エンコラフェニブ+ビニメチニブ
COLUMBUS試験⁴⁾、電子添文¹⁾³⁾のプロトコル
エンコラフェニブ電子添文¹⁾の基準
ビニメチニブ電子添文³⁾の基準
初回基準量と減量レベル
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
BRAFV600遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者に用いられる。
💊 エンコラフェニブ
ヒト変異型BRAF (V600E) のキナーゼ活性化を阻害し、 BRAFV6000遺伝子変異を有するヒト悪性黒色腫細胞においてMEKおよびERKのリン酸化を阻害することで増殖抑制作用を発揮するBRAF阻害剤である。
エンコラフェニブ450mgを1日1回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。
💊 ビニメチニブ
MEK1と2の活性化とキナーゼ活性を阻害しBRAF V600変異を有するヒト悪性黒色腫細胞およびヒトCRC細胞においてERKのリン酸化を阻害することで増殖抑制作用を発揮するMEK阻害剤である。
ビニメチニブ45mgを1日2回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。
これら2剤の併用療法によってBRAF、 MEKという2つの作用点を阻害することで強力に腫瘍増殖を阻害し、 薬剤耐性発現を遅らせると考えられている。 このような理由で通常は単剤ではなく2剤の併用療法が行われる。
切除不能もしくは転移性BRAF変異陽性悪性黒色腫患者に対して行われた多施設国際共同ランダム化非盲検第III相試験である。 本試験では、 COMBO 450群 (エンコラフェニブ450mg1日1回、 ビニメチニブとして45mg1日2回内服する群) は、 BRAF遺伝子変異陽性の進行期悪性黒色腫において、 エンコラフェニブ300mg1日1回内服群、 ベムラフェニブ960mg1日1回内服群と比較して主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) を有意に延長し、 有意に高い奏効率 (ORR)、 奏効期間中央値 (mDOR) を示した。
- mPFS:14.9ヵ月 vs 7.3ヵ月
- mOS :33.6ヵ月 vs 16.9ヵ月
- ORR :63% vs 40%
- mDOR:16.6ヵ月 vs 12.3ヵ月
COLUMBUS試験Part1での副作用の発現率は以下のとおりであった。
- COMBO 450群 :88.8%
- エンコラフェニブ群:99.5%
- ベムラフェニブ群 :96.8%
主な副作用は、 COMBO 450群で悪心30.7% (59例)、 下痢27.1% (52例)、 疲労25.0% (48例)、 血中CK (CPK) 増加21.4% (41例) であった。
左室駆出率低下は8%と報告されている。 また特殊な副作用として眼障害の発生率が全Gradeにおいて40.6%と報告されている。 その多くが漿液性網膜剥離であり、 投与開始後比較的早期におこる。 原則として自然治癒することが多いが患者の訴えがあれば眼科医受診が無難である。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
COLUMBUS試験⁴⁾、電子添文¹⁾³⁾のプロトコル
エンコラフェニブ電子添文¹⁾の基準
ビニメチニブ電子添文³⁾の基準
初回基準量と減量レベル
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
BRAFV600遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者に用いられる。
💊 エンコラフェニブ
ヒト変異型BRAF (V600E) のキナーゼ活性化を阻害し、 BRAFV6000遺伝子変異を有するヒト悪性黒色腫細胞においてMEKおよびERKのリン酸化を阻害することで増殖抑制作用を発揮するBRAF阻害剤である。
エンコラフェニブ450mgを1日1回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。
💊 ビニメチニブ
MEK1と2の活性化とキナーゼ活性を阻害しBRAF V600変異を有するヒト悪性黒色腫細胞およびヒトCRC細胞においてERKのリン酸化を阻害することで増殖抑制作用を発揮するMEK阻害剤である。
ビニメチニブ45mgを1日2回経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。
これら2剤の併用療法によってBRAF、 MEKという2つの作用点を阻害することで強力に腫瘍増殖を阻害し、 薬剤耐性発現を遅らせると考えられている。 このような理由で通常は単剤ではなく2剤の併用療法が行われる。
切除不能もしくは転移性BRAF変異陽性悪性黒色腫患者に対して行われた多施設国際共同ランダム化非盲検第III相試験である。 本試験では、 COMBO 450群 (エンコラフェニブ450mg1日1回、 ビニメチニブとして45mg1日2回内服する群) は、 BRAF遺伝子変異陽性の進行期悪性黒色腫において、 エンコラフェニブ300mg1日1回内服群、 ベムラフェニブ960mg1日1回内服群と比較して主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) を有意に延長し、 有意に高い奏効率 (ORR)、 奏効期間中央値 (mDOR) を示した。
- mPFS:14.9ヵ月 vs 7.3ヵ月
- mOS :33.6ヵ月 vs 16.9ヵ月
- ORR :63% vs 40%
- mDOR:16.6ヵ月 vs 12.3ヵ月
COLUMBUS試験Part1での副作用の発現率は以下のとおりであった。
- COMBO 450群 :88.8%
- エンコラフェニブ群:99.5%
- ベムラフェニブ群 :96.8%
主な副作用は、 COMBO 450群で悪心30.7% (59例)、 下痢27.1% (52例)、 疲労25.0% (48例)、 血中CK (CPK) 増加21.4% (41例) であった。
左室駆出率低下は8%と報告されている。 また特殊な副作用として眼障害の発生率が全Gradeにおいて40.6%と報告されている。 その多くが漿液性網膜剥離であり、 投与開始後比較的早期におこる。 原則として自然治癒することが多いが患者の訴えがあれば眼科医受診が無難である。
最終更新日 : 2024年7月29日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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