治療スケジュール
概要
監修医師

PDX:プララトレキサート(ジフォルタ®)

投与量コース投与日
30mg/m² 点滴静注全コースDay 1、8、15、22、29、36

前投薬

PDX投与開始10日以上前から…
葉酸 (フォリアミン®):連日経口投与、 投与終了30日後まで継続.
ビタミンB12 (メチコバール®):8~10週ごと筋注、 PDX投与中は継続.

その他

1コースは7週間.
ロイコボリンⓇ療法による口内炎予防は概要欄を参照.
用量制限毒性:粘膜炎、 血小板減少、 好中球減少.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ムンディファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

PROPEL試験¹⁾、 PDX-JP1試験²⁾より引用

骨髄抑制¹⁾

  • 血小板減少症・血小板数減少 (39.6%、 ≧Grade3 31.5%)
  • 貧血・ヘモグロビン減少 (32.4%、 ≧Grade3 15.3%)
  • 好中球減少症・好中球数減少 (24.3%、 ≧Grade3 21.6%)
  • 白血球減少症・白血球数減少 (10.8%、 ≧Grade3 7.2%)
  • 汎血球減少症 (8.0%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (3.6%、 ≧Grade3 3.6%)
  • リンパ球数減少症 (0.9%、 ≧Grade3 1.8%)

主な有害事象¹⁾

  • 口内炎 (66.7%、 ≧Grade3 19.8%)
  • 感染症 (35.1%、 ≧Grade3 9.9%)
  • 悪心 (33.3%、 ≧Grade3 0%)
  • 疲労 (29.7%、 ≧Grade3 5.4%)
  • 鼻出血 (23.4%、 ≧Grade3 0%)
  • 便秘 (20.7%、 ≧Grade3 0%)
  • 嘔吐 (20.7%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 発熱 (18.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 末梢性浮腫 (18.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (17.1%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 発疹 (10.8%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象¹⁾

  • 腫瘍崩壊症候群 (0.9%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 間質性肺炎 (0.9%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象²⁾

  • 脱毛症 (8.0%、 ≧Grade3 0%)
  • ニューモシスチス肺炎 (8%、 ≧Grade3 8%)

特徴と注意点

  • プララトレキサート (PDX) は葉酸代謝拮抗剤.
  • PTCLを適応症として承認された最初の薬剤 (FDA:2009年承認).
  • ニューモシスチス肺炎の予防として、 ST合剤の投与を推奨.
  • 一旦投与量を減量した場合、 再増量はしない.
  • 腎機能低下患者では、 減量を考慮.
  • 口内炎が最も特徴的な有害事象であり、 骨髄抑制と共に用量制限毒性.

ロイコボリンⓇ療法

  • ロイコボリンⓇ (ホリナートカルシウム) 錠の内服による口内炎の予防方法.
  • ロイコボリンⓇは1錠 5mg.
  • PDXの投与後24時間後よりロイコボリンⓇ1回25mg (5錠) を8時間毎に6回内服する.
  • PDXの2週目以降は、 前回投与時に口内炎が出現しなかった場合は1回15mgに減量する. 前回投与時に口内炎が出現した場合は1回25mg内服する.
  • PDXの投与前の最低72時間はロイコボリンⓇを内服しない.

その他の口内炎の予防方法

  • クライオセラピー
  • アズレンスルホン酸Na含有うがい
  • マウスケアによる口腔内の清潔

投与可能条件

休薬・減量・中止基準

関連する臨床試験の結果

PROPEL試験¹⁾

概要

  • 対象:再発または難治性PTCL111例
  • プララトレキサートのシングルアーム試験
  • 主要評価項目:全奏効率
  • CHOP療法による治療歴:参加患者の70%

結果

  • 全奏効率:29%
  • 奏効持続期間中央値:10.1ヵ月
  • 無増悪生存期間中央値:3.5ヵ月
  • 全生存期間中央値:14.5ヵ月

PDX-JP1試験²⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性PTCLの日本人患者25例 (評価対象は20例)
  • 内訳:PTCL-NOS 11例、 AITL 9例、 ALK陰性ALCL 2例、 PTCL以外 2例
  • 主要評価項目:全奏効率

結果

  • 全奏効率:45%
  • 奏効持続期間中央値:未到達
  • 無増悪生存期間中央値:150日
  • 全生存期間中央値:未到達

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2011 Mar 20;29(9):1182-9.
  2. Cancer Sci. 2017 Oct;108(10):2061-2068.

