アベマシクリブ (ベージニオ®)
ホルモン受容体陽性かつHER2陰性乳がんにおいて、 手術不能又は再発乳がん、または再発高リスク例に対する術後補助化学療法として使用
・ 手術不能又は再発乳がん : 病勢増悪まで継続
・ 術後薬物療法 : 投与期間24ヵ月間*まで継続
①フルベストラントとの併用
本剤150mgを12時間ごとに経口投与し、 フルベストラントは500mgを1日目、 15日目及び29日目並びにその後は4週毎に筋肉内投与
②レトロゾール又はアナストロゾールとの併用
本剤150mgを12時間ごとに経口投与し、 レトロゾールは2.5mg またはアナストロゾールは1mgを1日1回経口投与
③標準的な内分泌療法剤との併用
本剤150mgを1日2回経口投与し、 標準的な内分泌療法剤* を最低5年間最長10年間投与
初期治療の対象例
MONARCH3試験より抜粋¹⁾
18歳以上で治癒目的の外科的切除または放射線療法が適応とならない局所検査でHR陽性、 HER2陰性の局所再発乳癌、 または転移性乳癌のPS1以下の閉経後女性
術後療法の対象例
monarchE試験より抜粋²⁾
女性 (閉経状態に関係なく) または18歳以上の男性で、 HR陽性、 HER2陰性の遠隔転移を認めない早期切除浸潤性乳癌の次のいずれかに該当する患者 (腋窩リンパ節転移4個以上、 腫瘍径5cm以上、 組織学的Grade3のいずれかを満たし腋窩リンパ節転移1~3個)
初回基準量と減量レベル
日本人サブグループ38例の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)³⁾
主な有害事象
注意すべき有害事象
無増悪生存期間 (PFS)の中央値は、 プラセボ群の14.7ヵ月に対し、Abemaciclib群では未到達だった (HR 0.54、 95%CI 0.41-0.72、 P = 0.000021)。 Abemaciclib群で最も多く認められた副作用は、 下痢 (81.3%) だったが、 うちGrade1 が44.6%を占めた。 主なGrade3/4の有害事象は、 好中球減少症 (Abemaciclib群21.1% vs プラセボ群1.2%)、 下痢 (9.5% vs 1.2%)、 および白血球減少症 (7.6% vs 0.6%)だった。
PFS中央値
- Abemaciclib群 : 28.18ヵ月
- プラセボ群 : 14.76ヵ月
ORR
- Abemaciclib群 : 61.0% (95%CI 55.2-66.9%)
- プラセボ群 : 45.5% (95%CI 37.0-53.9%)
DOR中央値
- Abemaciclib群 : 27.39ヵ月
- プラセボ群 : 17.46ヵ月
ER陽性HER2陰性の再発ハイリスク早期乳癌患者において、 Abemaciclib+内分泌療法 (ET) 併用療法の効果を、 ET群を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験monarchEの結果より、 浸潤性疾患のない生存期間 (IDFS) における有意な改善が示された。
IDFS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 336例 (12.0%)
- ET群:499例 (17.6%)
IDFS率 (2年時、 3年時、 4年時)
- Abemaciclib+ET群 : 92.7%、 89.2%、 85.8%
- ET群 : 89.9%、 84.4%、 79.4%
DRFS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 281例 (10.0%)
- ET群:421例 (14.9%)
DRFS率 (2年時、 3年時、 4年時)
- Abemaciclib+ET群 : 94.0%、 90.8%、 88.4%
- ET群 : 91.6%、 86.8%、 82.5%
OS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 157例 (5.6%)
- ET群:173例 (6.1%)
ホルモン療法中に進行したホルモン受容体陽性HER2陰性の局所進行性または転移性乳癌患者において、 CDK4/6阻害薬Abemaciclib+フルベストラントの効果を、 プラセボ+フルベストラントを対照に検証した第Ⅲ相無作為化二重盲検試験MONARCH 2の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) における有意な改善が示された。
PFS中央値
- Abemaciclib群 : 16.9ヵ月
- プラセボ群 : 9.3ヵ月
PFS率 (3年時)
- Abemaciclib群 : 29.9%
- プラセボ群 : 10.1%
ORR
- Abemaciclib群 : 35.2%(95%CI 30.8-39.6%)
- プラセボ群 : 16.1% (95%CI 11.3-21.0%)
12ヵ月奏効を持続した割合
- Abemaciclib群 : 67.8%
- プラセボ群 : 66.9%
OS中央値
- Abemaciclib群 : 46.7ヵ月
- プラセボ群 : 37.3ヵ月
CBR
- Abemaciclib群 : 72.2% (95%CI 68.0-76.4%)
- プラセボ群 : 56.1% (95%CI 49.5-62.6%)
TTC中央値
- Abemaciclib群 : 50.2ヵ月
- プラセボ群 : 22.1ヵ月
最終更新日 : 2024年12月12日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平 暖先生
ホルモン受容体陽性かつHER2陰性乳がんにおいて、 手術不能又は再発乳がん、または再発高リスク例に対する術後補助化学療法として使用
