イサツキシマブ、 ボルテゾミブ、 レナリドミド、 デキサメタゾン
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
10mg/kg 点滴 | 導入 1 | Days1,8,15,22,29 |
10mg/kg 点滴 | 導入 2~4 | Day 1,15,29 |
10mg/kg 点滴 | 維持 5~17 | Day 1,15 |
10mg/kg 点滴 | 維持 18~ | Day 1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
1.3mg/m² 皮下注 | 導入 1~4 | Days 1,4,8,11,22,25,29,32 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
25mg/日 内服 | 導入 1~4 | Days 1~14, 22~35 |
25mg/日 内服 | 維持 5~ | Days 1~21 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
20mg/日 点滴・内服 | 導入 1~4 | Days 1,2,4,5,8,9,11,12,15,22,23,25,26,29,30,32,33 |
20mg/日 点滴・内服 | 維持 5~ | Day 1,8,15,22 |
IMROZ試験では、 最初の4サイクル (6週サイクル) を導入療法として強化し、 その後は4週サイクルでの維持療法に移行 |
IMROZ試験では、 最初の4サイクル (6週サイクル) を導入療法として強化し、 その後は4週サイクルでの維持療法に移行
6週間 (42日) を1サイクルとして計4サイクル
イサツキシマブ (Isatuximab : ISA)
ボルテゾミブ (Bortezomib : BOR/VEL)
レナリドミド (Lenalidomide : LEN)
デキサメタゾン (Dexamethasone : DEX)
※75歳以上の患者では投与日程を簡略化
4週間 (28日) を1サイクルとして、 増悪または中止理由が生じるまで継続。
イサツキシマブ (Isatuximab : ISA)
レナリドミド (Lenalidomide : LEN)
デキサメタゾン (Dexamethasone : DEX)
年齢や併存疾患による調整 : 試験では18~80歳・ECOG PS ≤2などを対象とし、 75歳以上にはステロイドを減量するなど、 一部投与スケジュールを調整。
抗菌薬予防投与 : 導入療法中は感染リスクが高まるため、 抗菌薬や抗ウイルス薬 (アシクロビル等) の併用が推奨された。
中止基準 : 病勢進行 (PD)、 重大な有害事象、 患者希望などにより試験治療を中止。
クロスオーバー : VRd単独群では、 疾患進行がみられた場合などにイサツキシマブ併用 (Isa-Rd) へ切り替えが許容された。
IMROZ試験¹⁾より引用
- 貧血 (98.9%、 ≧Grade3 17.5%)
- 好中球減少 (87.5%、 ≧Grade3 54.4%)
- 血小板減少 (95.4%、 ≧Grade3 30.0%)
- 肺炎 (30.0%、 ≧Grade3 20.2%)
- 気管支炎 (22.1%、 ≧Grade3 2.7%)
- 上気道感染 (34.2%、 ≧Grade3 0.8%)
- 下痢 (54.8%、 ≧Grade3 7.6%)
- IRR (23.6%、 ≧Grade3 0.4%)
- COVID-19 (29.7%、 ≧Grade3 8.7%)
- 末梢性感覚神経障害 (54.4%、 ≧Grade3 7.2%)
- 倦怠感 (34.6%、 ≧Grade3 8.0%)
- 背部痛 (22.1%、 ≧Grade3 3.4%)
- 不眠 (22.4%、 ≧Grade3 3.8%)
- 白内障 (38.0%、 ≧Grade3 15.6%)
- 二次性悪性腫瘍(固形) (8.4%、 ≧Grade3 5.3%)
- 二次性悪性腫瘍(血液) (1.1%、 ≧Grade3 0.4%)
抗CD38抗体により補体依存性細胞傷害 (CDC)、 抗体依存性細胞傷害 (ADCC) などを介して多発性骨髄腫細胞を攻撃することで効果を発揮。
初回点滴時のIRRに注意し、 前投薬 (ステロイド、 抗ヒスタミン薬など) が必須である。 また、 0.2~0.22µmフィルターを使用し、 通常は250mL程度に希釈して投与する。
日本では2020年8月に発売され、 現在4種類の治療レジメンで承認されている (再発又は難治性の多発性骨髄腫における、 ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法と、 単剤療法、 カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法、 デキサメタゾン併用療法)
プロテアソーム阻害薬。 タンパク質分解阻害で骨髄腫細胞をアポトーシスに誘導する。 神経障害のリスクから、 原則皮下注がおすすめ。 投与スケジュールに応じて週1回や用量減量を行う。
免疫調節作用と骨髄腫細胞のIKZF1/3分解を促進し、 アポトーシスを誘導。 血栓塞栓症リスクがあり、 腎機能に応じた用量調整も必要。 催奇形性がある点に注意。
骨髄腫細胞のアポトーシスを促し、 他薬剤との併用効果を高める。 ステロイド特有の副作用 (高血糖、 精神症状等) 管理が重要。
N Engl J Med. 2024;391(17):1597-609.
