irAEのマネジメント
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。 (監修医師:公益財団法人がん研究会 有明病院先端医療開発科 宮脇英里子先生/北野滋久先生)
中等症~重症のirAEは、 ときに致命的な転帰をたどることも報告されており早期発見と適切な管理が必要である。 Grade3以上の一部症例はステロイド不応性となる。
基本的にはステロイド開始から48-72時間以内にGrade 1以下へ症状の改善を認めない場合、「ステロイド不応」と判断し速やかにインフリキシマブ他、 免疫抑制剤の追加投与を検討する。
ただし、 irAEに対する免疫抑制剤の使用報告は限定的であり、 現時点で臨床的な意義は確立されていないため、 各irAEに対する各免疫抑制剤の使用にあたっては各種ガイドライン¹⁾⁻³⁾や各薬剤の添付文書を参考にしながら適応を慎重に検討する必要がある。
重度皮膚有害反応 (下記参照) においてはステロイド不応性の場合にはIVIGやシクロスポリンの投与を考慮する。
ステロイド不応性の肝障害に対しては、 ミコフェノール酸モフェチル(MMF)が有効であったことが報告されている⁴⁾。 インフリキシマブは肝毒性があるため使用は原則的に不可である。
内視鏡所見で中等症~重症と判断されれば、 より早期(ステロイド投与と同時)から免疫抑制剤の使用を検討する場合もある⁵⁾。 インフリキシマブまたはベドリズマブの有効例が報告されている⁶⁾⁻⁸⁾。 両薬剤の特性を考慮し使い分ける。
インフリキシマブ日和見感染症のリスクあり。 NYHA3度以上の心不全には使用不可である。
大腸炎以外のirAEを合併している症例は適応となりうる ※日和見感染のモニタリング必須
日和見感染症のリスクはない。 消化器への有効性に特化している(作用機序より)
irAE大腸炎だけの症例はよい適応
ステロイド不応性の肺臓炎に対しては、 IVIGやシクロフォスファミドが有効であったことが報告されている⁹⁾¹⁰⁾。 現在、 前向き試験で有効性を検討している (NCT04438382)。
免疫抑制剤を長期間 (1カ月以上) 使用する際には、 日和見感染予防と日和見感染の早期発見・早期治療が重要。
免疫抑制剤はリンパ球 (特にT細胞) の機能を低下させるため、 好中球数に関連なく日和見感染のリスクを上昇させることに注意を要する。
個々の病状に合わせ日和見感染に対する予防的薬剤、 検査の種類、 頻度などは検討する¹¹⁻¹³⁾。
ニューモシスチス (PCP) 肺炎、 サイトメガロウイルス感染症、 真菌感染、 ヘルペスウイルス感染、 結核、 HBVなど。
PCP肺炎予防
バクタ、 アトバコン、ベナンバックスなど使用。
治療開始前
T-SPOT (結核菌特異的IFNγ) 検査、 HBs抗原、 HBc抗体、 HBs抗体
治療開始後
アスペルギルス抗原、β-Dグルカン、サイトメガロアンチゲネミア(C7-HRP)を定期測定
最終更新:2023年2月15日
監修:公益財団法人がん研究会 有明病院先端医療開発科 宮脇英里子先生/北野滋久先生
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。 (監修医師:公益財団法人がん研究会 有明病院先端医療開発科 宮脇英里子先生/北野滋久先生)
中等症~重症のirAEは、 ときに致命的な転帰をたどることも報告されており早期発見と適切な管理が必要である。 Grade3以上の一部症例はステロイド不応性となる。
基本的にはステロイド開始から48-72時間以内にGrade 1以下へ症状の改善を認めない場合、「ステロイド不応」と判断し速やかにインフリキシマブ他、 免疫抑制剤の追加投与を検討する。
ただし、 irAEに対する免疫抑制剤の使用報告は限定的であり、 現時点で臨床的な意義は確立されていないため、 各irAEに対する各免疫抑制剤の使用にあたっては各種ガイドライン¹⁾⁻³⁾や各薬剤の添付文書を参考にしながら適応を慎重に検討する必要がある。
重度皮膚有害反応 (下記参照) においてはステロイド不応性の場合にはIVIGやシクロスポリンの投与を考慮する。
ステロイド不応性の肝障害に対しては、 ミコフェノール酸モフェチル(MMF)が有効であったことが報告されている⁴⁾。 インフリキシマブは肝毒性があるため使用は原則的に不可である。
内視鏡所見で中等症~重症と判断されれば、 より早期(ステロイド投与と同時)から免疫抑制剤の使用を検討する場合もある⁵⁾。 インフリキシマブまたはベドリズマブの有効例が報告されている⁶⁾⁻⁸⁾。 両薬剤の特性を考慮し使い分ける。
インフリキシマブ日和見感染症のリスクあり。 NYHA3度以上の心不全には使用不可である。
大腸炎以外のirAEを合併している症例は適応となりうる ※日和見感染のモニタリング必須
日和見感染症のリスクはない。 消化器への有効性に特化している(作用機序より)
irAE大腸炎だけの症例はよい適応
ステロイド不応性の肺臓炎に対しては、 IVIGやシクロフォスファミドが有効であったことが報告されている⁹⁾¹⁰⁾。 現在、 前向き試験で有効性を検討している (NCT04438382)。
免疫抑制剤を長期間 (1カ月以上) 使用する際には、 日和見感染予防と日和見感染の早期発見・早期治療が重要。
免疫抑制剤はリンパ球 (特にT細胞) の機能を低下させるため、 好中球数に関連なく日和見感染のリスクを上昇させることに注意を要する。
個々の病状に合わせ日和見感染に対する予防的薬剤、 検査の種類、 頻度などは検討する¹¹⁻¹³⁾。
ニューモシスチス (PCP) 肺炎、 サイトメガロウイルス感染症、 真菌感染、 ヘルペスウイルス感染、 結核、 HBVなど。
PCP肺炎予防
バクタ、 アトバコン、ベナンバックスなど使用。
治療開始前
T-SPOT (結核菌特異的IFNγ) 検査、 HBs抗原、 HBc抗体、 HBs抗体
治療開始後
アスペルギルス抗原、β-Dグルカン、サイトメガロアンチゲネミア(C7-HRP)を定期測定
最終更新:2023年2月15日
監修:公益財団法人がん研究会 有明病院先端医療開発科 宮脇英里子先生/北野滋久先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
あなたは医師もしくは医療関係者ですか?
HOKUTOへようこそ。当サイトでは、医師の方を対象に株式会社HOKUTOの臨床支援コンテンツを提供しています。