ペムブロリズマブ (キイトルーダ®)
KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾のプロトコル
ペムブロリズマブ1回200mgを3週間隔で投与
なお、 本邦ではメルケル細胞癌には適応外だが、 がん遺伝子パネル検査を実施しTMB-high時には、 400mg6週間間隔の投与方法もある。
KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾のプロトコル例
主な有害事象
欧米では根治切除不能なメルケル細胞癌の1次治療として選択される。 本邦ではメルケル細胞癌の1次治療はアベルマブが使用されることが多く、 2次治療以降で使用される可能性がある。
本邦で使用する場合、 がん遺伝子パネル検査で高い腫瘍遺伝子変異量 (TMB-high) を確認する必要がある。 抗PD-1抗体であるペムブロリズマブ、 ニボルマブ、 抗PD-L1抗体であるアベルマブを比較した臨床試験は無く、 海外の各ガイドラインではいずれも併記されている⁵⁾⁶⁾。
ペムブロリズマブ1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分以上かけて点滴静注する。 副作用発現時には、 その内容、 CTCAEの重症度に応じて休薬や中止を検討する。
内分泌系の副作用ではホルモンの補充を行いながら継続することも可能であるが、 他の副作用ではGrade2以上の場合は休薬や中止が必要である。 原則、 減量は行わない。 休薬や中止、 再開の判断は適正使用ガイドなどを参考にするが、 他の免疫チェックポイント阻害薬と同様の対応が必要である。
第II相試験 KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾
海外で実施された多施設第II相非盲検試験のKEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾は薬物治療歴のない患者に対するペムブロリズマブの有効性を評価した。 ORRは58%で、 PFS中央値 16.8ヵ月、 3年PFS率 39.1%、 OS中央値は未達、 3年OS59.4%であった。 奏効が得られた患者では3年OSが89.5%であった。 有害事象に関しては他のがんにおける既報告と同様であり、 新たな副作用の報告は無かった。
第III相試験 KEYNOTE-913⁷⁾
海外で実施された多施設第III相非盲検試験のKEYNOTE-913試験は、 再発局所進行または転移性患者に対するペムブロリズマブの有効性を評価した。 ORRは49% (CR22%、PR27%) であった。 PFS中央値 9.3ヵ月、 2年PFS率 39%、 OS中央値 24.3ヵ月、 2年OS率 51%であった。 奏効が得られた患者ではDOR中央値が39.8ヵ月であり、 24ヵ月DOR率は69%であった。
有害事象 (AE) は69%の患者に発生し、 グレード3–5のAEは24%に認められた。 主な有害事象は疲労 (22%)、 掻痒感 (22%)、 リパーゼ増加 (18%) などであり、 1例の治療関連死亡 (ギランバレー症候群) が報告された。
免疫チェックポイント阻害薬の特徴である奏効の持続性が確認され、 有害事象の適切な管理が重要であると考えられる。
本邦ではメルケル細胞癌に対するペムブロリズマブは保険適用外である。 がん遺伝子パネル検査を実施しTMB-highであった時に使用できる。
メルケル細胞癌はしばしば進行が非常に早い症例も見られるため、 がん遺伝子パネル検査を検討する時期に注意が必要である。 なお、 アベルマブ不応あるいは無効となった患者に対するペムブロリズマブの有効性、 安全性については報告が無く不明である。
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾のプロトコル
ペムブロリズマブ1回200mgを3週間隔で投与
なお、 本邦ではメルケル細胞癌には適応外だが、 がん遺伝子パネル検査を実施しTMB-high時には、 400mg6週間間隔の投与方法もある。
KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾のプロトコル例
主な有害事象
欧米では根治切除不能なメルケル細胞癌の1次治療として選択される。 本邦ではメルケル細胞癌の1次治療はアベルマブが使用されることが多く、 2次治療以降で使用される可能性がある。
本邦で使用する場合、 がん遺伝子パネル検査で高い腫瘍遺伝子変異量 (TMB-high) を確認する必要がある。 抗PD-1抗体であるペムブロリズマブ、 ニボルマブ、 抗PD-L1抗体であるアベルマブを比較した臨床試験は無く、 海外の各ガイドラインではいずれも併記されている⁵⁾⁶⁾。
ペムブロリズマブ1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分以上かけて点滴静注する。 副作用発現時には、 その内容、 CTCAEの重症度に応じて休薬や中止を検討する。
内分泌系の副作用ではホルモンの補充を行いながら継続することも可能であるが、 他の副作用ではGrade2以上の場合は休薬や中止が必要である。 原則、 減量は行わない。 休薬や中止、 再開の判断は適正使用ガイドなどを参考にするが、 他の免疫チェックポイント阻害薬と同様の対応が必要である。
第II相試験 KEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾
海外で実施された多施設第II相非盲検試験のKEYNOTE-017試験³⁾⁴⁾は薬物治療歴のない患者に対するペムブロリズマブの有効性を評価した。 ORRは58%で、 PFS中央値 16.8ヵ月、 3年PFS率 39.1%、 OS中央値は未達、 3年OS59.4%であった。 奏効が得られた患者では3年OSが89.5%であった。 有害事象に関しては他のがんにおける既報告と同様であり、 新たな副作用の報告は無かった。
第III相試験 KEYNOTE-913⁷⁾
海外で実施された多施設第III相非盲検試験のKEYNOTE-913試験は、 再発局所進行または転移性患者に対するペムブロリズマブの有効性を評価した。 ORRは49% (CR22%、PR27%) であった。 PFS中央値 9.3ヵ月、 2年PFS率 39%、 OS中央値 24.3ヵ月、 2年OS率 51%であった。 奏効が得られた患者ではDOR中央値が39.8ヵ月であり、 24ヵ月DOR率は69%であった。
有害事象 (AE) は69%の患者に発生し、 グレード3–5のAEは24%に認められた。 主な有害事象は疲労 (22%)、 掻痒感 (22%)、 リパーゼ増加 (18%) などであり、 1例の治療関連死亡 (ギランバレー症候群) が報告された。
免疫チェックポイント阻害薬の特徴である奏効の持続性が確認され、 有害事象の適切な管理が重要であると考えられる。
本邦ではメルケル細胞癌に対するペムブロリズマブは保険適用外である。 がん遺伝子パネル検査を実施しTMB-highであった時に使用できる。
メルケル細胞癌はしばしば進行が非常に早い症例も見られるため、 がん遺伝子パネル検査を検討する時期に注意が必要である。 なお、 アベルマブ不応あるいは無効となった患者に対するペムブロリズマブの有効性、 安全性については報告が無く不明である。
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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