・ 手術不能又は再発乳がん : 病勢増悪まで継続
・ 術後薬物療法 : 投与期間24ヵ月間*まで継続
①フルベストラントとの併用
本剤150mgを12時間ごとに経口投与し、 フルベストラントは500mgを1日目、 15日目及び29日目並びにその後は4週毎に筋肉内投与
②レトロゾール又はアナストロゾールとの併用
本剤150mgを12時間ごとに経口投与し、 レトロゾールは2.5mg またはアナストロゾールは1mgを1日1回経口投与
③標準的な内分泌療法剤との併用
本剤150mgを1日2回経口投与し、 標準的な内分泌療法剤* を最低5年間最長10年間投与
初期治療の対象例
MONARCH3試験より抜粋¹⁾
18歳以上で治癒目的の外科的切除または放射線療法が適応とならない局所検査でHR陽性、 HER2陰性の局所再発乳癌、 または転移性乳癌のPS1以下の閉経後女性
術後療法の対象例
monarchE試験より抜粋²⁾
女性 (閉経状態に関係なく) または18歳以上の男性で、 HR陽性、 HER2陰性の遠隔転移を認めない早期切除浸潤性乳癌の次のいずれかに該当する患者 (腋窩リンパ節転移4個以上、 腫瘍径5cm以上、 組織学的Grade3のいずれかを満たし腋窩リンパ節転移1~3個)
初回基準量と減量レベル
日本人サブグループ38例の有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)³⁾
主な有害事象
注意すべき有害事象
無増悪生存期間 (PFS)の中央値は、 プラセボ群の14.7ヵ月に対し、Abemaciclib群では未到達だった (HR 0.54、 95%CI 0.41-0.72、 P = 0.000021)。 Abemaciclib群で最も多く認められた副作用は、 下痢 (81.3%) だったが、 うちGrade1 が44.6%を占めた。 主なGrade3/4の有害事象は、 好中球減少症 (Abemaciclib群21.1% vs プラセボ群1.2%)、 下痢 (9.5% vs 1.2%)、 および白血球減少症 (7.6% vs 0.6%)だった。
PFS中央値
- Abemaciclib群 : 28.18ヵ月
- プラセボ群 : 14.76ヵ月
ORR
- Abemaciclib群 : 61.0% (95%CI 55.2-66.9%)
- プラセボ群 : 45.5% (95%CI 37.0-53.9%)
DOR中央値
- Abemaciclib群 : 27.39ヵ月
- プラセボ群 : 17.46ヵ月
ER陽性HER2陰性の再発ハイリスク早期乳癌患者において、 Abemaciclib+内分泌療法 (ET) 併用療法の効果を、 ET群を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験monarchEの結果より、 浸潤性疾患のない生存期間 (IDFS) における有意な改善が示された。
IDFS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 336例 (12.0%)
- ET群:499例 (17.6%)
IDFS率 (2年時、 3年時、 4年時)
- Abemaciclib+ET群 : 92.7%、 89.2%、 85.8%
- ET群 : 89.9%、 84.4%、 79.4%
DRFS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 281例 (10.0%)
- ET群:421例 (14.9%)
DRFS率 (2年時、 3年時、 4年時)
- Abemaciclib+ET群 : 94.0%、 90.8%、 88.4%
- ET群 : 91.6%、 86.8%、 82.5%
OS
- 中央値は両群とも到達せず
- Abemaciclib+ET群: 157例 (5.6%)
- ET群:173例 (6.1%)
ホルモン療法中に進行したホルモン受容体陽性HER2陰性の局所進行性または転移性乳癌患者において、 CDK4/6阻害薬Abemaciclib+フルベストラントの効果を、 プラセボ+フルベストラントを対照に検証した第Ⅲ相無作為化二重盲検試験MONARCH 2の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) における有意な改善が示された。
PFS中央値
- Abemaciclib群 : 16.9ヵ月
- プラセボ群 : 9.3ヵ月
PFS率 (3年時)
- Abemaciclib群 : 29.9%
- プラセボ群 : 10.1%
ORR
- Abemaciclib群 : 35.2%(95%CI 30.8-39.6%)
- プラセボ群 : 16.1% (95%CI 11.3-21.0%)
12ヵ月奏効を持続した割合
- Abemaciclib群 : 67.8%
- プラセボ群 : 66.9%
OS中央値
- Abemaciclib群 : 46.7ヵ月
- プラセボ群 : 37.3ヵ月
CBR
- Abemaciclib群 : 72.2% (95%CI 68.0-76.4%)
- プラセボ群 : 56.1% (95%CI 49.5-62.6%)
TTC中央値
- Abemaciclib群 : 50.2ヵ月
- プラセボ群 : 22.1ヵ月
最終更新日 : 2024年12月12日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平 暖先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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