治療スケジュール
概要
監修医師

Ibrutinib:イブルチニブ(イムブルビカ®)

投与量コース投与日
420mg 経口1~Day 1~

その他

慢性リンパ性白血病に対して420mgを1日1回経口投与.
再発又は難治性マントル細胞リンパ腫に対して560mgを1日1回経口投与.
造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病 (ステロイド剤の投与で効果不十分な場合) に対して420mgを1日1回経口投与.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

RESONATE試験¹⁾、 RESONATE-2試験²⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 4.6%¹⁾、 ≧Grade3 5.9%²⁾)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 16.4%¹⁾、 ≧Grade3 10.4%²⁾)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 5.6%¹⁾、 ≧Grade3 2.2%²⁾)

主な有害事象

  • 出血 (43.6%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 47.4%、 ≧Grade3 3.7%²⁾)
  • 感染症 (70.3%、 ≧Grade3 24.1%¹⁾、 64.4%、 ≧Grade3 18.5%²⁾)
  • 眼障害 (36.4%、 ≧Grade3 0.0%¹⁾、 54.8%、 ≧Grade3 4.4%²⁾)

その他重要な有害事象

  • 不整脈 (9.2%、 ≧Grade3 4.1%¹⁾、 14.8%、 ≧Grade3 3.0%²⁾)
  • 過敏症 (4.6%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 4.4%、 ≧Grade3 0.7%²⁾)
  • 肝障害 (5.1%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 5.9%、 ≧Grade3 3.0%²⁾)
  • 間質性肺疾患 (1.5%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 0.7%、 ≧Grade3 0.7%²⁾)
  • 二次性悪性腫瘍 (7.7%、 ≧Grade3 2.6%¹⁾、 17.0%、 ≧Grade3 5.2%²⁾)

特徴と注意点

適応

  • イブルチニブは慢性リンパ性白血病又は小リンパ球性リンパ腫 (CLL/SLL)再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫、 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病 (ステロイド剤の投与で効果不十分な場合) に保険適用.
  • CLL/SLLには420mgを1日1回、 マントル細胞リンパ腫には560mgを1日1回、 慢性移植片対宿主病には420mgを1日1回内服.

特徴

  • 出血性事象の発現が報告されているため、 以下の因子を有する患者に投与する際はPT-INR、 APTT、 血小板凝集能、 第Ⅷ凝固因子、 von Willebrand因子活性を確認の上慎重に投与. 
  • CYP3A4で代謝されるためCYP3A阻害作用のない薬剤への変更もしくは140mgに減量を考慮. 
  • イブルチニブ投与中に腫瘍性リンパ球数の増加が高頻度で認められる. 一過性のリンパ球増加は病勢進行の徴候ではないため患者の状態を十分に把握する. 

出血の高リスク因子

  • 抗凝固薬または抗血小板薬の併用
  • 周術期患者
  • 年齢65歳以上
  • 脂質異常症の既往
  • 精神神経疾患の既往
  • 大きな事故やけがの既往
  • リンパ球数の増加 (100×10³/µL以上)
  • 血小板数の減少 (100×10³/µL以下)
  • 出血の既往
  • 軽度の肝機能障害
  • CYP3A阻害薬の併用

関連する臨床試験の結果

Ibrutininb:IBR Ofatumumab:OFA Chloramubucil:CLB Rituximab:RIT Bendamustin:BEN

RESONATE試験¹⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性のCLL/SLL.
  • イブルチニブと抗CD20抗体オファツムマブを比較する多施設共同第3相試験. 
Ibrutininb:IBR Ofatumumab:OFA

結果

  • 無増悪生存期間中央値:IBR群 未到達 vs OFA群 8.1ヵ月 (HR 0.22、 95%CI 0.15-0.32、 p<0.001). 
N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.より引用
  • 1年生存率:IBR 90% vs OFA群 81% (HR 0.43、 95%CI 0.24-0.79、 p=0.005). 
N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.より引用
  • 全奏効率:IBR群 42.6% vs OFA群 4.1% (p<0.001). 

RESONATE-2試験²⁾

概要

  • 対象:未治療高齢のCLL/SLL.
  • イブルチニブとクロラムブシルを比較する国際共同第3相試験. 
Ibrutininb:IBR Chloramubucil:CLB

結果

  • 無増悪生存期間中央値:IBR群 未到達 vs CLB群 18.9ヵ月 (HR 0.16、 95%CI 0.09-0.28、 p<0.001). 
N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.より引用
  • 2年生存率:IBR群 98% vs CLB群 84% (HR 0.16、 95%CI 0.05-0.56、 p=0.001). 
N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.より引用

ALLIANCE A041202試験³⁾

概要

  • 対象:65歳以上の未治療CLL.
  • イブルチニブ、 イブルチニブ+リツキシマブ、 ベンダムスチン+リツキシマブを比較する第3相ランダム化比較試験.
Ibrutininb:IBR Rituximab:RIT Bendamustin:BEN
※BR:BEN+RIT

結果 (IBR vs BRのみ記載)

  • 2年無増悪生存率: IBR群 87% vs BR群 74% (HR 0.39、 95%CI 0.26-0.58、 p<0.001).
  • IBRへのRITの上乗せ効果は証明されず.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.
  2. N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.
  3. N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2517-2528.
最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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投与量コース投与日
420mg 経口1~Day 1~

その他

慢性リンパ性白血病に対して420mgを1日1回経口投与.
再発又は難治性マントル細胞リンパ腫に対して560mgを1日1回経口投与.
造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病 (ステロイド剤の投与で効果不十分な場合) に対して420mgを1日1回経口投与.