国際多施設・無作為化第3相試験。 18~80歳の新規多発性骨髄腫患者が対象 (自家末梢血幹細胞移植 (ASCT) が適応外)で、 ISA-VRd 群 vs VRd単独群で3:2に割付けた。 主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS)であった (フォローアップ中央値59.7ヵ月)。
ISA-VRd群 vs VRd群
- 推定5年PFS:63.2% vs 45.2% (p<0.001)
- CR以上の割合 : 74.7% vs 64.1% (p=0.01)
- MRD陰性CR率 : 55.5% vs 40.9% (p=0.003)
OSは追跡継続中だが、 ISA-VRd群で疾病進行による死亡が減少する傾向。 また、 新たな安全性シグナルは確認されず。 Grade 3以上の感染症や好中球減少などはVRd単独と変わらない傾向。
最終更新 : 2025年3月4日
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
投与量 | コース | 投与日 |
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10mg/kg 点滴 | 導入 1 | Days1,8,15,22,29 |
10mg/kg 点滴 | 導入 2~4 | Day 1,15,29 |
10mg/kg 点滴 | 維持 5~17 | Day 1,15 |
10mg/kg 点滴 | 維持 18~ | Day 1 |
投与量 | コース | 投与日 |
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1.3mg/m² 皮下注 | 導入 1~4 | Days 1,4,8,11,22,25,29,32 |
投与量 | コース | 投与日 |
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25mg/日 内服 | 導入 1~4 | Days 1~14, 22~35 |
25mg/日 内服 | 維持 5~ | Days 1~21 |
投与量 | コース | 投与日 |
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20mg/日 点滴・内服 | 導入 1~4 | Days 1,2,4,5,8,9,11,12,15,22,23,25,26,29,30,32,33 |
20mg/日 点滴・内服 | 維持 5~ | Day 1,8,15,22 |
IMROZ試験では、 最初の4サイクル (6週サイクル) を導入療法として強化し、 その後は4週サイクルでの維持療法に移行 |
IMROZ試験では、 最初の4サイクル (6週サイクル) を導入療法として強化し、 その後は4週サイクルでの維持療法に移行
6週間 (42日) を1サイクルとして計4サイクル
イサツキシマブ (Isatuximab : ISA)
ボルテゾミブ (Bortezomib : BOR/VEL)
レナリドミド (Lenalidomide : LEN)
デキサメタゾン (Dexamethasone : DEX)
※75歳以上の患者では投与日程を簡略化
4週間 (28日) を1サイクルとして、 増悪または中止理由が生じるまで継続。
イサツキシマブ (Isatuximab : ISA)
レナリドミド (Lenalidomide : LEN)
デキサメタゾン (Dexamethasone : DEX)
年齢や併存疾患による調整 : 試験では18~80歳・ECOG PS ≤2などを対象とし、 75歳以上にはステロイドを減量するなど、 一部投与スケジュールを調整。
抗菌薬予防投与 : 導入療法中は感染リスクが高まるため、 抗菌薬や抗ウイルス薬 (アシクロビル等) の併用が推奨された。
中止基準 : 病勢進行 (PD)、 重大な有害事象、 患者希望などにより試験治療を中止。
