

骨髄線維化

  • TPO-RAによる慢性的な造血刺激は骨髄のレチクリン線維の形成および線維化を進行させる可能性がある.
  • 骨髄線維化を疑わせる所見が出現時は積極的に骨髄生検を行う.

芽球の増加

  • TPO受容体は巨核球系細胞だけでなく造血幹細胞にも発現しているため、 白血病患者に使用した場合芽球の増加が懸念される.
  • 治療開始前に骨髄穿刺等にて骨髄異形成症候群の可能性を否定する.

臨床試験

RAISE試験¹⁾

概要

  • 海外第III相プラセボ対象二重盲検試験.
  • 対象:18歳以上で既治療経験あり、 血小板数3万/mm³以下のITP患者.
  • 介入:標準治療+エルトロンボパグ50mg/日 vs. 標準治療+プラセボ 6ヵ月投与. 4~6週毎に血小板数を測定し投与量調整を実施.
  • 評価項目:治療反応割合、 血小板数中央値など

結果

  • 治療反応割合:エルトロンボパグ群 79% (106/135例) vs. プラセボ群 28% (17/62例)、 OR 8.2 (99%CI 3.59-18.73、 p<0.0001).
  • 血小板数中央値:治療開始前 1.6万/mm³、 1週間後 3.6万/mm³、 15日目以降 5.3~7.35万/mm³.

EXTEND試験²⁾

概要

  • 海外多施設共同第III相オープンラベル試験.
  • 対象:既治療経験のある慢性/持続性の成人ITP患者 (診断から6ヵ月以上) .
  • 介入:エルトロンボパグ50mg/日. 血小板数により投与量調整. 長期投与時の有効性、 忍容性および安全性を検討.
  • 追跡期間中央値:2.37年.
  • 評価項目:安全性、 血小板数中央値など.

結果

  • 2週目血小板数 ≧ 5万/mm³:85.8%. うち52%が25週以上血小板数維持.

TRA108109試験³⁾

概要

  • 国内多施設共同第II/III相試験.
  • 対象:血小板数3万/mm³以下で既治療経験のある慢性/持続性の成人ITP患者 (診断から6ヵ月以上) .
  • 介入:エルトロンボパグ開始用量12.5mg/日. 血小板数により投与量調整 (最大投与量50mg).
  • 評価項目:血小板数中央値など.

結果

  • 2週目血小板数 ≧ 5万/mm³:85.8%. うち52%が25週以上血小板数維持.

参考文献

  1. Lancet. 2011 Jan 29;377(9763):393-402.
  2. Blood. 2017 Dec 7;130(23):2527-2536.
  3. J Thromb Haemost. 2012 May;10(5):799-806.
  4. 特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019改訂版

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HOKUTOコンテンツ 専門医監修

🔢 ITP重症度分類

HOKUTO表・計算ツール
最終更新:2022年8月6日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
12.5mg1-Day1-

前投薬

なし.

その他

初回投与量12.5mgを1日1回、 食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与.
効果確認のため少なくとも2週間は同一用量を維持し、 12.5mg/日ずつ増減する.
1日最大投与量は50mg.
制酸剤、 乳製品、 多価陽イオン含有製剤服用時はエルトロンボパグ服用前4時間および後2時間を避ける.

概要

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主な有害事象

EXTEND試験²⁾より引用.

  • 頭痛 (92%).
  • 鼻咽頭炎 (25%).
  • 上気道感染 (23%).
  • 倦怠感 (17%).
  • 下痢 (16%).
  • 関節痛 (15%).
  • 白内障 (5%).
  • ALT上昇 (2%).
  • AST上昇 (1%).
  • 深部静脈血栓症 (1%).

特徴と注意点

適応と作用機序

  • 適応:慢性特発性血小板減少性紫斑病 (chronic immune thrombocytopenia : ITP) 及び 再生不良性貧血 (aplastic anemia : AA). 適応によって用量が異なるため注意する.
  • 副腎皮質ステロイド治療が無効 又は 副腎皮質ステロイド不耐容例が適応 (セカンドライン治療).
  • 経口可能なトロンボポエチン受容体の低分子アゴニスト (TPO-RA) .
  • 巨核球および造血幹細胞に発現するTPO受容体に結合し、 巨核球の分化・成熟を促進し、 血小板産生を亢進する.
  • エルトロンボパグとロミプロスチムの有効性および安全性に差はなく、 投与方法、 合併症、 患者の希望などを考慮して選択する.
  • 投与開始後5~7日目から血小板数が増加し始め12~16日目に最大の血小板数となる.
  • 血小板数が安定するまでは毎週、 安定した後は毎月血液検査および肝機能検査を実施する.

