治療スケジュール
概要
監修医師

Nilotinib:ニロチニブ(タシグナ®)

投与量コース投与日
300mg or 400mg 1日2回 経口1~Day 1~

その他

内服は12時間毎を目安に、 食事の前1時間と食後2時間を避けて服用する.
他の抗悪性腫瘍剤との併用による安全性、 有効性は確率していない.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ノバルティス ファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

N Engl J Med. 2010 Jun 17;362(24);2251-9.¹⁾, Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.²⁾より引用.

骨髄抑制

初発のCML (600mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 12%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 10%)
  • 貧血 (≧Grade3 3%)

Imatinib耐性または不耐容のCML (800mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 31%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 30%)
  • 貧血 (≧Grade3 11%)

主な有害事象

初発のCML (600mg/day)

  • 総ビリルビン上昇 (53%, ≧Grade3 4%)
  • 血糖上昇 (32%, ≧Grade3 5%)
  • リパーゼ上昇 (24%, ≧Grade3 6%)
  • アミラーゼ上昇 (15%, ≧Grade3 <1%)
  • 発疹 (31%, ≧Grade3 <1%)
  • 掻痒感 (15%, ≧Grade3 <1%)
  • 頭痛 (14%, ≧Grade3 1%)
  • 疲労 (11%, ≧Grade3 0%)
  • 嘔気 (11%, ≧Grade3 <1%)

Imatinib耐性または不耐容のCML (800mg/day)

  • 総ビリルビン上昇 (72%, ≧Grade3 7%)
  • 血糖上昇 (70%, ≧Grade3 12%)
  • リパーゼ上昇 (47%, ≧Grade3 18%)
  • 発疹 (31%, ≧Grade3 2%)
  • 掻痒感 (26%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (25%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔吐 (13%, ≧Grade3 <1%)
  • 疲労 (20%, ≧Grade3 1%)
  • 頭痛 (18%, ≧Grade3 2%)
  • 下痢 (12%, ≧Grade3 2%)
  • 便秘 (13%, ≧Grade3 <1%)

その他の重要な有害事象

  • 膵炎 (2.1%, Grade3 0.5%)
  • 体液貯留 (0.9%, Grade3 0.2%)
  • 間質性肺炎 (0.2%, Grade3 0.2%)
  • 心血管障害 (頻度不明)

特徴と注意点

  • 第2世代 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬である.
  • ABLに対する強い親和性を持ち, Imatinibと比較して10~50倍のBCR-ABL陽性細胞に対する増殖抑制能を持つとされる.
  • 主な代謝酵素はCYP3A4であり, 一部CYP2C8も寄与すると考えられているため, 相互作用に注意して投与を行う.
  • 骨髄抑制, 膵炎, 肝機能障害などの出現時は, 下図に従い投与量の調整を行う.

関連する臨床試験の結果

初発のCMLに対する国際第Ⅲ相試験¹⁾

概要

  • 対象:フィラデルフィア染色体陽性の初発慢性期CML.
  • 国際第3相ランダム化非盲検試験.

結果

  • 主要エンドポイントは12ヵ月時点での分子遺伝学的寛解率.

Nilotinib:300mg群 44%, 400mg群 43%

Imatinib:22%

  • 12ヵ月時点でのCCyRはNilotinib 300mg群で80%.

※ CCyR:細胞遺伝学的完全奏効

  • 移行期または急性転化に進行するまでの期間はNilotinib群にて有意に延長.
  • Nilotinib群では有害事象として皮膚障害, 頭痛が多い.
N Engl J Med. 2010 Jun 17;362(24): 2251-9.より引用

Imatinib抵抗性CMLに対するNilotinibの有効性追跡調査²⁾

概要

  • 対象:Imatinib抵抗性または不耐後のCML.