最終更新:2022年8月19日
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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前投薬

PDX投与開始10日以上前から…
葉酸 (フォリアミン®):連日経口投与、 投与終了30日後まで継続.
ビタミンB12 (メチコバール®):8~10週ごと筋注、 PDX投与中は継続.

その他

1コースは7週間.
ロイコボリンⓇ療法による口内炎予防は概要欄を参照.
用量制限毒性:粘膜炎、 血小板減少、 好中球減少.

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主な有害事象

PROPEL試験¹⁾、 PDX-JP1試験²⁾より引用

骨髄抑制¹⁾

  • 血小板減少症・血小板数減少 (39.6%、 ≧Grade3 31.5%)
  • 貧血・ヘモグロビン減少 (32.4%、 ≧Grade3 15.3%)
  • 好中球減少症・好中球数減少 (24.3%、 ≧Grade3 21.6%)
  • 白血球減少症・白血球数減少 (10.8%、 ≧Grade3 7.2%)
  • 汎血球減少症 (8.0%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 発熱性好中球減少症 (3.6%、 ≧Grade3 3.6%)
  • リンパ球数減少症 (0.9%、 ≧Grade3 1.8%)

主な有害事象¹⁾

  • 口内炎 (66.7%、 ≧Grade3 19.8%)
  • 感染症 (35.1%、 ≧Grade3 9.9%)
  • 悪心 (33.3%、 ≧Grade3 0%)
  • 疲労 (29.7%、 ≧Grade3 5.4%)
  • 鼻出血 (23.4%、 ≧Grade3 0%)
  • 便秘 (20.7%、 ≧Grade3 0%)
  • 嘔吐 (20.7%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 発熱 (18.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 末梢性浮腫 (18.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (17.1%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 発疹 (10.8%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象¹⁾

  • 腫瘍崩壊症候群 (0.9%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 間質性肺炎 (0.9%、 ≧Grade3 0%)

その他重要な有害事象²⁾

  • 脱毛症 (8.0%、 ≧Grade3 0%)
  • ニューモシスチス肺炎 (8%、 ≧Grade3 8%)

特徴と注意点

  • プララトレキサート (PDX) は葉酸代謝拮抗剤.
  • PTCLを適応症として承認された最初の薬剤 (FDA:2009年承認).
  • ニューモシスチス肺炎の予防として、 ST合剤の投与を推奨.
  • 一旦投与量を減量した場合、 再増量はしない.
  • 腎機能低下患者では、 減量を考慮.
  • 口内炎が最も特徴的な有害事象であり、 骨髄抑制と共に用量制限毒性.

ロイコボリンⓇ療法

  • ロイコボリンⓇ (ホリナートカルシウム) 錠の内服による口内炎の予防方法.
  • ロイコボリンⓇは1錠 5mg.
  • PDXの投与後24時間後よりロイコボリンⓇ1回25mg (5錠) を8時間毎に6回内服する.
  • PDXの2週目以降は、 前回投与時に口内炎が出現しなかった場合は1回15mgに減量する. 前回投与時に口内炎が出現した場合は1回25mg内服する.
  • PDXの投与前の最低72時間はロイコボリンⓇを内服しない.

その他の口内炎の予防方法

  • クライオセラピー
  • アズレンスルホン酸Na含有うがい
  • マウスケアによる口腔内の清潔

投与可能条件

休薬・減量・中止基準

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概要

  • 対象:再発または難治性PTCL111例
  • プララトレキサートのシングルアーム試験
  • 主要評価項目:全奏効率
  • CHOP療法による治療歴:参加患者の70%

結果

  • 全奏効率:29%
  • 奏効持続期間中央値:10.1ヵ月
  • 無増悪生存期間中央値:3.5ヵ月
  • 全生存期間中央値:14.5ヵ月

PDX-JP1試験²⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性PTCLの日本人患者25例 (評価対象は20例)
  • 内訳:PTCL-NOS 11例、 AITL 9例、 ALK陰性ALCL 2例、 PTCL以外 2例
  • 主要評価項目:全奏効率

結果

  • 全奏効率:45%
  • 奏効持続期間中央値:未到達
  • 無増悪生存期間中央値:150日
  • 全生存期間中央値:未到達

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2011 Mar 20;29(9):1182-9.
  2. Cancer Sci. 2017 Oct;108(10):2061-2068.

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