Dermatofibrosarcoma Protuberans
隆起性皮膚線維肉腫 (DFSP) の多くは真皮から発生し、 皮膚・皮下腫瘍として治療される。
稀な肉腫であり、 米国では年齢調整罹患率は0.42/10万人年¹⁾、 本邦の全国がん登録情報では全皮膚がんに占める割合は0.9%、 年齢調整罹患率は0.23/10万人年と報告されている²⁾。
一般的に皮膚がんは高齢者にみられるが、 DFSPは30歳代など若年者に発症することが多い。 アフリカ系米国人に多いという報告もある³⁾。
DFSPの病型分類はないが、 いくつかの亜型が存在する。 一亜型 (5%以下) であるBedner腫瘍では腫瘍細胞に混じってメラニン含有細胞が存在し、 腫瘍が黒色調となる³⁾。
また、 一部に線維肉腫様の病理所見が見られるもの (約5%) は遠隔転移しやすいと言われる⁴⁾。
「軟部肉腫」 の病期分類としてAJCC/UICC 第8版が適用される。
外科的切除が基本となる。 多くは皮膚に限局しており、 リンパ節転移や遠隔転移を起こすことは稀である。 10年生存率は99.1%と予後は非常に良好である³⁾。
一方で局所再発率は高いため、 深部マージンを確保することが重要であり、 筋膜を含めた十分な切除が必要である。 リンパ節転移や遠隔転移が稀であることから、 薬物療法が行われることは非常に少ない。
進行例に対し、 以前は肉腫の治療に準じてドキソルビシン、 ビンクリスチンなどで治療が行われていたが、 最近ではイマチニブの有効性が報告され、 FDAは2006年10月、 切除不能、 再発、 または転移例の治療薬としてイマチニブを承認した。 NCCLガイドラインでも再発時治療や術前治療の選択肢として記載されている⁶⁾⁷⁾。 一方、 日本では未承認である。
腫瘍細胞が周囲の組織に浸潤しやすいことから、 局所再発率が高い。 十分な切除マージンを取らない症例では再発率は50%と報告されている⁸⁾。 また、 数cmの十分な側方マージンを取って切除しでも断端陽性となることがあり、 さらに断端陰性となっても、 フォローアップ期間に局所再発しうる。 多くは3年以内に再発する一方、 25-30%は5年後以降に再発すると言われており、 長期のフォローアップを要する⁹⁾。
出典
最終更新日 : 2025年2月10日
執筆医師 : 和田昇悟先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
隆起性皮膚線維肉腫 (DFSP) の多くは真皮から発生し、 皮膚・皮下腫瘍として治療される。
稀な肉腫であり、 米国では年齢調整罹患率は0.42/10万人年¹⁾、 本邦の全国がん登録情報では全皮膚がんに占める割合は0.9%、 年齢調整罹患率は0.23/10万人年と報告されている²⁾。
一般的に皮膚がんは高齢者にみられるが、 DFSPは30歳代など若年者に発症することが多い。 アフリカ系米国人に多いという報告もある³⁾。
DFSPの病型分類はないが、 いくつかの亜型が存在する。 一亜型 (5%以下) であるBedner腫瘍では腫瘍細胞に混じってメラニン含有細胞が存在し、 腫瘍が黒色調となる³⁾。
また、 一部に線維肉腫様の病理所見が見られるもの (約5%) は遠隔転移しやすいと言われる⁴⁾。
「軟部肉腫」 の病期分類としてAJCC/UICC 第8版が適用される。
外科的切除が基本となる。 多くは皮膚に限局しており、 リンパ節転移や遠隔転移を起こすことは稀である。 10年生存率は99.1%と予後は非常に良好である³⁾。
一方で局所再発率は高いため、 深部マージンを確保することが重要であり、 筋膜を含めた十分な切除が必要である。 リンパ節転移や遠隔転移が稀であることから、 薬物療法が行われることは非常に少ない。
進行例に対し、 以前は肉腫の治療に準じてドキソルビシン、 ビンクリスチンなどで治療が行われていたが、 最近ではイマチニブの有効性が報告され、 FDAは2006年10月、 切除不能、 再発、 または転移例の治療薬としてイマチニブを承認した。 NCCLガイドラインでも再発時治療や術前治療の選択肢として記載されている⁶⁾⁷⁾。 一方、 日本では未承認である。
腫瘍細胞が周囲の組織に浸潤しやすいことから、 局所再発率が高い。 十分な切除マージンを取らない症例では再発率は50%と報告されている⁸⁾。 また、 数cmの十分な側方マージンを取って切除しでも断端陽性となることがあり、 さらに断端陰性となっても、 フォローアップ期間に局所再発しうる。 多くは3年以内に再発する一方、 25-30%は5年後以降に再発すると言われており、 長期のフォローアップを要する⁹⁾。
出典
最終更新日 : 2025年2月10日
執筆医師 : 和田昇悟先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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