結果

  • 主要評価項目はCyR達成割合.
  • 59%がMCyRを達成し, 44%がCCyRを達成した.
  • CCyRを達成した患者の84%で治療効果が維持された.
  • 24カ月後の全生存率は87%.
※CyR:細胞遺伝学的奏効 MCyR:細胞遺伝学的大奏効 CCyR:細胞遺伝学的完全奏効
Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.より引用

参考文献

  1. N Engl J Med. 2010 Jun 17;362(24): 2251-9.
  2. Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.

最終更新:2021年9月30日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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主な有害事象

N Engl J Med. 2010 Jun 17;362(24);2251-9.¹⁾, Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.²⁾より引用.

骨髄抑制

初発のCML (600mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 12%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 10%)
  • 貧血 (≧Grade3 3%)

Imatinib耐性または不耐容のCML (800mg/day)

  • 好中球減少 (≧Grade3 31%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 30%)
  • 貧血 (≧Grade3 11%)

主な有害事象

初発のCML (600mg/day)

  • 総ビリルビン上昇 (53%, ≧Grade3 4%)
  • 血糖上昇 (32%, ≧Grade3 5%)
  • リパーゼ上昇 (24%, ≧Grade3 6%)
  • アミラーゼ上昇 (15%, ≧Grade3 <1%)
  • 発疹 (31%, ≧Grade3 <1%)
  • 掻痒感 (15%, ≧Grade3 <1%)
  • 頭痛 (14%, ≧Grade3 1%)
  • 疲労 (11%, ≧Grade3 0%)
  • 嘔気 (11%, ≧Grade3 <1%)

Imatinib耐性または不耐容のCML (800mg/day)

  • 総ビリルビン上昇 (72%, ≧Grade3 7%)
  • 血糖上昇 (70%, ≧Grade3 12%)
  • リパーゼ上昇 (47%, ≧Grade3 18%)
  • 発疹 (31%, ≧Grade3 2%)
  • 掻痒感 (26%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (25%, ≧Grade3 <1%)
  • 嘔吐 (13%, ≧Grade3 <1%)
  • 疲労 (20%, ≧Grade3 1%)
  • 頭痛 (18%, ≧Grade3 2%)
  • 下痢 (12%, ≧Grade3 2%)
  • 便秘 (13%, ≧Grade3 <1%)

その他の重要な有害事象

  • 膵炎 (2.1%, Grade3 0.5%)
  • 体液貯留 (0.9%, Grade3 0.2%)
  • 間質性肺炎 (0.2%, Grade3 0.2%)
  • 心血管障害 (頻度不明)

特徴と注意点

  • 第2世代 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬である.
  • ABLに対する強い親和性を持ち, Imatinibと比較して10~50倍のBCR-ABL陽性細胞に対する増殖抑制能を持つとされる.
  • 主な代謝酵素はCYP3A4であり, 一部CYP2C8も寄与すると考えられているため, 相互作用に注意して投与を行う.
  • 骨髄抑制, 膵炎, 肝機能障害などの出現時は, 下図に従い投与量の調整を行う.

関連する臨床試験の結果

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概要

  • 対象:フィラデルフィア染色体陽性の初発慢性期CML.
  • 国際第3相ランダム化非盲検試験.

結果

  • 主要エンドポイントは12ヵ月時点での分子遺伝学的寛解率.

Nilotinib:300mg群 44%, 400mg群 43%

Imatinib:22%

  • 12ヵ月時点でのCCyRはNilotinib 300mg群で80%.

※ CCyR:細胞遺伝学的完全奏効

  • 移行期または急性転化に進行するまでの期間はNilotinib群にて有意に延長.
  • Nilotinib群では有害事象として皮膚障害, 頭痛が多い.
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  • 対象:Imatinib抵抗性または不耐後のCML.

結果

  • 主要評価項目はCyR達成割合.
  • 59%がMCyRを達成し, 44%がCCyRを達成した.
  • CCyRを達成した患者の84%で治療効果が維持された.
  • 24カ月後の全生存率は87%.
※CyR:細胞遺伝学的奏効 MCyR:細胞遺伝学的大奏効 CCyR:細胞遺伝学的完全奏効
Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.より引用

参考文献

  1. N Engl J Med. 2010 Jun 17;362(24): 2251-9.
  2. Blood. 2011 Jan 27; 117(4): 1141-5.

最終更新:2021年9月30日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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