CMZ (セフメタゾール®､ セフメタゾン®など)

ポイント

• 第二世代セフェムの1つとしてGNRと嫌気性菌をカバーするため各種腹腔内感染に対して使用頻度が高い.
• セファマイシン系でセファロスポリンとは異なる系統である.
• ESBLに活性がある報告がありメロペネムの代替薬として考慮.

どんな細菌に効くの？

• 腸内細菌などのGNR､ Bacteroidesを中心とした嫌気性菌にカバーを有する.
• ESBL産生菌 (菌血症･尿路感染症) に効果があるという報告あり.
• ✕ 腸球菌･緑膿菌には無効.

日常臨床で使用する疾患例

• 胆管炎､ 憩室炎､ 虫垂炎､ 子宮内感染などの腹腔内感染症の第一選択薬.
• ESBL産生菌による菌血症や尿路感染症などの選択薬の1つ.
• 術前予防抗菌薬として腹部手術の際の第一選択薬.

臨床使用例

1回 1-2g 8時間毎（1日3回）

注意点

• 米国では使用しないので､ 腎機能調整などサンフォードに情報なし (Jons-Hopkins ABX Guideやレジデントのための感染症診療マニュアル 第3版には記載あり).
• ジスルフィラム作用 (嫌酒作用) を有するため禁酒の指示を行う.
• ワーファリンとの相互作用でINRが延長するため頻回のINR測定を考慮する.

参考商品名

• セフメタゾールNa静注用1g
• セフメタゾン静注用1g

最終更新：2021年7月16日

監修医師：聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公