アカラブルチニブ (カルケンス®)
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
100mg 1日2回 経口 | 1~ | Day 1~ |
【1コース】連日内服投与
【催吐性】最小度
【FN発症】低リスク*
通常、 成人にはアカラブルチニブ錠として1回100mgを1日2回経口投与
Lancet. 2018;391(10121):659-667.
1~5レジメンの前治療後に再発または難治性となったMCL患者124例を対象とした、 単群・多施設共同・非盲検の第II相試験。 アカラブルチニブ100mgを1日2回経口投与し、 主要評価項目にはLugano分類に基づく全奏効率が設定された。
【有効性】
- 全奏効率 : 81%
- 完全奏効率 : 40%
- 奏効期間中央値 : 未到達
- PFS中央値 : 未到達
- OS中央値 : 未到達
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 頭痛 38% (2%)
- 下痢 31% (3%)
- 疲労 27% (1%)
- 筋肉痛 21% (1%)
- 咳嗽 19% (0%)
- 悪心 18% (1%)
- 発熱 15% (0%)
- 貧血 12% (9%)
- 好中球減少症 10% (10%)
- 肺炎 6% (5%)
ACE-LY-004試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 好中球数≧750/μL (骨髄浸潤例は≧500/μL)
- 血小板数≧5万/μL (骨髄浸潤例は≧3万/μL)
- 腎機能 : クレアチニン≦2.5xULN
尿中未変化体の排泄率は1%未満であり、 腎障害患者における用量調整は不要と考えられる。
以下の有害事象発現時は休薬し、 再開基準到達後に同量で再開する。 ただし、 同様の事象が3回発現した場合は100mgを1日1回に減量し、 4回目で投与を中止する。
🧑⚕️カルケンス®は剤形ごとに適応が異なり、 カプセルは慢性リンパ性白血病のみ、 錠剤は慢性リンパ性白血病とMCLに適応となっているため注意が必要です。
アカラブルチニブは、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) を選択的に阻害する低分子化合物であり、 BTKの活性部位に存在するシステイン残基 (Cys481) と共有結合することで、 その酵素活性を不可逆的に阻害する。
アカラブルチニブ単剤療法は、 再発または難治性MCLに対して適用される。 一方、 アカラブルチニブをベンダムスチン+リツキシマブ (BR) 療法に併用するレジメンは、 未治療例を対象として適用される。
再発または難治性MCL患者への投与は、 他治療の実施も慎重に検討する。
アカラブルチニブはCYP3A4に対する感度の高い基質薬であり、 中程度または強いCYP3A4阻害薬との併用により血中濃度が上昇し、 副作用が増強するおそれがある。 そのため、 これらの薬剤との併用は可能な限り避け、 代替薬への変更を検討する。 やむを得ず併用する場合には、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用の発現に十分注意する。
出血 : 頭蓋内や消化管などで重篤な出血、 死亡例も報告されている。 抗凝固薬・抗血小板薬との併用は出血リスクを高めるため慎重に観察する。 手術・侵襲的処置の前後は少なくとも3日間の休薬を考慮。
骨髄抑制・感染症 : 貧血、 好中球・白血球・血小板減少、 肺炎、 日和見感染症、 B型肝炎ウイルス再活性化などが報告され、 死亡例もある。 血球減少の早期発見には定期的な血液検査を行い、 投与前には肝炎ウイルス等の感染有無を確認する。 リスクの高い患者には予防的処置を考慮し、 投与中は感染徴候に十分注意する。 B型肝炎ウイルスキャリアや既往感染者には、 肝機能とウイルスマーカーの定期的モニタリングを実施。
心毒性 : 心房細動・心房粗動などの重篤な不整脈や、 急性冠症候群を含む虚血性心疾患が報告されている。 早期発見のため、 投与後は定期的に心機能検査を実施。
腫瘍崩壊症候群 : 血清電解質や腎機能を定期的に確認し、 異常時は投与中止の上、 生理食塩液や高尿酸血症治療薬などで適切に対応。
間質性肺疾患 : 呼吸器症状や胸部X線所見をモニタリングし、 異常時は速やかに胸部CTを実施する。 必要に応じて専門医と連携し、 投与を中止の上、 ステロイド投与など適切に対応。
二次性悪性腫瘍 : 皮膚および皮膚以外に二次性悪性腫瘍が報告されている。 皮膚有棘細胞癌や基底細胞癌などの発現に留意し、 皮膚の状態を適宜観察。
- 出血
- 感染症
- 骨髄抑制
- 不整脈
- 虚血性心疾患
- 腫瘍崩壊症候群
- 間質性肺疾患
最終更新 : 2025年8月27日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
投与量 | コース | 投与日 |
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100mg 1日2回 経口 | 1~ | Day 1~ |
【1コース】連日内服投与
【催吐性】最小度
【FN発症】低リスク*
通常、 成人にはアカラブルチニブ錠として1回100mgを1日2回経口投与
Lancet. 2018;391(10121):659-667.
