治療スケジュール
概要
監修医師

Bmab:ベバシズマブ(アバスチン®)

投与量コース投与日
5mg/kg 点滴1~Day1

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
85mg/m² 点滴1~Day1

l-LV:レボホリナートカルシウム(アイソボリン®)

投与量コース投与日
200mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(フルオロウラシル®)

投与量コース投与日
400mg/m² 急速静注1~Day1
2400mg/m² 持続静注1~Day1~3

前投薬

その他

1コース14日間。
L-OHP+l-LV+5-FUをFOLFOX療法と呼ぶ。
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量 (1コース2週間)

投与開始基準

治療開始前日または当日の検査値及び臨床症状が全ての基準を満たすことが必要

①FOLFOX療法の投与開始基準

②Bmabの投与開始基準

その他の対応について

  • ①を満たさないが ②を満たす場合: FOLFOX+Bmab併用療法の投与延期 (Bmabのみの投与は行わない)
  • ①は満たすが ②を満たさない場合:FOLFOX療法の投与のみ (Bmabスキップ)

減量・中止基準

同時に複数の有害事象を認めた場合、 各種薬剤の減量は1段階ずつ行う。
L-OHPやBmabが中止になった場合、 残りの薬剤は継続する。

L-OHP、 5−FUの減量・中止基準

初回基準量と減量レベル

Bmabの中止基準

主な有害事象

WJOG4407G試験

日本人を対象とした試験の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 白血球減少 74% (5%)
  • 好中球減少 80% (35%)
  • 血小板減少 17% (1%)
  • 貧血 33% (3%)
  • 食思不振 73% (6%)
  • 倦怠感 71% (3%)
  • 悪心 65% (5%)
  • 嘔吐  29% (5%)
  • 粘膜炎 57% (3%)
  • 下痢 37% (5%)
  • 発熱性好中球減少 2% (2%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 30% (3%)
  • 感覚ニューロパチー  85% (22%)
  • 脱毛症 34% (0%)
  • 高血圧 40% (6%)
  • 蛋白尿 43% (0%)

上手に使うためのワンポイント

オキサリプラチン計画中止も積極的に検討

実臨床ではCIPN評価に、CTCAEよりも症状の期間を加味されたDEB-NTCを用いる。 コンバージョンが明らかに困難と思われ、 延命を目的とするような症例では、 QOL低下を考慮して、 OPTIMOX2に準じた対応をする。

発熱性好中球減少出現や好中球減少による治療開始延期症例

次回減量を考慮する際にはbolus 5-FUのみ中止・削除することも選択肢になり得る。

好中球数の投与開始基準

一般的には≧1500だが、 複数回数投与により、 その患者の毒性プロファイルがある程度予想できる場合には好中球数1200前後でも投与可能とする医師はいる。

2次治療について

1次治療における5-FUの毒性を考慮した初回減量を考慮

特徴と注意点

悪心リスクが高い患者

若年・女性などには、 初回投与時から選択的NK1受容体拮抗型制吐剤を前投薬として用いることを検討

Bmabによる尿蛋白1+出現時

次コースからのUPCRの事前測定を考慮。 リアルワールドでは、 尿蛋白2+でもUPCR<2.0で投与可能とする医師はいる。

JCOG1018試験

75歳以上もしくは、 70-74歳かつPS2の高齢患者では1次治療PFSにおけるオキサリプラチンの上乗せ効果は乏しいことが報告されている。 患者の身体及び腫瘍状況を考慮して治療方針を決定する必要がある。

関連する臨床試験

WJOG4407G試験¹⁾

切除不能進行・再発大腸癌に対して、 FOLFIRI+BmabのmFOLFOX+Bmabに対する無増悪生存期間における非劣性及び長期QOLを検討する第III相試験。 主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目はOS、TTF (time to treatment failure) 、奏効率、治癒切除を受けた患者の割合、有害事象、QOLである。

Ann Oncol. 2016 Aug;27(8):1539-46

TRICOLORE試験

オープンラベル非劣性検証無作為化第Ⅲ相試験で、 化学療法未施行の切除不能大腸癌を対象にmFOLFOX6/CapeOX+BV療法に対する、IRIS+BV療法の無増悪生存期間における非劣性を検証

Ann Oncol. 2018 Mar 1;29(3):624-631²⁾

参考文献

  1. Randomized phase III study of bevacizumab plus FOLFIRI and bevacizumab plus mFOLFOX6 as first-line treatment for patients with metastatic colorectal cancer (WJOG4407G). Ann Oncol. 2016 Aug;27(8):1539-46. PMID: 27177863
  2. S-1 and irinotecan plus bevacizumab versus mFOLFOX6 or CapeOX plus bevacizumab as first-line treatment in patients with metastatic colorectal cancer (TRICOLORE): a randomized, open-label, phase III, noninferiority trial. Ann Oncol. 2018 Mar 1;29(3):624-631. PMID: 29293874

