オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル+ベバシズマブ
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
5mg/kg 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
150mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
200mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
85mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
2400mg/m² 持続静注 | 1~ | Day1~3 |
アプレピタント (or ホスアプレピタント、ホスネツピタント) +5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン |
消化器症状の初期治療はH2拮抗薬投与を検討 |
1コース14日間。 |
CPT-11+L-OHP+l-LV+5-FUでFOLFOXIRIと呼ぶ。 |
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
5-FUとIrinotecanを減量したmFOLFOXIRI (modified FOLFOXIRI) + 抗VEGF抗体 ベバシズマブ (Bevacizumab)の併用療法
アプレピタント (or ホスアプレピタント、ホスネツピタント) +5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン
消化器症状の初期治療はH2拮抗薬投与を検討
JACCRO CC-11試験:治療開始前日または当日の検査値及び臨床症状が全ての基準を満たすことが必要
JACCRO CC-11試験:2コース以降において、 コース開始前日または当日の検査値及び臨床症状が①mFOLFOXIRI療法継続投与基準、 ②Bmab継続投与基準を満たしていることを確認し、治療継続
JACCRO CC-11試験:13コース目以降において、 前日または当日の検査値及び臨床症状が、 ①5-FU+l-LV+Bmab併用療法継続基準ならびに②Bmab継続基準を満たしていることを確認し、 治療継続
JACCRO CC-11試験:mFOLFOXIRI+Bmab併用療法の減量基準に一つでも該当した場合、 「FOLFOXIRI療法の継続基準」を満たしていることを確認し、 1段階減量を実施。 なお、 減量後に再増量は行わない。 ベバシズマブの減量は行わない。
初回基準量と減量レベル
JACCRO CC-11試験:5-FU+l-LV+Bmab併用療法の減量基準に一つでも該当した場合、 「5-FU+l-LV+Bmab療法の継続基準」を満たしていることを確認し、 1段階減量を実施。 なお、 減量後に再増量は行わない。 ベバシズマブの減量は行わない。
日本人を対象とした試験の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)
主な有害事象
注意すべき有害事象
1-2コース中に好中球減少など、 血液毒性の初回出現が予想されるため。
TRIBE試験¹⁾やQUATTRO試験²⁾ (原法)、 JACCRO CC-11試験⁵⁾では12コースに設定。 TRIBE2⁴⁾試験では8コースに設定。 現在進行中のQUATTRO2試験 (原法) では原則8コースの設定だが、 最大12コースまで投与できるプロトコールである。
延命を目的とした場合には末梢性感覚ニューロパチー悪化を意識して8コースで終了を基本と考えたほうが良いかもしれない。
導入化学療法期間でもdoublet (2剤併用療法) へ切り替えることも選択肢の一つ。 使用理由や実際の腫瘍縮小効果にもよる。 毒性による治療延期を繰り返しDose intensityが低下するケースなどで検討。
国内では70歳以下PS0-1もしくは71−75歳PS0のFitを対象としたJACCRO CC-11試験が行われた。 原法より有害事象は減少する一方で有効性は遜色ない結果であった。 高齢者の多い本邦では原法より使用頻度が高くなることが想定される。
大腸癌治療ガイドライン2022年版では、RAS/RAF野生型の右側・RAS変異型・BRAF変異型において治療選択肢とされている。
複数試験の統合解析では、 BRAF変異型における有効性について、 doubletと比較してOSでは差がないもののORRとPFSでは優れる結果であるため、 病状により適用を検討する必要がある。
JACCRO CC-11試験⁵⁾では、UGT1A1のステイタス毎で好中球減少・発熱性好中球減少・下痢の毒性に差を認めない結果だった。 一方で70歳未満と70歳以上の比較ではこれらの毒性頻度は70歳以上で多い傾向にあった。
高齢者の多いリアルワールドでは治療前にUGT1A1の結果が、 *6*28いずれかのホモ接合体、 もしくは両者の複合ヘテロ接合体かどうかの確認をして適用の検討し、 治療実施の際にも慎重な対応をする必要がある。
FOLFOXIRI+BmabとFOLFIRI+Bmabを比較した第Ⅲ相試験。 FOLFOXIRI+Bmabにおいて、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効割合 (RR) を改善が確認された。
J Clin Oncol. 2007 May 1;25(13):1670-6.
TRIBE試験の長期フォローアップ解析結果にRAS/BRAF遺伝子変異別のサブ解析結果を加えた論文。
Lancet Oncol. 2015 Oct;16(13):1306-15.
対照群は1次治療としてFOLFOX、2次治療としてFOLFIRIが規定され両レジメンともに8サイクル実施後に維持療法としての5-FU+l-LVに移行するプロトコールになっていた。試験群はTRIBE試験から導入化学療法が8コースに変更となり、5-FU+l-LV投与時に増悪したあとの治療としてmFOLFOXIRI+Bmabを再導入することが規定された。主要評価項目のPFS2には議論があるもののdoubletのシークエンスに対するFOLFOXIRI+Bmabの優越性が明確に証明された。
Lancet Oncol. 2020 Apr;21(4):497-507.
日本で実施された第II相試験であり、 RAS遺伝子変異型に対する一次治療FOLFOXIRI+Bmab併用療法有効性と安全性について評価された。
Oncotarget. 2018 Apr 10;9(27):18811-18820.