1~5レジメンの前治療後に再発または難治性となったMCL患者124例を対象とした、 単群・多施設共同・非盲検の第II相試験。 アカラブルチニブ100mgを1日2回経口投与し、 主要評価項目にはLugano分類に基づく全奏効率が設定された。
【有効性】
- 全奏効率 : 81%
- 完全奏効率 : 40%
- 奏効期間中央値 : 未到達
- PFS中央値 : 未到達
- OS中央値 : 未到達
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 頭痛 38% (2%)
- 下痢 31% (3%)
- 疲労 27% (1%)
- 筋肉痛 21% (1%)
- 咳嗽 19% (0%)
- 悪心 18% (1%)
- 発熱 15% (0%)
- 貧血 12% (9%)
- 好中球減少症 10% (10%)
- 肺炎 6% (5%)
ACE-LY-004試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 好中球数≧750/μL (骨髄浸潤例は≧500/μL)
- 血小板数≧5万/μL (骨髄浸潤例は≧3万/μL)
- 腎機能 : クレアチニン≦2.5xULN
尿中未変化体の排泄率は1%未満であり、 腎障害患者における用量調整は不要と考えられる。
以下の有害事象発現時は休薬し、 再開基準到達後に同量で再開する。 ただし、 同様の事象が3回発現した場合は100mgを1日1回に減量し、 4回目で投与を中止する。
🧑⚕️カルケンス®は剤形ごとに適応が異なり、 カプセルは慢性リンパ性白血病のみ、 錠剤は慢性リンパ性白血病とMCLに適応となっているため注意が必要です。
アカラブルチニブは、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) を選択的に阻害する低分子化合物であり、 BTKの活性部位に存在するシステイン残基 (Cys481) と共有結合することで、 その酵素活性を不可逆的に阻害する。
アカラブルチニブ単剤療法は、 再発または難治性MCLに対して適用される。 一方、 アカラブルチニブをベンダムスチン+リツキシマブ (BR) 療法に併用するレジメンは、 未治療例を対象として適用される。
再発または難治性MCL患者への投与は、 他治療の実施も慎重に検討する。
アカラブルチニブはCYP3A4に対する感度の高い基質薬であり、 中程度または強いCYP3A4阻害薬との併用により血中濃度が上昇し、 副作用が増強するおそれがある。 そのため、 これらの薬剤との併用は可能な限り避け、 代替薬への変更を検討する。 やむを得ず併用する場合には、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用の発現に十分注意する。
出血 : 頭蓋内や消化管などで重篤な出血、 死亡例も報告されている。 抗凝固薬・抗血小板薬との併用は出血リスクを高めるため慎重に観察する。 手術・侵襲的処置の前後は少なくとも3日間の休薬を考慮。
骨髄抑制・感染症 : 貧血、 好中球・白血球・血小板減少、 肺炎、 日和見感染症、 B型肝炎ウイルス再活性化などが報告され、 死亡例もある。 血球減少の早期発見には定期的な血液検査を行い、 投与前には肝炎ウイルス等の感染有無を確認する。 リスクの高い患者には予防的処置を考慮し、 投与中は感染徴候に十分注意する。 B型肝炎ウイルスキャリアや既往感染者には、 肝機能とウイルスマーカーの定期的モニタリングを実施。
心毒性 : 心房細動・心房粗動などの重篤な不整脈や、 急性冠症候群を含む虚血性心疾患が報告されている。 早期発見のため、 投与後は定期的に心機能検査を実施。
腫瘍崩壊症候群 : 血清電解質や腎機能を定期的に確認し、 異常時は投与中止の上、 生理食塩液や高尿酸血症治療薬などで適切に対応。
間質性肺疾患 : 呼吸器症状や胸部X線所見をモニタリングし、 異常時は速やかに胸部CTを実施する。 必要に応じて専門医と連携し、 投与を中止の上、 ステロイド投与など適切に対応。
二次性悪性腫瘍 : 皮膚および皮膚以外に二次性悪性腫瘍が報告されている。 皮膚有棘細胞癌や基底細胞癌などの発現に留意し、 皮膚の状態を適宜観察。
- 出血
- 感染症
- 骨髄抑制
- 不整脈
- 虚血性心疾患
- 腫瘍崩壊症候群
- 間質性肺疾患
最終更新 : 2025年8月27日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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