治療スケジュール
概要
監修医師

INO:イノツズマブ・オゾガマイシン(べスポンサ®)

投与量コース投与日
0.5mg/m² (非寛解例のDay1のみ0.8mg/m²)3~6Day 1、8、15

前投薬

解熱鎮痛薬
副腎皮質ステロイド
抗ヒスタミン薬

その他

1サイクル目は21日間 (寛解が得られた場合は28日まで延長可能).
2サイクル目以降は1サイクル28日間.
HSCT予定患者:最大3サイクルまで (最小回数に抑える).
非HSCT患者:3サイクル目で評価、 有効なら6サイクル目まで許容.
HSCT:Hematopoietic stem cell transplantation 造血幹細胞移植.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ファイザー株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

INO-VATE試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22.6%)
  • 白血球減少症 (≧Grade3 26.8%)
  • リンパ球減少症 (≧Grade3 16.5%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 47.0%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 40.9%)

主な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (26.8%)
  • 出血 (33.5%、 ≧Grade3 6.1%)
  • 腹痛 (12.8%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 便秘 (17.1%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (18.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 悪心 (32.3%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 疲労 (25.6%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 低カリウム血症 (15.2%、 ≧Grade3 6.7%)
  • 咳嗽 (13.4%、 ≧Grade3 0%)

その他の重要な有害事象

  • Infusion reaction (32.3%、 ≧Grade3 0.6%) ※ステロイド+解熱鎮痛薬+抗ヒスタミン薬の予防投与あり
  • 静脈閉塞性肝疾患 (VOD) / 類洞閉塞症候群 (SOS) (14.0%、 ≧Grade3 11.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (2.4%、 ≧Grade3 1.8%)

特徴と注意点

特徴

  • イノツズマブオゾガマイシン (INO) は遺伝子組換えヒト化抗CD22モノクローナル抗体に、 カリケアマイシンを共有結合させた抗体薬物複合体.
  • 再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病に保険適用.

有害事象と対策

  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.
  • Infusion reactionが発生する可能性あり. 特に初回投与の際に十分注意する.

感染症予防

  • ST合剤 1日1錠や、 アシクロビル 1日1回200mgの予防内服を考慮.
  • G-CSFの投与を考慮.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

VOD・SOS²⁾

  • 静脈閉塞性肝疾患 (veno-occlusive liver disease : VOD) 又は類洞閉塞症候群 (sinusoidal obstruction syndrome:SOS).
  • 薬剤や放射線などの類洞内皮細胞の障害を契機に、 体重増加、 腹水貯留、 有痛性肝腫大、 黄疸などの臨床症状が出現し、 重症例においては多臓器不全へと進展する疾患.
  • INOの投与は最小コース数に留め、 肝酵素やビリルビン値に注意.
  • 予防:ウルソデオキシコール酸
  • 治療:デフィブロチドナトリウムメチルプレドニゾロン遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤など.

関連する臨床試験の結果

INO-VATE試験¹⁾ 

概要

  • 再発又は難治性のALLにおける, INOと標準化学療法 (FLAG、 MIT/AraC、 HDAC) の比較試験.

結果

  • 血液学的完全寛解率:INO群 80.7% vs 標準化学療法群 29.4% (p<0.001).
  • 全生存期間中央値:INO群 7.7ヵ月 vs 標準化学療法群 6.2ヵ月 (HR 0.75、 95%Cl 0.57-0.99、 p=0.0105)
Cancer. 2019 Jul 15;125(14):2474-2487.より引用

参考文献

  1. Cancer. 2019 Jul 15;125(14):2474-2487.
  2. 造血細胞移植ガイドライン 2017.

終更新:2022年8月23日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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INO:イノツズマブ・オゾガマイシン(べスポンサ®)

投与量コース投与日
0.5mg/m² (非寛解例のDay1のみ0.8mg/m²)3~6Day 1、8、15

前投薬

解熱鎮痛薬
副腎皮質ステロイド
抗ヒスタミン薬

その他

1サイクル目は21日間 (寛解が得られた場合は28日まで延長可能).
2サイクル目以降は1サイクル28日間.
HSCT予定患者:最大3サイクルまで (最小回数に抑える).
非HSCT患者:3サイクル目で評価、 有効なら6サイクル目まで許容.
HSCT:Hematopoietic stem cell transplantation 造血幹細胞移植.

概要

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主な有害事象

INO-VATE試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22.6%)
  • 白血球減少症 (≧Grade3 26.8%)
  • リンパ球減少症 (≧Grade3 16.5%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 47.0%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 40.9%)

主な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (26.8%)
  • 出血 (33.5%、 ≧Grade3 6.1%)
  • 腹痛 (12.8%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 便秘 (17.1%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (18.3%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 悪心 (32.3%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 疲労 (25.6%、 ≧Grade3 2.4%)
  • 低カリウム血症 (15.2%、 ≧Grade3 6.7%)
  • 咳嗽 (13.4%、 ≧Grade3 0%)

その他の重要な有害事象

  • Infusion reaction (32.3%、 ≧Grade3 0.6%) ※ステロイド+解熱鎮痛薬+抗ヒスタミン薬の予防投与あり
  • 静脈閉塞性肝疾患 (VOD) / 類洞閉塞症候群 (SOS) (14.0%、 ≧Grade3 11.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (2.4%、 ≧Grade3 1.8%)

特徴と注意点

特徴

  • イノツズマブオゾガマイシン (INO) は遺伝子組換えヒト化抗CD22モノクローナル抗体に、 カリケアマイシンを共有結合させた抗体薬物複合体.
  • 再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病に保険適用.

有害事象と対策

  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.
  • Infusion reactionが発生する可能性あり. 特に初回投与の際に十分注意する.

感染症予防

  • ST合剤 1日1錠や、 アシクロビル 1日1回200mgの予防内服を考慮.
  • G-CSFの投与を考慮.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

VOD・SOS²⁾

  • 静脈閉塞性肝疾患 (veno-occlusive liver disease : VOD) 又は類洞閉塞症候群 (sinusoidal obstruction syndrome:SOS).
  • 薬剤や放射線などの類洞内皮細胞の障害を契機に、 体重増加、 腹水貯留、 有痛性肝腫大、 黄疸などの臨床症状が出現し、 重症例においては多臓器不全へと進展する疾患.
  • INOの投与は最小コース数に留め、 肝酵素やビリルビン値に注意.
  • 予防:ウルソデオキシコール酸
  • 治療:デフィブロチドナトリウムメチルプレドニゾロン遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤など.

関連する臨床試験の結果

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概要

  • 再発又は難治性のALLにおける, INOと標準化学療法 (FLAG、 MIT/AraC、 HDAC) の比較試験.

結果

  • 血液学的完全寛解率:INO群 80.7% vs 標準化学療法群 29.4% (p<0.001).
  • 全生存期間中央値:INO群 7.7ヵ月 vs 標準化学療法群 6.2ヵ月 (HR 0.75、 95%Cl 0.57-0.99、 p=0.0105)
Cancer. 2019 Jul 15;125(14):2474-2487.より引用

参考文献

  1. Cancer. 2019 Jul 15;125(14):2474-2487.
  2. 造血細胞移植ガイドライン 2017.

終更新:2022年8月23日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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