ルテチウムオキソドトレオチド (ルタテラ®)
電子添文¹⁾/適正使用ガイド²⁾
1回7.4GBqを30分かけて8週間間隔で最大4回まで点滴静注する
ソマトスタチンアナログにキレート剤を介して放射性ルテチウム177 (¹⁷⁷Lu) で標識した放射性医薬品であり、 ソマトスタチン受容体と結合し、 腫瘍細胞内に取り込まれ¹⁷⁷Luから放出されるβ線がDNA損傷を惹起し、 細胞増殖抑制作用を発揮する。
本邦では、 原発部位に関わらずソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対して保険適用となっている。 事前にソマトスタチン受容体シンチグラフィーを行い、 腫瘍にソマトスタチン受容体が発現していることを確認することが必要である。
治療を行うためには放射線治療病室が必要であるため、 特定の医療機関でのみ実施できる。
頻度の高い副作用として、 悪心、 疲労、 血小板減少症などがある。 腎障害を予防するために、 リシン/アルギニン含有輸液を併用し治療を行う。
ソマトスタチン受容体 (SSTR) 陽性の進行中腸神経内分泌腫瘍(NET)患者において、放射線同位体ルテチウムオキソドトレオチド (¹⁷⁷Lu) を標識した放射性医薬品-Dotatate (以下、 177Lu-Dotatate、 商品名ルタテラ)の効果を、 高用量徐放性オクトレオチドを対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験NETTER-1の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) を有意に改善させることが示された。
N Engl J Med. 2017;376(2):125-35.
PFS中央値
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : NR
- 対照群 : 8.4ヵ月 (95%CI 5.8-9.1)
HR 0.21 (95%CI 0.13-0.33)、 p<0.001
PFS率 (20ヵ月時)
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 65.2% (95%CI 50.0-76.8)
- 対照群 : 10.8% (95%CI 3.5-23.0)
サブグループ解析
層別化因子や予後因子に関わらず、 対照群に対する優位性が一貫して認められた
ORR
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 18%
- 対照群 : 3% p<0.001
OS中央値
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群: 48.0ヵ月 (95%CI 37.4-55.2)
- 対照群 : 36.3ヵ月 (95%CI 25.9-51.7)
HR 0.84 (95%CI 0.60-1.17)、 p=0.30
OS率(1年時、 2年時、 3年時、 4年時、 5年時)
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 91.0、 76.0、 61.4、 49.5、 37.1%
- 対照群 : 79.7、 62.7、 50.1、 41.8、 35.4%
サブグループ解析
事前に規定されたサブグループにおいて、 ¹⁷⁷Lu-Dotatate群の対照群に対する優位性が概ね一貫して認められた。
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
- 血小板数減少 25.2% (1.8%)
- リンパ球数減少 18.0% (9.0%)
- 貧血 14.4% (0%)
- 白血球数減少 9.9% (0.9%)
- 好中球数減少 5.4% (0.9%)
- 悪心 58.6% (3.6%)
- 嘔吐 46.8% (7.2%)
- 倦怠感 39.6% (1.8%)
- 下痢 28.8% (2.7%)
- 食欲減退 18.0% (0%)
- 脱毛症 10.8% (0%)
最終更新日 : 2025年1月4日
執筆医 : 香川大学医学部附属病院 腫瘍内科 講師 奥山浩之先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生
電子添文¹⁾/適正使用ガイド²⁾
1回7.4GBqを30分かけて8週間間隔で最大4回まで点滴静注する
ソマトスタチンアナログにキレート剤を介して放射性ルテチウム177 (¹⁷⁷Lu) で標識した放射性医薬品であり、 ソマトスタチン受容体と結合し、 腫瘍細胞内に取り込まれ¹⁷⁷Luから放出されるβ線がDNA損傷を惹起し、 細胞増殖抑制作用を発揮する。
本邦では、 原発部位に関わらずソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対して保険適用となっている。 事前にソマトスタチン受容体シンチグラフィーを行い、 腫瘍にソマトスタチン受容体が発現していることを確認することが必要である。
治療を行うためには放射線治療病室が必要であるため、 特定の医療機関でのみ実施できる。
頻度の高い副作用として、 悪心、 疲労、 血小板減少症などがある。 腎障害を予防するために、 リシン/アルギニン含有輸液を併用し治療を行う。
ソマトスタチン受容体 (SSTR) 陽性の進行中腸神経内分泌腫瘍(NET)患者において、放射線同位体ルテチウムオキソドトレオチド (¹⁷⁷Lu) を標識した放射性医薬品-Dotatate (以下、 177Lu-Dotatate、 商品名ルタテラ)の効果を、 高用量徐放性オクトレオチドを対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験NETTER-1の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) を有意に改善させることが示された。
N Engl J Med. 2017;376(2):125-35.
PFS中央値
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : NR
- 対照群 : 8.4ヵ月 (95%CI 5.8-9.1)
HR 0.21 (95%CI 0.13-0.33)、 p<0.001
PFS率 (20ヵ月時)
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 65.2% (95%CI 50.0-76.8)
- 対照群 : 10.8% (95%CI 3.5-23.0)
サブグループ解析
層別化因子や予後因子に関わらず、 対照群に対する優位性が一貫して認められた
ORR
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 18%
- 対照群 : 3% p<0.001
OS中央値
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群: 48.0ヵ月 (95%CI 37.4-55.2)
- 対照群 : 36.3ヵ月 (95%CI 25.9-51.7)
HR 0.84 (95%CI 0.60-1.17)、 p=0.30
OS率(1年時、 2年時、 3年時、 4年時、 5年時)
- ¹⁷⁷Lu-Dotatate群 : 91.0、 76.0、 61.4、 49.5、 37.1%
- 対照群 : 79.7、 62.7、 50.1、 41.8、 35.4%
サブグループ解析
事前に規定されたサブグループにおいて、 ¹⁷⁷Lu-Dotatate群の対照群に対する優位性が概ね一貫して認められた。
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
- 血小板数減少 25.2% (1.8%)
- リンパ球数減少 18.0% (9.0%)
- 貧血 14.4% (0%)
- 白血球数減少 9.9% (0.9%)
- 好中球数減少 5.4% (0.9%)
- 悪心 58.6% (3.6%)
- 嘔吐 46.8% (7.2%)
- 倦怠感 39.6% (1.8%)
- 下痢 28.8% (2.7%)
- 食欲減退 18.0% (0%)
- 脱毛症 10.8% (0%)
最終更新日 : 2025年1月4日
執筆医 : 香川大学医学部附属病院 腫瘍内科 講師 奥山浩之先生
監修医 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 上野 誠先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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