カルボプラチン + エピルビシン
- パラプラチン® (添付文書)
- エピルビシン® (添付文書)
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
以下を1コースとして、 臨床効果が得られなくなるか、 許容できない副作用発生まで繰り返す。
【カルボプラチン】AUC目標値は一般にAUC 5から開始することが多い。 1日1回点滴静注し、 少なくとも3週間休薬する。
【エピルビシン】60mg/㎡を約20mLの日局注射用水に溶解し、 1日1回静脈内に投与し、 少なくとも3週間休薬する。
放射線治療と併用する場合、 適宜減量を考慮する。 Grade4血液毒性やGrade3以上非血液毒性をきたした場合、 次コースからは適宜減量する。
国内では有棘細胞癌に準じて、 根治切除不能な局所進行または遠隔転移を有する基底細胞癌に用いられることがある。 2024年2月にニボルマブが上皮系皮膚悪性腫瘍に承認されてからは、 ニボルマブに不応または自己免疫疾患を合併し免疫抑制剤を服用中等の理由で免疫療法が適さない患者に用いられる。
CA療法とC'A'療法の違い
CA (CDDP+Doxorubicin) 療法と類似レジメンであるが、 シスプラチンよりカルボプラチンの方が腎毒性と悪心・嘔吐が軽度であること、 ドキソルビシンの心筋障害を軽減する目的で開発されたのがエピルビシンであることから、 患者さんの全身状態や合併症によりCA療法の実施が困難と判断される場合にC'A' (CBDCA+Epirubicin) 療法が選択される傾向にある。
尚、 海外ではヘッジホッグ経路阻害薬であるVismodegibやSonidegibが用いられるが、 わが国では承認されていない。
これまでに、 基底細胞癌を対象にC'A' 療法が検証的な臨床試験で評価されたことはない。 Moeholtらは、 プラチナ製剤を含む全身薬物療法を実施した進行期の基底細胞癌の報告を集計し、 評価可能46例における奏効割合は83% (CR17例、 PR21例) と報告している³⁾。 C'A'療法の臨床成績の報告は限られているが、 概ねCA療法と同程度と考えられている。
カルボプラチン
血小板減少をはじめとした骨髄抑制に注意が必要である。 投与後に血小板減少がGrade4 (血小板数が<2.5万/㎡) となった場合、 次コースからは減量が必要である。 悪心・嘔吐のリスクはシスプラチンより低いとされているが、 AUC4以上の場合にはアプレピタント、 5-HT3受容体拮抗薬、 デキサメタゾンによる予防が推奨される。 投与回数が増えるにつれて、 アレルギー反応のリスクが高くなるので注意が必要である。
エピルビシン塩酸塩
心機能異常またはその既往歴がある場合や、 アントラサイクリン系薬剤による前治療の総投与量が限界量 (ドキソルビシン塩酸塩では500mg/㎡) に達している場合は投与禁忌である。 心機能障害 (駆出率が45%以下、 狭心症、 心筋梗塞、 不整脈など) が生じた場合は投与を中止する。
エピルビシン塩酸塩とその代謝物により投与から24時間で赤色から橙色尿が生じることがあるが、 患者さんには問題ないと事前に伝えておく。
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
- パラプラチン® (添付文書)
- エピルビシン® (添付文書)
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
以下を1コースとして、 臨床効果が得られなくなるか、 許容できない副作用発生まで繰り返す。
【カルボプラチン】AUC目標値は一般にAUC 5から開始することが多い。 1日1回点滴静注し、 少なくとも3週間休薬する。
【エピルビシン】60mg/㎡を約20mLの日局注射用水に溶解し、 1日1回静脈内に投与し、 少なくとも3週間休薬する。
放射線治療と併用する場合、 適宜減量を考慮する。 Grade4血液毒性やGrade3以上非血液毒性をきたした場合、 次コースからは適宜減量する。
国内では有棘細胞癌に準じて、 根治切除不能な局所進行または遠隔転移を有する基底細胞癌に用いられることがある。 2024年2月にニボルマブが上皮系皮膚悪性腫瘍に承認されてからは、 ニボルマブに不応または自己免疫疾患を合併し免疫抑制剤を服用中等の理由で免疫療法が適さない患者に用いられる。
CA療法とC'A'療法の違い
CA (CDDP+Doxorubicin) 療法と類似レジメンであるが、 シスプラチンよりカルボプラチンの方が腎毒性と悪心・嘔吐が軽度であること、 ドキソルビシンの心筋障害を軽減する目的で開発されたのがエピルビシンであることから、 患者さんの全身状態や合併症によりCA療法の実施が困難と判断される場合にC'A' (CBDCA+Epirubicin) 療法が選択される傾向にある。
尚、 海外ではヘッジホッグ経路阻害薬であるVismodegibやSonidegibが用いられるが、 わが国では承認されていない。
これまでに、 基底細胞癌を対象にC'A' 療法が検証的な臨床試験で評価されたことはない。 Moeholtらは、 プラチナ製剤を含む全身薬物療法を実施した進行期の基底細胞癌の報告を集計し、 評価可能46例における奏効割合は83% (CR17例、 PR21例) と報告している³⁾。 C'A'療法の臨床成績の報告は限られているが、 概ねCA療法と同程度と考えられている。
カルボプラチン
血小板減少をはじめとした骨髄抑制に注意が必要である。 投与後に血小板減少がGrade4 (血小板数が<2.5万/㎡) となった場合、 次コースからは減量が必要である。 悪心・嘔吐のリスクはシスプラチンより低いとされているが、 AUC4以上の場合にはアプレピタント、 5-HT3受容体拮抗薬、 デキサメタゾンによる予防が推奨される。 投与回数が増えるにつれて、 アレルギー反応のリスクが高くなるので注意が必要である。
エピルビシン塩酸塩
心機能異常またはその既往歴がある場合や、 アントラサイクリン系薬剤による前治療の総投与量が限界量 (ドキソルビシン塩酸塩では500mg/㎡) に達している場合は投与禁忌である。 心機能障害 (駆出率が45%以下、 狭心症、 心筋梗塞、 不整脈など) が生じた場合は投与を中止する。
エピルビシン塩酸塩とその代謝物により投与から24時間で赤色から橙色尿が生じることがあるが、 患者さんには問題ないと事前に伝えておく。
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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