概要
監修医師

はじめに

Guardant360® CDx がん遺伝子パネルは、 腫瘍細胞から遊離するctDNAを解析することで、 固形がんの遺伝子異常を検出します。

臨床におけるリキッドバイオプシーを活用するポイントは、 病態、 腫瘍量、 転移部位を総合的に考えて採血のタイミングを判断していくことです。 本稿では、 採血の適切なタイミングについてご紹介します。

ctDNA : circulating tumor DNA (血中循環腫瘍DNA)

採血の適切なタイミングQ&A

Q. 推奨されている採血のタイミングは、 いつですか?

ESMO Precision Medicine Working Groupからのrecommendation¹⁾では 「病態が進行したタイミング」 が、 国内 Expert panel committeeのrecommendation²⁾では 「全身療法に抵抗性を示したタイミング」 が推奨されています。

Q. 採血タイミングによって、 ctDNA量は変わるのでしょうか?

治療中は、 ctDNA量が減少していることが確認されました。

GOZILA studyの登録患者のうち、 大腸がん患者を対象に行った解析では、 ctDNA量が多い傾向にあったのは、 ナイーブ・治療開始直後・増悪前 (PD判定前28日間) ・増悪時次治療開始前の時期でした。

一方、 治療中ではctDNA量はナイーブと比べて有意に少ないことが確認されました。

PD : Progressive Disease
採血の実施タイミング別に見たctDNA量 
[大腸がん : GOZILA study]

Q. 推奨されるタイミングを、 より詳しく教えてください

腫瘍増大傾向確認後が、 推奨される採血のタイミングです (図中❸、 ❹)。

特に、 腫瘍が増大していることが確認されたPD判定後が望ましいタイミングです¹⁾²⁾ (図中❹)。

腫瘍量/ctDNA量の推移とリキッドバイオプシーの推奨されるタイミング (イメージ) ³⁾

Q. 腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間では、 いつ採血するのが良いでしょうか?

❸腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間の場合

腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間では、 腫瘍の増大に伴いctDNA量が増加することが想定されるため、 病態・腫瘍量を考慮して、 PD判定に近いタイミングで採血することをおすすめします¹⁾²⁾。

❹腫瘍増大を確認したPD判定後

PD判定後であれば、 腫瘍が増大しているためctDNA量が多いことが想定されます。

化学療法が奏効すると、 ctDNA量に影響があることが知られているため、 次の化学療法の開始前までに採血することをおすすめします¹⁾²⁾。

大腸がんの転移部位によってctDNA量に違いはありますか?

【ctDNAの検出が期待できる症例】

GOZILA studyの登録患者のうち、 大腸がん患者を対象に行った解析では、 肝転移を有する症例でctDNA量が多い傾向にあることが報告されており¹⁾、 高い確率でctDNAが検出されると期待できます。

一方、 腹膜播種のみの症例や肺転移のみの症例ではctDNA量が少ない傾向にあると報告されています¹⁾。 腫瘍径が長い症例や転移巣数が多い症例ではctDNA量が多い傾向にあり、 検出可能と期待できます。

Q. 膵がんの転移部位によってctDNA量に違いはありますか?

【ctDNAの検出が期待できる症例】

GOZILA studyの登録患者のうち、 膵管腺がん患者を対象に行った解析では、 肝転移症例ではctDNA量が多い傾向にあることが報告されており¹⁾、 高い確率で検出されると期待できます。

一方、 肺転移症例や腹膜播種症例ではctDNA量が少ない傾向にあることが報告されています¹⁾。

参考
組織検査では90%以上と非常に高いことで知られる膵がんのKRAS変異ですが、 GOZILA studyよりリキッドバイオプシーでは転移部位による検出率の差が報告されています。
肝転移を含む症例では75%、 肺転移 46%、 リンパ節転移 60%、 腹膜播種 50%という結果でした。

リキッドバイオプシーを活用するためのPoint


Guardant360 CDx がん遺伝子パネルの電子添文

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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臨床におけるリキッドバイオプシーを活用するポイントは、 病態、 腫瘍量、 転移部位を総合的に考えて採血のタイミングを判断していくことです。 本稿では、 採血の適切なタイミングについてご紹介します。

ctDNA : circulating tumor DNA (血中循環腫瘍DNA)

採血の適切なタイミングQ&A

Q. 推奨されている採血のタイミングは、 いつですか?

ESMO Precision Medicine Working Groupからのrecommendation¹⁾では 「病態が進行したタイミング」 が、 国内 Expert panel committeeのrecommendation²⁾では 「全身療法に抵抗性を示したタイミング」 が推奨されています。

Q. 採血タイミングによって、 ctDNA量は変わるのでしょうか?

治療中は、 ctDNA量が減少していることが確認されました。

GOZILA studyの登録患者のうち、 大腸がん患者を対象に行った解析では、 ctDNA量が多い傾向にあったのは、 ナイーブ・治療開始直後・増悪前 (PD判定前28日間) ・増悪時次治療開始前の時期でした。

一方、 治療中ではctDNA量はナイーブと比べて有意に少ないことが確認されました。

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採血の実施タイミング別に見たctDNA量 
[大腸がん : GOZILA study]

Q. 推奨されるタイミングを、 より詳しく教えてください

腫瘍増大傾向確認後が、 推奨される採血のタイミングです (図中❸、 ❹)。

特に、 腫瘍が増大していることが確認されたPD判定後が望ましいタイミングです¹⁾²⁾ (図中❹)。

腫瘍量/ctDNA量の推移とリキッドバイオプシーの推奨されるタイミング (イメージ) ³⁾

Q. 腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間では、 いつ採血するのが良いでしょうか?

❸腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間の場合

腫瘍増大傾向確認後からPD判定の間では、 腫瘍の増大に伴いctDNA量が増加することが想定されるため、 病態・腫瘍量を考慮して、 PD判定に近いタイミングで採血することをおすすめします¹⁾²⁾。

❹腫瘍増大を確認したPD判定後

PD判定後であれば、 腫瘍が増大しているためctDNA量が多いことが想定されます。

化学療法が奏効すると、 ctDNA量に影響があることが知られているため、 次の化学療法の開始前までに採血することをおすすめします¹⁾²⁾。

大腸がんの転移部位によってctDNA量に違いはありますか?

【ctDNAの検出が期待できる症例】

GOZILA studyの登録患者のうち、 大腸がん患者を対象に行った解析では、 肝転移を有する症例でctDNA量が多い傾向にあることが報告されており¹⁾、 高い確率でctDNAが検出されると期待できます。

一方、 腹膜播種のみの症例や肺転移のみの症例ではctDNA量が少ない傾向にあると報告されています¹⁾。 腫瘍径が長い症例や転移巣数が多い症例ではctDNA量が多い傾向にあり、 検出可能と期待できます。

Q. 膵がんの転移部位によってctDNA量に違いはありますか?

【ctDNAの検出が期待できる症例】

GOZILA studyの登録患者のうち、 膵管腺がん患者を対象に行った解析では、 肝転移症例ではctDNA量が多い傾向にあることが報告されており¹⁾、 高い確率で検出されると期待できます。

一方、 肺転移症例や腹膜播種症例ではctDNA量が少ない傾向にあることが報告されています¹⁾。

参考
組織検査では90%以上と非常に高いことで知られる膵がんのKRAS変異ですが、 GOZILA studyよりリキッドバイオプシーでは転移部位による検出率の差が報告されています。
肝転移を含む症例では75%、 肺転移 46%、 リンパ節転移 60%、 腹膜播種 50%という結果でした。

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