最終更新日:2023年2月17日
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生
投与量 | コース | 投与日 |
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5mg/kg 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
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150mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
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200mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
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85mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
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2400mg/m² 持続静注 | 1~ | Day1~3 |
アプレピタント (or ホスアプレピタント、ホスネツピタント) +5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン |
消化器症状の初期治療はH2拮抗薬投与を検討 |
1コース14日間。 |
CPT-11+L-OHP+l-LV+5-FUでFOLFOXIRIと呼ぶ。 |
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
5-FUとIrinotecanを減量したmFOLFOXIRI (modified FOLFOXIRI) + 抗VEGF抗体 ベバシズマブ (Bevacizumab)の併用療法
アプレピタント (or ホスアプレピタント、ホスネツピタント) +5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン
消化器症状の初期治療はH2拮抗薬投与を検討
JACCRO CC-11試験:治療開始前日または当日の検査値及び臨床症状が全ての基準を満たすことが必要
JACCRO CC-11試験:2コース以降において、 コース開始前日または当日の検査値及び臨床症状が①mFOLFOXIRI療法継続投与基準、 ②Bmab継続投与基準を満たしていることを確認し、治療継続
JACCRO CC-11試験:13コース目以降において、 前日または当日の検査値及び臨床症状が、 ①5-FU+l-LV+Bmab併用療法継続基準ならびに②Bmab継続基準を満たしていることを確認し、 治療継続
JACCRO CC-11試験:mFOLFOXIRI+Bmab併用療法の減量基準に一つでも該当した場合、 「FOLFOXIRI療法の継続基準」を満たしていることを確認し、 1段階減量を実施。 なお、 減量後に再増量は行わない。 ベバシズマブの減量は行わない。
初回基準量と減量レベル
JACCRO CC-11試験:5-FU+l-LV+Bmab併用療法の減量基準に一つでも該当した場合、 「5-FU+l-LV+Bmab療法の継続基準」を満たしていることを確認し、 1段階減量を実施。 なお、 減量後に再増量は行わない。 ベバシズマブの減量は行わない。
日本人を対象とした試験の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)
主な有害事象
注意すべき有害事象
1-2コース中に好中球減少など、 血液毒性の初回出現が予想されるため。
TRIBE試験¹⁾やQUATTRO試験²⁾ (原法)、 JACCRO CC-11試験⁵⁾では12コースに設定。 TRIBE2⁴⁾試験では8コースに設定。 現在進行中のQUATTRO2試験 (原法) では原則8コースの設定だが、 最大12コースまで投与できるプロトコールである。
延命を目的とした場合には末梢性感覚ニューロパチー悪化を意識して8コースで終了を基本と考えたほうが良いかもしれない。
導入化学療法期間でもdoublet (2剤併用療法) へ切り替えることも選択肢の一つ。 使用理由や実際の腫瘍縮小効果にもよる。 毒性による治療延期を繰り返しDose intensityが低下するケースなどで検討。
国内では70歳以下PS0-1もしくは71−75歳PS0のFitを対象としたJACCRO CC-11試験が行われた。 原法より有害事象は減少する一方で有効性は遜色ない結果であった。 高齢者の多い本邦では原法より使用頻度が高くなることが想定される。
大腸癌治療ガイドライン2022年版では、RAS/RAF野生型の右側・RAS変異型・BRAF変異型において治療選択肢とされている。
複数試験の統合解析では、 BRAF変異型における有効性について、 doubletと比較してOSでは差がないもののORRとPFSでは優れる結果であるため、 病状により適用を検討する必要がある。
JACCRO CC-11試験⁵⁾では、UGT1A1のステイタス毎で好中球減少・発熱性好中球減少・下痢の毒性に差を認めない結果だった。 一方で70歳未満と70歳以上の比較ではこれらの毒性頻度は70歳以上で多い傾向にあった。
高齢者の多いリアルワールドでは治療前にUGT1A1の結果が、 *6*28いずれかのホモ接合体、 もしくは両者の複合ヘテロ接合体かどうかの確認をして適用の検討し、 治療実施の際にも慎重な対応をする必要がある。
FOLFOXIRI+BmabとFOLFIRI+Bmabを比較した第Ⅲ相試験。 FOLFOXIRI+Bmabにおいて、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効割合 (RR) を改善が確認された。
J Clin Oncol. 2007 May 1;25(13):1670-6.
TRIBE試験の長期フォローアップ解析結果にRAS/BRAF遺伝子変異別のサブ解析結果を加えた論文。
Lancet Oncol. 2015 Oct;16(13):1306-15.
対照群は1次治療としてFOLFOX、2次治療としてFOLFIRIが規定され両レジメンともに8サイクル実施後に維持療法としての5-FU+l-LVに移行するプロトコールになっていた。試験群はTRIBE試験から導入化学療法が8コースに変更となり、5-FU+l-LV投与時に増悪したあとの治療としてmFOLFOXIRI+Bmabを再導入することが規定された。主要評価項目のPFS2には議論があるもののdoubletのシークエンスに対するFOLFOXIRI+Bmabの優越性が明確に証明された。
Lancet Oncol. 2020 Apr;21(4):497-507.
日本で実施された第II相試験であり、 RAS遺伝子変異型に対する一次治療FOLFOXIRI+Bmab併用療法有効性と安全性について評価された。
Oncotarget. 2018 Apr 10;9(27):18811-18820.
最終更新日:2023年2月17日
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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