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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

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主な有害事象

RESONATE試験¹⁾、 RESONATE-2試験²⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 4.6%¹⁾、 ≧Grade3 5.9%²⁾)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 16.4%¹⁾、 ≧Grade3 10.4%²⁾)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 5.6%¹⁾、 ≧Grade3 2.2%²⁾)

主な有害事象

  • 出血 (43.6%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 47.4%、 ≧Grade3 3.7%²⁾)
  • 感染症 (70.3%、 ≧Grade3 24.1%¹⁾、 64.4%、 ≧Grade3 18.5%²⁾)
  • 眼障害 (36.4%、 ≧Grade3 0.0%¹⁾、 54.8%、 ≧Grade3 4.4%²⁾)

その他重要な有害事象

  • 不整脈 (9.2%、 ≧Grade3 4.1%¹⁾、 14.8%、 ≧Grade3 3.0%²⁾)
  • 過敏症 (4.6%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 4.4%、 ≧Grade3 0.7%²⁾)
  • 肝障害 (5.1%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 5.9%、 ≧Grade3 3.0%²⁾)
  • 間質性肺疾患 (1.5%、 ≧Grade3 0.5%¹⁾、 0.7%、 ≧Grade3 0.7%²⁾)
  • 二次性悪性腫瘍 (7.7%、 ≧Grade3 2.6%¹⁾、 17.0%、 ≧Grade3 5.2%²⁾)

特徴と注意点

適応

  • イブルチニブは慢性リンパ性白血病又は小リンパ球性リンパ腫 (CLL/SLL)再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫、 造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病 (ステロイド剤の投与で効果不十分な場合) に保険適用.
  • CLL/SLLには420mgを1日1回、 マントル細胞リンパ腫には560mgを1日1回、 慢性移植片対宿主病には420mgを1日1回内服.

特徴

  • 出血性事象の発現が報告されているため、 以下の因子を有する患者に投与する際はPT-INR、 APTT、 血小板凝集能、 第Ⅷ凝固因子、 von Willebrand因子活性を確認の上慎重に投与. 
  • CYP3A4で代謝されるためCYP3A阻害作用のない薬剤への変更もしくは140mgに減量を考慮. 
  • イブルチニブ投与中に腫瘍性リンパ球数の増加が高頻度で認められる. 一過性のリンパ球増加は病勢進行の徴候ではないため患者の状態を十分に把握する. 

出血の高リスク因子

  • 抗凝固薬または抗血小板薬の併用
  • 周術期患者
  • 年齢65歳以上
  • 脂質異常症の既往
  • 精神神経疾患の既往
  • 大きな事故やけがの既往
  • リンパ球数の増加 (100×10³/µL以上)
  • 血小板数の減少 (100×10³/µL以下)
  • 出血の既往
  • 軽度の肝機能障害
  • CYP3A阻害薬の併用

関連する臨床試験の結果

Ibrutininb:IBR Ofatumumab:OFA Chloramubucil:CLB Rituximab:RIT Bendamustin:BEN

RESONATE試験¹⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性のCLL/SLL.
  • イブルチニブと抗CD20抗体オファツムマブを比較する多施設共同第3相試験. 
Ibrutininb:IBR Ofatumumab:OFA

結果

  • 無増悪生存期間中央値:IBR群 未到達 vs OFA群 8.1ヵ月 (HR 0.22、 95%CI 0.15-0.32、 p<0.001). 
N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.より引用
  • 1年生存率:IBR 90% vs OFA群 81% (HR 0.43、 95%CI 0.24-0.79、 p=0.005). 
N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.より引用
  • 全奏効率:IBR群 42.6% vs OFA群 4.1% (p<0.001). 

RESONATE-2試験²⁾

概要

  • 対象:未治療高齢のCLL/SLL.
  • イブルチニブとクロラムブシルを比較する国際共同第3相試験. 
Ibrutininb:IBR Chloramubucil:CLB

結果

  • 無増悪生存期間中央値:IBR群 未到達 vs CLB群 18.9ヵ月 (HR 0.16、 95%CI 0.09-0.28、 p<0.001). 
N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.より引用
  • 2年生存率:IBR群 98% vs CLB群 84% (HR 0.16、 95%CI 0.05-0.56、 p=0.001). 
N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.より引用

ALLIANCE A041202試験³⁾

概要

  • 対象:65歳以上の未治療CLL.
  • イブルチニブ、 イブルチニブ+リツキシマブ、 ベンダムスチン+リツキシマブを比較する第3相ランダム化比較試験.
Ibrutininb:IBR Rituximab:RIT Bendamustin:BEN
※BR:BEN+RIT

結果 (IBR vs BRのみ記載)

  • 2年無増悪生存率: IBR群 87% vs BR群 74% (HR 0.39、 95%CI 0.26-0.58、 p<0.001).
  • IBRへのRITの上乗せ効果は証明されず.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2014 Jul 17;371(3):213-23.
  2. N Engl J Med. 2015 Dec 17;373(25):2425-37.
  3. N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2517-2528.
最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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