Hand and foot syndrome
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。 手足症候群の特徴や薬剤ごとの発現頻度、 予防、 治療について解説します。
抗がん剤により手掌や足底などの四肢末端部に発現する、 発赤、 腫脹、 そして著しい不快感、 うずきといった皮膚関連有害事象の総称である
フッ化ピリミジン系抗がん薬 (特にカペシタビン) やドキソルビシン リポソーム化製剤、 ドセタキセルなどで高頻度に発現する
レゴラフェニブやソラフェニブなどの分子標的薬で高頻度に発現する
それぞれ、 以下の順で症状を呈することが多い
細胞障害性抗がん薬と分子標的薬のどちらも、 手足症候群の詳細な発現機序は明確ではない.
▼フッ化ピリミジン系抗がん薬
皮膚基底細胞の増殖能阻害、 エクリン汗腺からの薬剤分泌、 5-FUの分解産物の関与などが示唆
▼ドキソルビシン リポソーム化製剤
ドキソルビシンが PEG 修飾リポソームに覆われた特徴的な構造を有する. PEG 修飾リポソームは親水性であり、 手掌や足底のエクリン腺に集積し、 汗と共に広がることで発症の可能性を報告
PDGFR、 c-KITの阻害による表皮やエクリン汗腺の障害などが示唆
発現は穏やかで、 数週~数ヵ月後が多い
比較的早期に発現し、 数日〜数週が多い
Grade1 色素沈着、 紅斑がみられる
Grade2 発赤、 腫脹、 軽度の疼痛の訴え
Grade3 両側母指先端に亀裂と疼痛の訴え
Grade1 限局性の紅斑から始まることが多い. 日常生活には支障をきたさない.
Grade2 皮膚が角化し、亀裂を伴うことも
Grade3 角化が高度に. 水疱や膿疱形成も
手足症候群に対する確立された治療はなく、 現時点では 「予防」 が最も重要である。
保湿は、発症予防・症状軽減につながるため、 治療開始時より保湿剤を塗布
圧力、 熱、 摩擦などの発症・悪化リスク因子を避けるような生活指導
手足症候群の治療法と予防法は確立していないため、 確実な処置は「原因薬剤の休薬」
休薬によりすみやかに改善する。 ただし、 再発を避けるため、 休薬して症状が回復した後は「減量」しての再投与が基本である
基本は、ステロイド外用薬 (very strong ~strongestクラス)の塗布
・ 炎症・疼痛には、 経口のNSAIDsを用いる
・ 掻痒には、 抗ヒスタミン薬を用いる.
最終更新日:2023年12月16日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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抗がん剤により手掌や足底などの四肢末端部に発現する、 発赤、 腫脹、 そして著しい不快感、 うずきといった皮膚関連有害事象の総称である
フッ化ピリミジン系抗がん薬 (特にカペシタビン) やドキソルビシン リポソーム化製剤、 ドセタキセルなどで高頻度に発現する
レゴラフェニブやソラフェニブなどの分子標的薬で高頻度に発現する
それぞれ、 以下の順で症状を呈することが多い
細胞障害性抗がん薬と分子標的薬のどちらも、 手足症候群の詳細な発現機序は明確ではない.
▼フッ化ピリミジン系抗がん薬
皮膚基底細胞の増殖能阻害、 エクリン汗腺からの薬剤分泌、 5-FUの分解産物の関与などが示唆
▼ドキソルビシン リポソーム化製剤
ドキソルビシンが PEG 修飾リポソームに覆われた特徴的な構造を有する. PEG 修飾リポソームは親水性であり、 手掌や足底のエクリン腺に集積し、 汗と共に広がることで発症の可能性を報告
PDGFR、 c-KITの阻害による表皮やエクリン汗腺の障害などが示唆
発現は穏やかで、 数週~数ヵ月後が多い
比較的早期に発現し、 数日〜数週が多い
Grade1 色素沈着、 紅斑がみられる
Grade2 発赤、 腫脹、 軽度の疼痛の訴え
Grade3 両側母指先端に亀裂と疼痛の訴え
Grade1 限局性の紅斑から始まることが多い. 日常生活には支障をきたさない.
Grade2 皮膚が角化し、亀裂を伴うことも
Grade3 角化が高度に. 水疱や膿疱形成も
手足症候群に対する確立された治療はなく、 現時点では 「予防」 が最も重要である。
保湿は、発症予防・症状軽減につながるため、 治療開始時より保湿剤を塗布
圧力、 熱、 摩擦などの発症・悪化リスク因子を避けるような生活指導
手足症候群の治療法と予防法は確立していないため、 確実な処置は「原因薬剤の休薬」
休薬によりすみやかに改善する。 ただし、 再発を避けるため、 休薬して症状が回復した後は「減量」しての再投与が基本である
基本は、ステロイド外用薬 (very strong ~strongestクラス)の塗布
・ 炎症・疼痛には、 経口のNSAIDsを用いる
・ 掻痒には、 抗ヒスタミン薬を用いる.
最終更新日:2023年12月16日
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