クロスオーバー : VRd単独群では、 疾患進行がみられた場合などにイサツキシマブ併用 (Isa-Rd) へ切り替えが許容された。
IMROZ試験¹⁾より引用
- 貧血 (98.9%、 ≧Grade3 17.5%)
- 好中球減少 (87.5%、 ≧Grade3 54.4%)
- 血小板減少 (95.4%、 ≧Grade3 30.0%)
- 肺炎 (30.0%、 ≧Grade3 20.2%)
- 気管支炎 (22.1%、 ≧Grade3 2.7%)
- 上気道感染 (34.2%、 ≧Grade3 0.8%)
- 下痢 (54.8%、 ≧Grade3 7.6%)
- IRR (23.6%、 ≧Grade3 0.4%)
- COVID-19 (29.7%、 ≧Grade3 8.7%)
- 末梢性感覚神経障害 (54.4%、 ≧Grade3 7.2%)
- 倦怠感 (34.6%、 ≧Grade3 8.0%)
- 背部痛 (22.1%、 ≧Grade3 3.4%)
- 不眠 (22.4%、 ≧Grade3 3.8%)
- 白内障 (38.0%、 ≧Grade3 15.6%)
- 二次性悪性腫瘍(固形) (8.4%、 ≧Grade3 5.3%)
- 二次性悪性腫瘍(血液) (1.1%、 ≧Grade3 0.4%)
抗CD38抗体により補体依存性細胞傷害 (CDC)、 抗体依存性細胞傷害 (ADCC) などを介して多発性骨髄腫細胞を攻撃することで効果を発揮。
初回点滴時のIRRに注意し、 前投薬 (ステロイド、 抗ヒスタミン薬など) が必須である。 また、 0.2~0.22µmフィルターを使用し、 通常は250mL程度に希釈して投与する。
日本では2020年8月に発売され、 現在4種類の治療レジメンで承認されている (再発又は難治性の多発性骨髄腫における、 ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法と、 単剤療法、 カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法、 デキサメタゾン併用療法)
プロテアソーム阻害薬。 タンパク質分解阻害で骨髄腫細胞をアポトーシスに誘導する。 神経障害のリスクから、 原則皮下注がおすすめ。 投与スケジュールに応じて週1回や用量減量を行う。
免疫調節作用と骨髄腫細胞のIKZF1/3分解を促進し、 アポトーシスを誘導。 血栓塞栓症リスクがあり、 腎機能に応じた用量調整も必要。 催奇形性がある点に注意。
骨髄腫細胞のアポトーシスを促し、 他薬剤との併用効果を高める。 ステロイド特有の副作用 (高血糖、 精神症状等) 管理が重要。
N Engl J Med. 2024;391(17):1597-609.
国際多施設・無作為化第3相試験。 18~80歳の新規多発性骨髄腫患者が対象 (自家末梢血幹細胞移植 (ASCT) が適応外)で、 ISA-VRd 群 vs VRd単独群で3:2に割付けた。 主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS)であった (フォローアップ中央値59.7ヵ月)。
ISA-VRd群 vs VRd群
- 推定5年PFS:63.2% vs 45.2% (p<0.001)
- CR以上の割合 : 74.7% vs 64.1% (p=0.01)
- MRD陰性CR率 : 55.5% vs 40.9% (p=0.003)
OSは追跡継続中だが、 ISA-VRd群で疾病進行による死亡が減少する傾向。 また、 新たな安全性シグナルは確認されず。 Grade 3以上の感染症や好中球減少などはVRd単独と変わらない傾向。
最終更新 : 2025年3月4日
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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