
Noaisehらは、 中等度~重度のシェーグレン病患者を対象に、 血中IgG抗体濃度を低下させる胎児性Fc受容体 (FcRn) 阻害薬ニポカリマブの有効性および安全性を第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験DAHLIASで検討した。 その結果、 ニポカリマブ15mg/kg投与群において臨床的疾患活動性が有意に改善することが示された。 本研究はLancet誌において発表された。
全身疾患活動性が低い患者や症状負担が大きい患者が除外されていたことはlimitationです。
シェーグレン病は粘膜乾燥、 疲労、 慢性疼痛、 全身臓器病変、 および自己反応性IgG抗体の上昇を特徴とする疾患である。 現在、 承認された疾患修飾薬は存在しないため、 自己抗体を含む血中IgGを減少させるFcRn阻害薬ニポカリマブの評価が行われた。
対象は、 中等度~重度の活動性シェーグレン病 (ClinESSDAI≧6) で、 抗Ro IgG抗体陽性患者だった (10ヵ国69施設)。 患者は、 ニポカリマブ5mg/kg (5mg群)、 ニポカリマブ15mg/kg (15mg群)、 またはプラセボ (プラセボ群) を2週毎に投与する3群に1 : 1 : 1に割り付けられ、 22週治療が継続された。 主要評価項目は、 24週時点におけるClinESSDAIスコアのベースラインからの変化だった。
163例が無作為化され、 5mg群 (53例)、 15mg群 (54例)、 プラセボ群 (56例) に割り付けられた。
24週時点のClinESSDAIスコアの変化量は、 プラセボ群と比較し、 15mg群で有意な改善が認められた (最小二乗平均差-2.65 [90%CI -4.03~-1.28]、 p=0.0018)。 5mg群では、 プラセボ群と比較して有意な改善は認められなかった (最小二乗平均差-0.34 [同 -1.71~1.03]、 p=0.68)。
安全性プロファイルは両用量群ともにプラセボ群と同様であり、 有害事象および重篤な有害事象の発現率に群間差はみられなかった。
著者らは、 「中等度~重度の活動性シェーグレン病患者において、 ニポカリマブ15mg/kgは疾患活動性を有意に改善し、 安全性もプラセボと同等であった。 ニポカリマブ治療中のIgG自己抗体の減少は、 それらがシェーグレン病の病態形成に寄与していることを裏付けている。 」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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