ドキソルビシン(アドリアシン®)
アドリアシン® (添付文書¹⁾)
Cancer. 2012 Jul 1;118(13):3330-6²⁾
ドキソルビシンは軟部肉腫のキードラッグであり血管肉腫に対しても使用されていたが、 タキサン系薬剤の有効性が示されて以降は1次治療として使用されることはほぼない。
2次治療以降の候補薬剤の比較試験は無いが、 心毒性などの有害事象から高齢者の多い皮膚血管肉腫に使いにくいという背景もあり、 近年では他の薬剤が使用されることが多い。 また、 ドキソルビシン単剤は保険適用となっておらず、 イホスファミドとの併用で悪性骨軟部腫瘍に対して保険適用がある。
ドキソルビシン60-75mg/m² (体表面積) を1日、 もしくは2日に分割し、 1回30分で点滴静注する。 これを1サイクルとして3週間毎に最大6サイクルまで繰り返す。 ただし、 総投与量は500mg/m²以下とする。
ドキソルビシンによる心筋障害は総投与量500mg/m²を超えると頻度が多くなるため注意が必要である。 また薬液が血管外に漏出した場合は組織障害、 皮膚壊死などを起こす危険性があるため、 投与経路の確保、 投与中の異常が無いか観察する必要がある。 血管外漏出した場合は、 デクスラゾキサンの投与を検討する。
前向き比較試験は存在しないが、 転移性血管肉腫117例に対するドキソルビシン単剤とweeklyパクリタキセルの1次治療としての有効性を後ろ向きに比較した報告がある²⁾。 ドキソルビシン群34例とパクリタキセル群75例で、 奏効率29.5%vs53%、 無増悪生存期間中央値3ヵ月vs 5.8ヵ月、 全生存期間中央値5.5ヵ月vs10.3ヵ月であり、 パクリタキセルは皮膚原発例で良く反応したと報告された。
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年5月14日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
アドリアシン® (添付文書¹⁾)
Cancer. 2012 Jul 1;118(13):3330-6²⁾
ドキソルビシンは軟部肉腫のキードラッグであり血管肉腫に対しても使用されていたが、 タキサン系薬剤の有効性が示されて以降は1次治療として使用されることはほぼない。
2次治療以降の候補薬剤の比較試験は無いが、 心毒性などの有害事象から高齢者の多い皮膚血管肉腫に使いにくいという背景もあり、 近年では他の薬剤が使用されることが多い。 また、 ドキソルビシン単剤は保険適用となっておらず、 イホスファミドとの併用で悪性骨軟部腫瘍に対して保険適用がある。
ドキソルビシン60-75mg/m² (体表面積) を1日、 もしくは2日に分割し、 1回30分で点滴静注する。 これを1サイクルとして3週間毎に最大6サイクルまで繰り返す。 ただし、 総投与量は500mg/m²以下とする。
ドキソルビシンによる心筋障害は総投与量500mg/m²を超えると頻度が多くなるため注意が必要である。 また薬液が血管外に漏出した場合は組織障害、 皮膚壊死などを起こす危険性があるため、 投与経路の確保、 投与中の異常が無いか観察する必要がある。 血管外漏出した場合は、 デクスラゾキサンの投与を検討する。
前向き比較試験は存在しないが、 転移性血管肉腫117例に対するドキソルビシン単剤とweeklyパクリタキセルの1次治療としての有効性を後ろ向きに比較した報告がある²⁾。 ドキソルビシン群34例とパクリタキセル群75例で、 奏効率29.5%vs53%、 無増悪生存期間中央値3ヵ月vs 5.8ヵ月、 全生存期間中央値5.5ヵ月vs10.3ヵ月であり、 パクリタキセルは皮膚原発例で良く反応したと報告された。
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年5月14日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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