Mucositis oral
口腔粘膜炎は、 放射線療法、 化学療法、 化学放射線療法、 造血幹細胞移植に伴う合併症である。 口腔粘膜炎をきたすと咀嚼、 口腔衛生の維持、 栄養摂取を困難とし、 QOLに悪影響を及ぼし¹⁾、 さらに好中球減少をきたした場合は、 敗血症の危険因子となり得る²⁾。
本項では、 癌治療に伴う口内炎・口腔粘膜炎 (Mucositis oral) について概説する。
頭頸部放射線療法を受けるほぼ全例、 造血幹細胞移植患者の75~100%が罹患するとされる³⁾。
また、 化学療法患者の約40%にはある程度の粘膜炎が見られ、 高リスクのプロトコールの場合は重篤な粘膜炎が60%超えの頻度で発生する⁴⁾。
口腔内の接触痛・出血・冷温水痛、 口腔乾燥、 口腔粘膜の発赤・腫脹、 開口障害、 咀嚼障害、 嚥下障害、 味覚障害など⁵⁾。 以下の経過をたどる。
①重症の粘膜炎をきたすと、 粘膜下層まで浸潤する潰瘍を形成し、 激しい疼痛を伴う
②口腔粘膜上皮に損傷が加わると、 菌血症、 真菌血症、 敗血症のリスクが増加⁶⁾ (特に骨髄移植)
③重度の症状 (Grade3~4) の場合、 感染症、 腎不全、 移植片対宿主病などの致死的合併症の誘因となる可能性がある⁷⁾。
CTCAE ver5 口腔粘膜炎 >>もっと見る
以下は『重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎. 厚生労働省』より引用。
▼Grade1
▼Grade2
▼Grade3
▼Grade4
放射線照射や化学療法による微小血管障害、 炎症性サイトカインの関連が考えられている²⁾
アルキル化剤
代謝拮抗剤
抗腫瘍性抗生物質
植物アルカロイド
白金製剤
分子標的薬
免疫チェックポイント阻害薬
頭頸部への放射線療法²⁾
造血幹細胞移植 (特に全身照射)²⁾
‐ 口腔衛生状態不良
‐ 免疫能の低下
‐ 栄養状態の不良
‐ 喫煙
‐ 口腔乾燥
ペンライト等を使用し、 口腔内の観察を行う。
口腔粘膜発赤、 紅斑、 びらん、 アフタ、 潰瘍、 偽膜、 出血。 悪化で発熱、 口腔分泌物過多、 口臭等
‐ 血液検査
‐ 口腔細菌学的検査
‐ 体重測定
※予防は全て承認適応外使用
生理食塩水、 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、 グリセリン、 半夏瀉心湯、 リドカイン塩酸塩、 副腎皮質ステロイド薬など
参考文献
最終更新日 : 2025年1月3日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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口腔粘膜炎は、 放射線療法、 化学療法、 化学放射線療法、 造血幹細胞移植に伴う合併症である。 口腔粘膜炎をきたすと咀嚼、 口腔衛生の維持、 栄養摂取を困難とし、 QOLに悪影響を及ぼし¹⁾、 さらに好中球減少をきたした場合は、 敗血症の危険因子となり得る²⁾。
本項では、 癌治療に伴う口内炎・口腔粘膜炎 (Mucositis oral) について概説する。
頭頸部放射線療法を受けるほぼ全例、 造血幹細胞移植患者の75~100%が罹患するとされる³⁾。
また、 化学療法患者の約40%にはある程度の粘膜炎が見られ、 高リスクのプロトコールの場合は重篤な粘膜炎が60%超えの頻度で発生する⁴⁾。
口腔内の接触痛・出血・冷温水痛、 口腔乾燥、 口腔粘膜の発赤・腫脹、 開口障害、 咀嚼障害、 嚥下障害、 味覚障害など⁵⁾。 以下の経過をたどる。
①重症の粘膜炎をきたすと、 粘膜下層まで浸潤する潰瘍を形成し、 激しい疼痛を伴う
②口腔粘膜上皮に損傷が加わると、 菌血症、 真菌血症、 敗血症のリスクが増加⁶⁾ (特に骨髄移植)
③重度の症状 (Grade3~4) の場合、 感染症、 腎不全、 移植片対宿主病などの致死的合併症の誘因となる可能性がある⁷⁾。
CTCAE ver5 口腔粘膜炎 >>もっと見る
以下は『重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎. 厚生労働省』より引用。
▼Grade1
▼Grade2
▼Grade3
▼Grade4
放射線照射や化学療法による微小血管障害、 炎症性サイトカインの関連が考えられている²⁾
アルキル化剤
代謝拮抗剤
抗腫瘍性抗生物質
植物アルカロイド
白金製剤
分子標的薬
免疫チェックポイント阻害薬
頭頸部への放射線療法²⁾
造血幹細胞移植 (特に全身照射)²⁾
‐ 口腔衛生状態不良
‐ 免疫能の低下
‐ 栄養状態の不良
‐ 喫煙
‐ 口腔乾燥
ペンライト等を使用し、 口腔内の観察を行う。
口腔粘膜発赤、 紅斑、 びらん、 アフタ、 潰瘍、 偽膜、 出血。 悪化で発熱、 口腔分泌物過多、 口臭等
‐ 血液検査
‐ 口腔細菌学的検査
‐ 体重測定
※予防は全て承認適応外使用
生理食塩水、 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、 グリセリン、 半夏瀉心湯、 リドカイン塩酸塩、 副腎皮質ステロイド薬など
参考文献
最終更新日 : 2025年1月3日
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