最終更新日:2023年3月13日
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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Bmab:ベバシズマブ(アバスチン®)

投与量コース投与日
5mg/kg 点滴1~Day1

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
85mg/m² 点滴1~Day1

l-LV:レボホリナートカルシウム(アイソボリン®)

投与量コース投与日
200mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(フルオロウラシル®)

投与量コース投与日
400mg/m² 急速静注1~Day1
2400mg/m² 持続静注1~Day1~3

前投薬

その他

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概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量 (1コース2週間)

投与開始基準

治療開始前日または当日の検査値及び臨床症状が全ての基準を満たすことが必要

①FOLFOX療法の投与開始基準

②Bmabの投与開始基準

その他の対応について

  • ①を満たさないが ②を満たす場合: FOLFOX+Bmab併用療法の投与延期 (Bmabのみの投与は行わない)
  • ①は満たすが ②を満たさない場合:FOLFOX療法の投与のみ (Bmabスキップ)

減量・中止基準

同時に複数の有害事象を認めた場合、 各種薬剤の減量は1段階ずつ行う。
L-OHPやBmabが中止になった場合、 残りの薬剤は継続する。

L-OHP、 5−FUの減量・中止基準

初回基準量と減量レベル

Bmabの中止基準

主な有害事象

WJOG4407G試験

日本人を対象とした試験の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 白血球減少 74% (5%)
  • 好中球減少 80% (35%)
  • 血小板減少 17% (1%)
  • 貧血 33% (3%)
  • 食思不振 73% (6%)
  • 倦怠感 71% (3%)
  • 悪心 65% (5%)
  • 嘔吐  29% (5%)
  • 粘膜炎 57% (3%)
  • 下痢 37% (5%)
  • 発熱性好中球減少 2% (2%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 30% (3%)
  • 感覚ニューロパチー  85% (22%)
  • 脱毛症 34% (0%)
  • 高血圧 40% (6%)
  • 蛋白尿 43% (0%)

上手に使うためのワンポイント

オキサリプラチン計画中止も積極的に検討

実臨床ではCIPN評価に、CTCAEよりも症状の期間を加味されたDEB-NTCを用いる。 コンバージョンが明らかに困難と思われ、 延命を目的とするような症例では、 QOL低下を考慮して、 OPTIMOX2に準じた対応をする。

発熱性好中球減少出現や好中球減少による治療開始延期症例

次回減量を考慮する際にはbolus 5-FUのみ中止・削除することも選択肢になり得る。

好中球数の投与開始基準

一般的には≧1500だが、 複数回数投与により、 その患者の毒性プロファイルがある程度予想できる場合には好中球数1200前後でも投与可能とする医師はいる。

2次治療について

1次治療における5-FUの毒性を考慮した初回減量を考慮

特徴と注意点

悪心リスクが高い患者

若年・女性などには、 初回投与時から選択的NK1受容体拮抗型制吐剤を前投薬として用いることを検討

Bmabによる尿蛋白1+出現時

次コースからのUPCRの事前測定を考慮。 リアルワールドでは、 尿蛋白2+でもUPCR<2.0で投与可能とする医師はいる。

JCOG1018試験

75歳以上もしくは、 70-74歳かつPS2の高齢患者では1次治療PFSにおけるオキサリプラチンの上乗せ効果は乏しいことが報告されている。 患者の身体及び腫瘍状況を考慮して治療方針を決定する必要がある。

関連する臨床試験

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Ann Oncol. 2016 Aug;27(8):1539-46

TRICOLORE試験

オープンラベル非劣性検証無作為化第Ⅲ相試験で、 化学療法未施行の切除不能大腸癌を対象にmFOLFOX6/CapeOX+BV療法に対する、IRIS+BV療法の無増悪生存期間における非劣性を検証

Ann Oncol. 2018 Mar 1;29(3):624-631²⁾

参考文献

  1. Randomized phase III study of bevacizumab plus FOLFIRI and bevacizumab plus mFOLFOX6 as first-line treatment for patients with metastatic colorectal cancer (WJOG4407G). Ann Oncol. 2016 Aug;27(8):1539-46. PMID: 27177863
  2. S-1 and irinotecan plus bevacizumab versus mFOLFOX6 or CapeOX plus bevacizumab as first-line treatment in patients with metastatic colorectal cancer (TRICOLORE): a randomized, open-label, phase III, noninferiority trial. Ann Oncol. 2018 Mar 1;29(3):624-631. PMID: 29293874

最終更新日:2023年3月13日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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