切除可能なEGFR遺伝子変異陽性のII-IIIB期NSCLCを対象に、 術前療法としての第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ (Osi) +化学療法 (CT)、 またはOsi単独療法の有効性および安全性について、 プラセボ+CTと比較評価した第III相国際共同無作為化比較試験NeoADAURAの微小残存病変 (MRD) の解析結果から、ベースラインのMRD状態は無イベント生存期間 (EFS) の予後予測因子であり、 術前のMRDクリアランスは主要病理学的奏効 (MPR) と関連することが明らかとなった。 米・University of CaliforniaのCollin M. Blakely氏が発表した。
第III相NeoADAURA試験では、 18歳以上でEGFR変異 (エクソン19欠失変異 [Del19] またはエクソン21のL858R点突然変異 [L858R]) 陽性の切除可能なII-IIIB期非扁平上皮NSCLC患者358例が、 以下の3群に1:1:1で無作為に割り付けられた。
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今回の報告では、 同試験の対象患者358例のうち、 MRD解析集団として189例を解析対象とし、 血漿中のMRD解析と患者アウトカム (EFS、 MPR) との関連が探索的に評価された。 MRD解析集団の患者背景は、 全体集団と同様だった。
本研究で用いられた高感度MRD検査 (Personalis NeXT Personal®) は、 従来の単一EGFR変異のみを調べる検査 (Cobas®) よりも、 治療開始前の血中循環腫瘍DNA (ctDNA) を高い感度で検出した (71% vs 30%)。
ベースラインにおいて、 MRD非検出群 (52例) は、 検出群 (135例) と比較し、 病期が進行しておらず (ステージII : 81%/39%、 ステージIII : 19%/61%、 p<0.0001)、 腫瘍が小さく (サイズ中央値 : 4.1mm vs 4.3mm、 p=0.0263)、 リンパ節転移も少ない (陽性リンパ節数平均 0.6 vs 1.3、 p<0.0001) ことが示された。
またMRD非検出群は、 MRD検出群よりもEFSが有意に良好だった (HR 0.24[95%CI 0.07-0.80])。 6ヵ月EFS率は98% vs 92%、 12ヵ月EFS率 96% vs 89%、 18ヵ月EFS率 96% vs 82%だった。
オシメルチニブを含む治療を受けた群は、 プラセボ+CT群と比較し、 手術前にMRDクリアランスを達成する割合が高かった。
MRDクリアランス率
術前にMRDクリアランスを達成した群、 あるいは非検出群は、 非クリアランス群、 検出群に比べてそれぞれ以下のとおりMPR達成率が高かった。
p=0.0378
p=0.0546
Blakely氏は 「本研究の結果は、 MPRを補完する指標としてMRDの潜在的有用性を示すとともに、 切除可能なEGFR変異陽性のII-IIIB期NSCLCにおける、 オシメルチニブを含む術前療法の使用を支持するものである」 と報告した。
Osimertinib+CDDP (CBDCA) / PEM
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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