Zhangらは、 フマル酸ヒドラターゼ (FH) 欠損型腎細胞癌の患者を対象に、 抗PD-1抗体sintilimabとアキシチニブの併用療法の有効性および安全性を第Ⅱ相非無作為化臨床試験で検討した。 その結果、 本併用療法は有望な奏効率および無増悪生存期間を示し、 安全性も管理可能であることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
II相試験のため慎重な記載に終始し、 MeaningもThese promising findings suggest that sintilimab plus axitinib warrants further investigation in patients with FH-deficient RCCとの記載に留まっています。
フマル酸ヒドラターゼ (FH) 欠損型腎細胞癌はまれで予後不良の腎癌であり、 確立された治療選択肢が限られている。 本研究の目的は、 進行性FH欠損型腎細胞癌の治療におけるsintilimabとアキシチニブの併用療法の有効性および安全性を評価することであった。
第Ⅱ相非無作為化臨床試験の対象は、 2021年7月1日~23年8月29日に中国8施設で、 病理学的に確認された治療未施行の進行性FH欠損型腎細胞癌 (ECOG PSは0-2) の患者であった。 sintilimab200mgを3週ごとに静注+アキシチニブ5mgを1日2回経口投与し、 病勢進行、 許容不能な毒性、 または同意撤回まで継続された。
主要評価項目は、 RECISTガイドラインv1.1に基づく客観的奏効率 (ORR) および無増悪生存期間 (PFS) であった。 副次評価項目は、 安全性、 全生存期間 (OS)、 病勢コントロール率 (DCR)、 奏効期間 (DoR)、 探索的ゲノム関連アウトカムであった。
41例が登録され、 年齢中央値は36 (範囲18-75) 歳、 女性10例 (24%)、 追跡中央値は26.0 (範囲 0.7-41.6) ヵ月であった。
ORRは56% (23例、 95%CI 40-72%)、 奏効期間は中央値未到達 (95%CI 23.3ヵ月-未到達)、 DCRは73% (30例) であった。 PFS中央値は19.8ヵ月 (95%CI 10.9ヵ月-未到達) であった。 体細胞コピー数変異負荷が低い患者で治療効果がより良好であった。
Grade3以上の治療関連有害事象は13例 (32%) に発生し、 頻度が高かったのは高トリグリセリド血症3例 (7%)、 発疹2例 (5%)、 貧血2例 (5%) であった。
著者らは、 「本非無作為化臨床試験において、 sintilimabとアクシチニブの併用療法は、 FH欠損型腎細胞癌患者において有望なORRとPFSを示し、 管理可能な安全性プロファイルを有した。 同併用療法は、 無作為化臨床試験によるさらなる検証が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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