McIntyreらは、 入院患者を対象に、 乳酸リンゲル液が生理食塩水と比較して臨床的に優れているかを、 クロスオーバー試験で検討した。 その結果、 乳酸リンゲル液の使用は、90日以内の死亡または再入院率を有意に低下させないことが明らかになった。 本研究はNEJM誌において発表された。
サブグループ解析において、 >80歳では乳酸リンゲル液群が生理食塩水群に比べて有意に入院後 90日以内の死亡と再入院の複合の発生率が減少しています。
日常的な静脈内輸液投与において、 乳酸リンゲル液が生理食塩水より臨床的に優れているかどうかは不明である。
非盲検2期間2順序横断的クラスター無作為化クロスオーバー試験 (FLUI) では、 カナダ・オンタリオ州の7病院において、 病院単位で12週間、 乳酸リンゲル液または生理食塩水を全院的に使用し、 4週間のウォッシュアウト後、 もう一方の輸液を12週間使用した。 主要評価項目は、 入院時から90日以内の死亡または再入院の複合であった。 副次評価項目は、 主要評価項目の構成要素 (死亡、 再入院)、 入院期間、 入院後90日以内の透析導入、 入院後90日以内の救急受診、 自宅以外への退院であった。
主要評価項目の解析対象は、 4万3,626例であった。入院後 90 日以内の死亡と再入院の複合の発生率の平均 (±SD) は以下の通りで、 両群で有意差は認められなかった。
調整後差 : -0.53%㌽ (95%CI -1.85~0.79%㌽、 p=0.35)
副次評価項目は、 すべて主要評価項目と同様に両群で有意差を認めなかった。 また、 重篤な有害事象は報告されなかった。
著者らは、 「病院全体で生理食塩水ではなく乳酸リンゲル液を投与する方針を採用しても、 入院後90日以内の死亡または再入院の発生率が有意に低下することはなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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