用法・用量

  • 初回投与量12.5mg1日1回経口投与.
  • 食事の前後2時間を避けて空腹時に内服.
  • 効果確認のため少なくとも2週間は同一用量を維持し、 12.5mg/日ずつ増減する.
  • 1日最大投与量50mg.
  • 制酸剤、 乳製品、 ミネラルサプリメント、 多価陽イオンを含む製剤との相互作用があるため、 エルトロンボパグ服用前4時間および服用後2時間は摂取を避ける.

  • 血小板数に応じた用量調節方法は以下の通り.

副作用とその対策

血栓症

  • ITP自体が動脈血栓症および静脈血栓症を増加させることもありTPO-RAの影響の程度は不明.
  • エルトロンボパグ使用例における血栓症の多くが内服開始後1年以内に発症.
  • 先天性および後天性血栓性素因を有する患者 (高血圧、 喫煙、 肥満、 糖尿病、 脂質異常症、 抗リン脂質抗体、 血栓症の既往、 担がん患者) への使用は注意する.

骨髄線維化

  • TPO-RAによる慢性的な造血刺激は骨髄のレチクリン線維の形成および線維化を進行させる可能性がある.
  • 骨髄線維化を疑わせる所見が出現時は積極的に骨髄生検を行う.

芽球の増加

  • TPO受容体は巨核球系細胞だけでなく造血幹細胞にも発現しているため、 白血病患者に使用した場合芽球の増加が懸念される.
  • 治療開始前に骨髄穿刺等にて骨髄異形成症候群の可能性を否定する.

臨床試験

RAISE試験¹⁾

概要

  • 海外第III相プラセボ対象二重盲検試験.
  • 対象:18歳以上で既治療経験あり、 血小板数3万/mm³以下のITP患者.
  • 介入:標準治療+エルトロンボパグ50mg/日 vs. 標準治療+プラセボ 6ヵ月投与. 4~6週毎に血小板数を測定し投与量調整を実施.
  • 評価項目:治療反応割合、 血小板数中央値など

結果

  • 治療反応割合:エルトロンボパグ群 79% (106/135例) vs. プラセボ群 28% (17/62例)、 OR 8.2 (99%CI 3.59-18.73、 p<0.0001).
  • 血小板数中央値:治療開始前 1.6万/mm³、 1週間後 3.6万/mm³、 15日目以降 5.3~7.35万/mm³.

EXTEND試験²⁾

概要

  • 海外多施設共同第III相オープンラベル試験.
  • 対象:既治療経験のある慢性/持続性の成人ITP患者 (診断から6ヵ月以上) .
  • 介入:エルトロンボパグ50mg/日. 血小板数により投与量調整. 長期投与時の有効性、 忍容性および安全性を検討.
  • 追跡期間中央値:2.37年.
  • 評価項目:安全性、 血小板数中央値など.

結果

  • 2週目血小板数 ≧ 5万/mm³:85.8%. うち52%が25週以上血小板数維持.

TRA108109試験³⁾

概要

  • 国内多施設共同第II/III相試験.
  • 対象:血小板数3万/mm³以下で既治療経験のある慢性/持続性の成人ITP患者 (診断から6ヵ月以上) .
  • 介入:エルトロンボパグ開始用量12.5mg/日. 血小板数により投与量調整 (最大投与量50mg).
  • 評価項目:血小板数中央値など.

結果

  • 2週目血小板数 ≧ 5万/mm³:85.8%. うち52%が25週以上血小板数維持.

参考文献

  1. Lancet. 2011 Jan 29;377(9763):393-402.
  2. Blood. 2017 Dec 7;130(23):2527-2536.
  3. J Thromb Haemost. 2012 May;10(5):799-806.
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最終更新:2022年8月6日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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