HR陽性HER2陰性乳がんは、 遺伝子変異に応じた標的治療を受けられる患者の割合が高く、 検査を行う意義が大きい。
また、 PIK3CA/AKT/PTEN遺伝子変異を有するHR+HER2-乳がんに対してカピバセルチブが保険適用となった。 変異保有率はおよそ50%前後と報告されており、 半数程度の患者がカピバセルチブの対象となり得る。
そのため、 乳がん遺伝子パネル検査を実施する際、 治療到達率の観点から考えてもHR陽性HER2陰性乳がんでは必ず行うべきである。
切除不能・再発のHER2-HR+乳がんの1次治療は、 レトロゾールなどのアロマターゼ阻害薬 (AI) とCDK4/6阻害薬が併用される。
また、 カピバセルチブのピボタル試験であるCapitello-291試験では、 主にAI+CDK4/6阻害薬併用療法の次治療として、 カピバセルチブ+フルベストラントの有効性が認められている¹⁾。
一般的には、 1次治療としてAI+CDK4/6阻害薬併用療法を実施している間に、 遺伝子パネル検査を行うことが望ましい。
このタイミングで検査を行えば、 CDK4/6阻害薬が無効となった際、 速やかにカピバセルチブなどの次の治療へ移行可能である。
CGP検査としてこのタイミングで実施可能かどうかは、 検査実施施設によって異なる可能性があるため確認する必要がある。
また、 HER2陽性乳癌やトリプルネガティブ乳癌では、 CGPでの新たな標的治療の可能性は限定的ではあるが、検査後の治療を鑑み、 ある程度全身状態 (PS) が良好なタイミングでの検査が適当と考えられる。
さらに近年は、 レジメン数の制限を課す治験も増えているため、 4レジメン以内での検査を勧めたい。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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